ニュースリリース

「グッドデザイン賞」 集合住宅部門で業界最長20年連続受賞|2021年度は4プロジェクトが受賞|コスモスモアは、1プロジェクトが受賞

2021年10月20日

 大和ハウスグループの株式会社コスモスイニシアは、下記4プロジェクトが公益財団法人日本デザイン振興会主催の「2021年度グッドデザイン賞」を受賞しましたので、お知らせします。当社は、2002年度以来集合住宅部門で業界最長の20年連続の受賞となります。また、コスモスイニシアグループの株式会社コスモスモアは1プロジェクトが受賞しました。

≪2021年度受賞プロジェクト一覧≫
『イニシア三鷹』『イニシアテラス小竹向原』『ETOWA KASAMA』

『KARUIZAWA FOREST VILLA PROJECT』
コスモスモア『株式会社リクルート KUDANZAKA SUSTAINABLE PROJECT』

■ 2021 年度受賞プロジェクト概要

  1. 『イニシア三鷹』(新築分譲マンション) ~「まえにわ」がもたらす「塔状」集合住宅~

    三鷹駅近くでありながらとりわけ文化の香り高い禅林寺通りのコンテクストに対し、まちに開いた「まえにわ」と「塔状」の集合住宅で応答するようデザインしました。

  2. 『イニシアテラス小竹向原』(タウンハウス) ~重層長屋における共用空間の再定義~

    隣り合う棟の間隔を保ちながら、共用通路に空を取り込む採光を確保し、開放的で良好な住環境を創造しました。

  3. 『ETOWA KASAMA』 ~官民連携の滞在拠点を中心とした地域活性化~

    既存公共施設の民間活用を通して、活用しきれていなかった地域の資源や人的リソースに着目しエリアブランディングを実現しました。

  4. 『KARUIZAWA FOREST VILLA PROJECT』 ~軽井沢に現存する最古の別荘の再生~

    明治33年に建造され老朽化した別荘を「旧別荘の佇まいを残しながら、傷んだ森を再生し、新しい原風景を創造する」をコンセプトに再生しました。

コスモスモア 『株式会社リクルート KUDANZAKA SUSTAINABLE PROJECT』

1960年に建てられたビルを最先端オフィスへ大規模リノベーション。新技術を取り入れ、これからの働く場の在り方を体現した注目のオフィスをデザインしました。

1. 『イニシア三鷹』

(東京都三鷹市、集合住宅、応募カテゴリー:12-01中~大規模集合住宅)
 太宰治の「饗応夫人」に主人公として登場し地元の名士であった画家の旧宅を建替えた10階建て27戸からなる分譲集合住宅。JR駅近くながら一帯でとりわけ文化の香り高い禅林寺通りのコンテクストに対しデザイン的に応答。武蔵野の詩情に想いをはせ唯一性に富んだかけがえのない住宅デザインを提案しました。

『イニシア三鷹』 外観・エントランスホール・まえにわ

【デザインのポイント】

  • 外連味なく抑えたランドマークとして禅林寺通りの文化性の継承発展を図る
  • 沿道景観の連続を図りつつ、「10層高さを構成的に分節する」「コーナーデザインを創る」「まえにわを構える」といった3要素による構成
  • まえにわを禅林寺通りに開き、「手を差し伸べ誘う建物要素」「溜まらせ受け止める場」がまちの焦点を創る

【審査評価ポイント】※審査員による評価コメント

 敷地に以前存在した住宅の文化的文脈への敬意やストリートの環境に対し、新たな調和と価値を生み出そうとする意識が全体の計画に表れている。建築面積を抑えて階数を増やしつつ前庭をつくる配置の選択も、前庭のしつらえやテナント空間の微妙な配置、ファサードの分節表現も、建築行為の前提としての意識の持ちようから生まれていると思えた。特に前庭によってストリートに生み出された環境価値が、これから居住空間としての資産価値や周辺エリアを含めた地域価値へと反映されていくことを望みたい。

2. 『イニシアテラス小竹向原』

(東京都練馬区、集合住宅、応募カテゴリー:12-01中~大規模集合住宅)
 「重層長屋における共用通路空間の豊かさ」の提案。従来の通路空間は法的な2m程度の幅員が多く、集合住宅として接地性の高い重層長屋において課題となっていました。住戸内に多用途に領域を設定できる空間(フレキシブルな共用空間)を設定し、住まい手自身で空間領域を設定し自在に空間の使い分けができる住宅ユニットを提案しました。

『イニシアテラス小竹向原』 外観・共用通路・屋上テラス・室内

【デザインのポイント】

  • コリドー3mとプライベートコモン(+α空間)によって隣棟間隔を確保し、居住空間を豊かに設定
  • 土地の高低差を活かし階段やたまり空間を設け住民同士のコミュニケーションを誘発する空間としてデザイン
  • 住戸内にマルチスペースを設け、上下階の繋がりを持たせることで視線の変化によって住まい手自身で多様な領域設定ができる住宅ユニット

【審査評価ポイント】※審査員による評価コメント

 建物を設計する上で、空地をどう設計するかは重要な課題である。イニシアテラス小竹向原では、建物を分棟として全体のボリューム感を抑え、2棟の間にゆったりとした共用通路を配置している。一般的な避難通路の幅を大きく超えた共用通路は路地のようで、階段や植栽、たまり空間により、コミュニケーションを自然に誘発する。グランドレベルの3mの通路の両脇にはプライベートコモン空間というバッファーをはさみ、居住スペースにつなげている。全体のスケール感や、共用通路のとらえ方が素晴らしく、高い評価となった。ただ、見合いの問題はあると思うが、もう少し共用通路に開いた開口があれば、生き生きとした生活シーンがより滲み出てくるのではないかと思う。

3. 『ETOWA KASAMA』

(茨城県笠間市、応募カテゴリー:17-01地域の取り組み・活動)
 茨城県笠間市の公共施設利活用を中心にした官民連携の地域活性化プロジェクト。民間のノウハウや資力を生かし、公共宿泊施設を滞在拠点施設「ETOWA KASAMA」としてバリューアップ。運営において地域の資源・人材や、地域内の他の空き施設も活用して新しい働き方も提案。都市と地域を交流させる地域循環システムをめざした。

【デザインのポイント】

  • 民間の開発ノウハウや資力を生かした公共施設利活用によるニューノーマル時代の滞在スタイルを提案
  • 地域の観光・魅力を発掘し、市・県と連携しながら、エリアの面的な魅力の発信とブランディングを実施
  • 都心近郊にある地方都市のまちの資源の活用と都市居住者の満足の両立を実現する地域循環システムの創出

【審査評価ポイント】※審査員による評価コメント

 遊休化し財政負担を抱えている公共施設を民間投資で再生し、新たな価値を生み出している取り組み。利用者が固定していた宿泊施設をリブランディングし、アウトドアリゾートという新たな宿泊の形態を掲げたことで新たな集客も獲得している。行政としての財政的な課題を民間の資金とノウハウで解決し、バリューアップすることで新たな関係人口の創出、地域内での経済循環を生み出している公民連携での取り組みを評価した。 今後はこの場所を起点に笠間や周辺エリアへの回遊性を高めるような取り組みを進め、よりエリアへの価値波及を期待したい。

4. 『KARUIZAWA FOREST VILLA PROJECT』

(長野県北佐久郡、戸建て住宅(別荘)、応募カテゴリー:11-02戸建て住宅)
 軽井沢に現存する最古の別荘の再生プロジェクトです。地域に愛された別荘の再建と、周囲の森を保存しながら新たに Conference Villa と Guest’s Villa 2棟を建設。旧別荘の建材や家具を再活用し新築の建物に投影していきました。原風景の保持と新築された建物群が森と調和し新たな原風景を創造していくことを願います。

『KARUIZAWA FOREST VILLA PROJECT』 外観・Guest’s Villa・Conference Villa

【デザインのポイント】

  • 既存別荘の調査と現状の法規に適合させる再生をしたこと
  • 既存建物の建材の再利用と家具等のリペアによる再活用
  • 既存の森の樹木を可能な限り残し、新たなにメンテナンスを加え持続性を維持すること

【審査評価ポイント】※審査員による評価コメント

 明治33年築、築120年という文化財級の別荘建築を再生して活用するプロジェクト。ゲストビラ・共用ラウンジビラを新築し、豊かな森と一体で特別な住環境を提案している。日本は、歴史的な建築の扱いは、保存一辺倒であって、歴史的住宅遺産を新たに利活用していくアプローチが遅れている。歴史を伴った空間を利活用することで新築では獲得できない表情の豊かさ、考え方の深さが実現できる。それを具現化させたこのようなプロジェクトは大変に貴重であり、今後の法整備や技術的な工夫も含めて広がっていってほしいと感じさせる。

コスモスモア『株式会社リクルート KUDANZAKA SUSTAINABLE PROJECT』

(東京都千代田区、オフィス、応募カテゴリー:13-01オフィス・産業施設の建築・環境)
 株式会社リクルートと同じ、1960年に建てられた全5棟の建物を最先端のオフィスへと大規模なリノベーションを行った。オフィスをめぐる社会の転換期に際し、ここで働く人が「安心・安全に集い、快適に働くことができる」ことを目的と掲げ、タッチレス等の最新技術を組み込むことで、築古ビルの有効性を発信する場とした。

『KUDANZAKA SUSTAINABLE PROJECT』 外観・エントランスホール・オフィス

【デザインのポイント】

  • 築古ビルが持つ独自デザインとテクノロジーを組み合わせ、ビル再生の在り方を示す一例となった
  • 環境保護と感染症対策のため壁を極力排除し、可変性のある家具と組合わせた。働き方の変化にも迅速に対応
  • レベルも入口も異なる5棟の建物の1階部分とその周辺をレンガでつなげ、ゆるやかに室内外と各棟をつなげた

【審査評価ポイント】※審査員による評価コメント

 働き方が大きく変化している中で今後どんなオフィスを作るかはオフィス設計者に突きつけられる新たな課題である。その中で可変性のある開放的なオフィスはとても新鮮だ。開放性を何で表現するかは様々だが、ここでの開放性は空間が可変的であるというシステムとしての開放性以上に連続するレンガなど素材の選び方、その組み合わせ、空間の構成によって生まれる使う人の身体と精神に作用する開放性が素晴らしい。新しい働く場の好例として高く評価された。

| コスモスイニシアについて | (本社:東京都港区、社長:髙智 亮大朗、HP:https://www.cigr.co.jp
 コスモスイニシアは、新築マンション・一戸建、リノベーションマンションなどの住まいを提供するレジデンシャル事業、投資用・事業用不動産の開発・仲介・賃貸管理などを行うソリューション事業、ファミリー・グループでの中長期滞在に対応するアパートメントホテルなどの開発・運営を行う宿泊事業を展開しています。社会の変化とニーズの多様化とともに事業領域を拡大し、都市環境をプロデュースする企業へと進化を続けています。
 私たちは、ミッション『「Next GOOD」 お客さまへ。社会へ。⼀歩先の発想で、⼀歩先の価値を。』の実現に向けて全ての経営活動においてCSVを実践していきます。これからも、期待を超える安心や喜びをもたらす価値を追求し、商品・サービスの提供を通じて社会課題を解決するため、より多くの「Next GOOD」を、お客さま、社会と共に創ってまいります。

以 上

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