ポイントは優先順位を決めること! 予算内で理想の家を実現しよう

家を購入するにあたって、何から始めればよいか分からない方は多いのではないでしょうか。理想の家を実現するためには、見学会への参加や具体的な間取りの検討など、入念な準備が重要です。
今回の記事では、理想の家を実現する具体的な方法について以下の内容を解説します。
- 見学会の前に決めておくべき項目
- 間取りの自由度における注意点
- 間取り決めの際に考慮するポイント
- 家の購入後にかかる費用
心地よく暮らせる家を見つけるヒントを紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. 理想の家探しにおいて見学会の前に決めるべき6つの項目

理想の家を実現するにあたって、見学会への参加を考えている方は多いでしょう。住宅展示場やモデルルームでは、工法や構造、仕上がりなどを実際に確認できるため、将来の暮らしをイメージすることに役立ちます。
ただし、家に対する具体的な希望を事前に決めていなければ、見学の時間を有効活用できないため注意が必要です。ここでは、理想の家を実現させるために、見学会の前に決めておくべき6つの項目を解説します。
・家族の希望条件と優先順位
理想の家を実現するためには、住む人全員の希望条件をまとめ、優先順位を決めておくことが重要です。家に対する一般的な希望条件として、以下のような意見が挙げられます。
- 玄関を広くしたい
- リビングは南向きがよい
- 書斎がほしい
- 利便性を重視したい
- 現住所の近くに住みたい
- 近所に大きな公園がほしい
家に対する希望条件は「間取り・設備」と「立地・環境」の2つに大きく分けられます。間取りや設備については、購入後の変更が可能なため、不満を感じた場合であっても工夫次第で対処できるでしょう。
しかし、立地や環境については、住み始めてからの変更はできません。家への希望について話し合う際は、立地や環境に関する条件を優先的に考えるのがおすすめです。
・住む場所
住む場所を決める際は「利便性」と「安全性」を考慮することが大切です。毎日の通勤・通学にかかる時間や費用を抑えるためには、交通利便性の高い場所をおすすめします。
ただし、交通量の多い場所では、騒音や排出ガスが気になるケースがあるため注意が必要です。静かな場所で暮らしたい方は、大通りや高速道路などから近すぎない立地を選びましょう。また、以下のような公共機関や商業施設が近くにあれば、生活に便利です。
- 病院
- 銀行
- 交番
- スーパーマーケット
- コンビニエンスストア
- 100円ショップ
- ドラッグストア
さまざまな店舗が並ぶエリアは、夜遅くても人通りが多く街灯で明るいため、安心して生活しやすいでしょう。候補のエリアが決まったら、その土地における自然災害の記録を確認するのがおすすめです。「ハザードマップ(国土交通省 国土地理院)」や過去の地図を確認したり、実際に現地を訪れて近隣に災害の痕跡がないか調べたりしましょう。
・大まかな予算
理想の家探しを進めるためには、事前に大まかな予算を決めましょう。家の購入にかけられる費用は「自己資金+住宅ローン」で構成されています。
自己資金は、住宅ローンの頭金に充てるほか、仲介手数料や不動産取得税などの諸費用の支払いに使います。諸費用は、新築であれば物件購入価格の5%が目安です。中古であれば、物件購入価格の10%を目安に準備しましょう。
住宅ローンは、借りられる限度額ではなく、返済が可能な金額をもとに算出されます。多くの金融機関では、返済負担率の上限を年収の25~35%と定めています。ただし、子どもの教育費や家の修繕などの支出が増えることがあるため、余裕を持って返済できるよう計画を立てましょう。
・ライフプラン
理想の家に住むにあたって、自分や家族のライフプランについて話し合っておくことが大切です。例えば、家族構成やライフスタイルは、以下のような節目に大きく変化します。
- 就職
- 結婚
- 出産
- 子どもの独立
- 定年退職
心地よく住み続けられる家を実現するには、長期的な視点で住まいの計画を行うことが大切です。例えば、検討中の家が以下のような条件を満たすかをチェックしましょう。
- 部屋の用途を変更できるか
- 通園・通学の手段は確保できるか
- 高齢になっても快適に暮らせるか
また、家族構成やライフスタイルの変化を想定しておけば、将来的な経済状況を把握しやすくなります。住宅ローンの返済に関して悩んだ際は、ライフプランを考慮して計画を見直すとよいでしょう。
・新築か中古か
家を購入する際は、新築だけでなく中古物件にも目を向けましょう。新築に比べると、中古物件は低コストで理想の家を実現しやすいことが魅力です。
中古物件であっても、リノベーションを行えば新築と同様に最新の設備を導入できます。部屋数や広さが気に入らない場合は、リノベーションを施すことで理想の間取りを実現できるでしょう。
また、中古物件を候補に加えると、選択できる住宅件数は格段に増えます。希望の条件に合う新築が見つからない方は、中古の一戸建てやマンションに着目しましょう。
詳しくはこちら:【新築or中古】物件選択を徹底解説! あなたに合うのはどっち?
・物件探しをサポートする専門家
理想の家を手に入れるためには、信頼できる専門家を見つけることが大切です。以下のような専門家とタッグを組み、理想の家を見つけましょう。
- 住宅メーカー
- 工務店
- 建築設計事務所
- 不動産会社
- リフォーム会社
新築一戸建ての場合は「建売住宅」と「注文住宅」に大別され、それぞれ販売形態が異なります。建売住宅の場合は、土地と建物をセットで販売するため、売主は「住宅メーカー」「工務店」「不動産会社」であることが一般的です。ただし、取引自体は販売会社や仲介業者が担当するケースが多いでしょう。
注文住宅では、土地と建物はそれぞれ別の会社への依頼が可能です。ただし、建築条件付きの物件であれば、施工業者は指定されていることがあります。建築条件がない場合、自分の好きな住宅メーカーや建築設計事務所などに依頼できるため、希望に沿った家を実現しやすいでしょう。
新築マンションの場合は、企画・開発を担当した不動産会社がそのまま販売を行うケースが一般的です。中には、グループ企業の販売会社が窓口になることがあります。中古物件の場合は、仲介業者が売主と買主の間に立って調整や契約手続きを行うだけでなく、物件探しも手伝うケースがあります。
2. 理想の家探しにおける「間取りの自由度」に対する注意点

間取りの自由度に関しては、リノベーションが可能な建売住宅やマンションよりも、注文住宅の方が優れています。ただし、すべての間取りを自由に決められるわけではありません。間取りを計画する際は、以下のようなポイントに配慮することが必要です。
- 周辺環境
- 法律
- 構造
例えば一戸建ての場合、駐車場や玄関の配置は、敷地と道路の位置関係を考慮するためある程度固定されます。また、日当たりを考慮して「居室は南側」「非居室は北側」と配置することが一般的です。居室の窓は、近隣住民や歩行者からの視線を考慮し、プライバシーを守れるよう配置する必要があります。
「居室の採光」「換気」「階段の寸法」などは、建築基準法を遵守しなければなりません。さらに、住宅の安全性を保つためには、最低限の壁量を確保することが必要です。
安心して快適に暮らせる家を実現させるためには、守るべきルールがあります。まずは自分たちの理想の家の条件をまとめ、実現が可能かどうかは専門家の判断に委ねましょう。
間取りに関してはこちら:マンションの間取りを徹底解説! ライフスタイル実現の基本ガイド
3. 理想の家に向けて間取りを決める際に考慮する4つのポイント

理想の家を実現するためには、間取りにおける各要素に対して希望の条件を決めることが大切です。ここでは、間取りを決める際に考慮する4つのポイントを解説します。
・住まいの広さと部屋数
間取りを検討するにあたって、住まいの広さや部屋数を決めましょう。適切な住まいの広さや部屋数は、以下の条件によって左右されます。
- 家族構成
- 敷地面積
- ライフスタイル
例えば、夫婦と子ども1人の3人家族であれば、最低でも2LDKが必要です。夫婦と子ども2人の4人家族なら、3LDK以上を検討しましょう。マンションの場合、2LDKなら専有面積は46〜55㎡、3LDKでは58〜65㎡ほどです。
一戸建ての場合は、敷地面積によって部屋の広さや数は異なります。「子ども部屋」「趣味の部屋」「書斎」などは最低でも6帖、夫婦の寝室であれば8帖程度が一般的です。
LDKの広さは、通常は16〜18帖を目安に計画されます。対面キッチンを希望する場合は2帖、アイランドキッチンは4帖ほどプラスして計画するとよいでしょう。
・住み心地のよさ
実際の住み心地をイメージして、快適に過ごせるよう間取りを決めましょう。住み心地を左右する主なポイントは「日当たり」「風通し」「家事動線」の3つです。
日当たり
住まいの日当たりは、一般的に南向きがよいとされています。マンションでは、リビングが南向きに配置されている住戸が多いです。
一方で、寝室や子ども部屋は北側に配置されており、まったく日が当たらない場合があります。リビングの日当たりだけでなく、寝室や子ども部屋の方角も考慮して間取りを決めましょう。
日当たりについてはこちら:「日当たりは南向きがいい」って本当? 後悔しない、日当たりのいい住まいの見つけ方
風通し
窓や換気扇を多く設置しても、風通しがよくなるとは限りません。窓の配置や風向きを考慮し、空気の通り道ができていることが重要です。
また一戸建ての場合は、窓を複数設置すると、防犯面やプライバシー面に不安を覚えるでしょう。窓の配置を決める際は「人の視線を考慮する」「死角となる場所には設置しない」などの工夫が必要です。
風通しについてはこちら:風通しの良い家を作るには?間取りと窓の配置に注目!
家事動線
効率よく家事を行うためには、スムーズに動ける間取りを考えることが重要です。キッチン周辺の家事動線を考え、料理や片付けがしやすいように配置を工夫しましょう。
また、洗濯に関する動線を意識することが大切です。洗濯は他の家事に比べて工程が多く、各部屋への移動が必要な場合は重労働に感じやすいでしょう。
料理や洗濯などの家事動線がスムーズであれば、より快適に暮らしやすくなります。家事の際に通るルートや行動を見直し、自分のライフスタイルに合った動線を考えましょう。
家事動線についてはこちら:家事動線をよくするための基本ガイド|理想の住まいを考えよう!
・水回りの配置
以下のような水回りは、できるだけ一箇所に集めて配置するのがおすすめです。
- キッチン
- 洗面所
- お風呂
- トイレ
水回りをまとめて配置すると、配管を短くできるため工事費を抑えられます。また、家事動線の距離が短くなり、作業効率が上がるでしょう。
一戸建ての場合は、2階にセカンド洗面台やトイレを設けることがあります。1階の設備と上下に重なるように配置すれば、排水管は1本でよいため工事費の削減が可能です。
また、給湯器はお風呂の近くに設けるのが一般的ですが、離れた場所にある他の蛇口では温水が出るまでに時間がかかります。そのため、お湯を頻繁に使う「キッチン」「洗面所」「お風呂」は一箇所にまとめるのがおすすめです。
・収納スペース
無駄のないすっきりとした収納スペースを実現するためには、入れるアイテムをある程度想定して寸法や造作を決めることが大切です。また、物を出し入れすることを想定して、収納スペースの開口部や動線を計画しましょう。収納スペースに入れた物の出し入れがスムーズであれば、家事や身支度などを快適に進められます。
収納スペースは「寝室」「玄関」「廊下」などに設けることが一般的です。また、長く過ごす居間には物が集まりやすいため、近年ではリビング収納が欠かせない存在となっています。その他に、車用品やアウトドア用品など、外部収納に入れるアイテムを想定して間取りを計画しましょう。
詳しくはこちら:住まいの見栄えが変わる! 理想のマンション収納を考えよう!
4. 理想の家を購入した後にかかる費用

一戸建てかマンションかに関わらず、土地や家屋を所有している方は「固定資産税」と「都市計画税」を支払う必要があります。税率は自治体により異なりますが、固定資産税は1.4%が標準値です。都市計画税の制限税率は0.3%と定められており、課税対象の不動産を取得した翌年から毎年納めます。
また、一戸建ての場合は、10〜15年ごとに外壁の再塗装が必要です。費用は塗装する面積や資材の種類により異なりますが、100万円前後は予算を確保しましょう。さらに、洗面所やお風呂などの水回り設備は、15年ほどで寿命を迎えるため買い替えが必要です。
マンションを購入した場合は「管理費」と「修繕積立金」を管理組合に支払います。その他に、住戸内の「設備交換費」や「内装修繕費」、車を所有している場合は「駐車場代」がかかります。
修繕積立金についてはこちら:相場はいくら? マンションの修繕積立金を確認しよう!
5. まとめ|希望の条件に優先順位をつけて理想の家を実現しよう

理想の家を見つけるためには、最初に具体的な希望条件を決めましょう。見学会の前に希望条件を決めておけば、着目すべきポイントが明確になります。
家の広さや立地など、住まいに対して住む人全員が希望する条件をまとめ、優先順位をつけて物件を探しましょう。優先順位をつけるときは、後からの変更が難しい立地や環境に関する条件を重視することをおすすめします。
間取りを決める際は、家族構成やライフスタイルを考慮し、実際の生活をイメージして配置しましょう。理想の家を実現するためには、物件探しをサポートする専門家に相談するのがおすすめです。
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※2025年8月時点での情報です。
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