女性活躍推進の
取り組み
「ジェンダーやライフステージにかかわらず安心してチャレンジできる組織風土の中で成長する機会が提供され、誰もが、より一層活躍できる企業へ」
当社は、中長期的な企業価値の向上に向けてMission『「Next GOOD」お客さまへ。社会へ。一歩先の発想で、一歩先の価値を。』を定めており、中長期の成長実現にむけ2022年5月に「中期経営計画2026」(2022年度〜2026年度)を策定し、公表しています。
株式会社コスモスイニシア
取締役 専務執行役員
岡村 さゆり
「中期経営計画2026」の基本方針を「事業・財務基盤の強化」「新たな事業創造」「ESG経営の実践」と掲げ、ESG取り組み方針を定め、サステナビリティを巡る課題に対し積極的に取り組んでいます。また、人的資本は特に重要な経営資源と考え、ビジネススキル・リーダーシップなどの能力を高める研修の強化や自主的な学びを支援する制度、子育て支援制度、各種の休暇制度などを充実させることに加え、価値創造と生産性向上に向けた当社らしい働き方改革「WSI(Work Style Innovation)」の継続や、従業員の心身の健康維持・向上をはかる健康経営への取り組み、性別に関わらず誰もが活躍していける会社づくりを目指す「コスモスイニシアらしいジェンダーフリーを考えるプロジェクト」の推進等を通じて、人的資本の強化および従業員が長く安心していきいきと働ける環境づくりに取り組んでいます。
当社では、創業当時より「男女平等」を当たり前の価値観として、進化を続けてきました。数年前までは、女性が「継続的に働ける仕組みづくり」の整備に注力してきましたが、時代とともに共働きや、男性の育児参画が当たり前になった現在、女性がただ継続的に働くだけでなく、働きがいを感じることができ、ライフステージに関わらず活躍していける環境整備が必要と考えています。
今後もさらに女性活躍推進の取り組みを進めていくことが、性別や年代、国籍、価値観など、さまざまな「個」を尊重し合う“ダイバーシティ”文化を醸成し、DE&Iの推進スピードを加速させることができ、かつMissonである『「Next GOOD」お客さまへ。社会へ。一歩先の発想で、一歩先の価値を。』の実現に寄与するものと考えています。
株式会社コスモスイニシア
取締役 専務執行役員
岡村 さゆり
岡村さゆりプロフィール
1987年4月、リクルートコスモス(当社)入社。新宿支社・東京支社の営業部業務課で契約業務、顧客対応などを担当。1994年東京支社営業部業務課課長。2002年東京支社業務統括部次長となり首都圏支社の第一線で支社運営に携わる。
2006年1月本社事業本部事業統括グループへ異動、2008年事業統括グループ統括部部長、2014年執行役員経営企画室長。2017年6月に取締役常務執行役員レジデンシャル本部本部長、2019年4月取締役専務執行役員(現任)、2021年経営管理本部本部長(現任)に就任。
当社の目標
当社は、2014年から「効率性と創造性」をキーワードに、従業員全体の生産性向上を目指した“Work Style Innovation”(以下、「WSI」)を掲げ、働き方改革を進めてきました。その結果、性別や年代、ライフステージに関わらず、時間的制約のある従業員でも安心して働くことができる環境を整備することができました。また2020年以降 は“WSI2.0”とし、副業制度の導入なども行いました。
現在は、働き方改革をさらに推進するとともに、女性活躍推進を経営戦略の重要テーマと位置づけ、女性が継続的に働くだけでなく、さまざまな領域で活躍が見られる状態を目指し施策を進めています。
当社では2026年度末、2029年度末と2段階に分け、以下の4項目について目標を設定し、社内での女性活躍推進の取り組みを加速させています。
| 2023年度末(実績) | 2024年度末(実績) | 2026年度末(目標) | 2029年度末(目標) | |
|---|---|---|---|---|
| 管理職における女性割合A※1 | 18.4% | 21.9% | → | 30.0% |
| 管理職における女性割合B※2 | 12.7% | 15.5% | → | 30.0% |
| 取締役における女性割合 | 18.2% | 16.7% | → | 30.0% |
| 男性育児休業取得率 | 37.5% | 100.0% | 100.0% | − |
- ※1 管理職(MM職:マネジメントマネージャー職)および管理職相当職(EM職:エキスパートマネージャー職)の⼥性従業員の⼈数割合
- ※2 管理職(MM職:マネジメントマネージャー職)の⼥性従業員の⼈数割合
女性活躍推進の状況
当社は、創業当時から「男女平等」を当たり前の価値観とし、業界に先駆けて1980年代前半には不動産販売に女性スタッフを登用する「リビングアドバイザー制度」を開始しました。そのポリシーは、創業50周年を迎えた現在も社内風土として浸透しています。また2016年には三井住友銀行より「SMBCなでしこ融資」が実施され、不動産業界の中でいち早く女性活躍推進に取り組んでいる企業として評価されました。
(ニュースリリース:https://www.cigr.co.jp/newsrelease/2016/11/post_56/)
全従業員における女性割合
管理職における女性割合A
管理職における女性割合B
取締役における女性割合
育児・介護との両立支援
当社は、従業員の多様な属性に対して公平な支援をすべく、制度整備を進めてきました。その結果、2024年度は当社の⼥性従業員の育児休業後の復職率は100%、男性従業員の育児休職率100%と達成しています。今後も永続的に、男性が育児・介護に参画できるよう、2025年4⽉に「育児ステップ休暇」を会社独⾃の制度を新設しました。今後も、性別問わず仕事と育児・介護との両立支援を推進していきます。
育児休業取得率(2024年度)
育児休業取得日数(2024年度平均)
育児・介護に関する支援制度
| 出産・育児に関する制度 | 出産前 | 産前産後休暇ガイダンスの実施 |
|---|---|---|
| 産前産後休暇 | ||
| 出産後 | 育児休職制度 | |
| 育児ステップ休暇 (育児を目的とした 最大28日間取得可能な特別休暇) |
||
| ハローパパ休暇 | ||
| 出生時育児休業(産後パパ育休) | ||
| 復職後 | 復職ガイダンスの実施 | |
| Limited(所定労働時間短縮勤務)制度 | ||
| 看護等休暇制度 | ||
| ファミリーサポート補助制度 (延長保育等の費用等を会社が補助する制度) |
||
| 介護に関する制度 | 介護休暇制度 | |
| ケアサポート休職 (会社が定める介護休職を取得した後、 さらに介護を目的とした休職ができる制度) |
柔軟な働き方の促進
前述の通り当社では、「WSI」を掲げ、さまざまな独自の制度を整備してきました。Next GOOD休暇制度やメモリアル休暇制度など、当社独自の休暇制度は多くの従業員が利用しており、メリハリのある働き方が実現できています。(2024年度実績:Next GOOD休暇取得率:95%・メモリアル休暇取得率:82%)
今後も継続的に生産性と価値創造が両立する企業であり続けることを目指し、柔軟な働き方を推進していきます。
年次有給休暇取得率(2024年度)
月間平均法定外労働時間/月(2024年度)
※3 集計対象:無期雇用かつフルタイム社員
働き方に関する支援制度、施策
| フレックスタイム制 | 始業・終業時間を自分で決めることが可能な制度。 |
|---|---|
| リモートワーク | 最も生産性が高く働ける場所を自分で選択することが可能な制度。 |
| 副業制度 | 当社と別のフィールドで働くことで、新たな経験や知見を獲得することを目的とし、副業を可能とする制度。 |
| 半日有給休暇 | 年次有給休暇を半日単位で取得することができる制度。 |
| Next GOOD休暇 | 自己啓発と心身のリフレッシュを目的とし、公休2日と、年次有給休暇3日以上を連続で取得することで休暇手当3万円を支給する制度。 |
| メモリアル休暇 | 従業員本人の誕生月に年次有給休暇を1日取得した場合、メモリアル休暇として扱い休暇手当1万円を支給する制度。 |
| ボランティア休暇 | 天災被災地の復旧活動等の社会奉仕活動等に利用が可能な特別休暇制度。 |
| ステップ休暇 | 一定の勤続期間ごとに長期休暇の取得が可能な特別休暇制度。休暇手当として3万円を支給。 |
| ストック休暇 | 失効する年次有給休暇を最大40日まで積み立て、特定の理由の際に利用が可能な制度。 |
女性活躍推進に向けての取り組み
~コスモスイニシアらしいジェンダーフリーを考えるプロジェクト~
2023年7月に「ジェンダーやライフステージにかかわらず安心してチャレンジできる組織風土の中で成長する機会が提供され、誰もが、より一層活躍できる企業」を目指し、プロジェクトを組成しました。
さまざまな背景をもった従業員の意見を反映できるよう、人事部門だけでなく、所属・役割・年齢・性別・ライフステージ等が異なる従業員で構成しています。
“当社らしいジェンダーフリーとは何か”というテーマに基づき、目指す状態・KPIの設定、現状分析を実施し、必要施策を、以下のとおり設定し、精力的に活動しています。
【必要施策】
・”ジェンダーフリーを当たり前と捉える”風土の醸成
・女性従業員の積極的なキャリア選択のための支援
<風土醸成施策>役員・組織長・マネージャー向けワークショップ
まずトップ・マネジメント層のコミットメントが不可欠と考え、2023年に役員向けのワークショップを、2024年に組織長およびマネージャー層を対象としたワークショップを実施しました。
役員向けワークショップでは役員とプロジェクトメンバーそれぞれのグループを組成し、考え方の違いや共通点を可視化。プロジェクト推進の意義、理想とする状態、直面する課題について、相互に理解を深めるディスカッションを行いました。
組織長・マネージャー向けワークショップでは、社長より「女性活躍推進は経営戦略上の重要テーマである」とのメッセージが発信され、DE&Iおよび女性活躍推進における一般知識のインプット、当社の実現したいビジョンや課題についてのディスカッションを実施。理解の深化に加え、等身大の意見、率直な問題提起など活発な意見交換を通じて、女性活躍推進への機運が高まりました。
<風土醸成施策>全従業員向け 部門別ワークショップ
「対話により他者理解を深めること」を目的とした全従業員へのワークショップを実施。当社がジェンダーフリーを推進する目的や方針の共有とともに、以下のコンテンツを通じて理解促進を図りました。
「立場を変えてみよう!」ワーク
ライフステージやキャリアに関するテーマを、役になりきって体感するケースワークを実施。当事者意識を持ちづらい“自分と異なる”性別や年代の立場になって考えることで、自身が持つ無意識バイアスに気付き、対話による他者理解の手法を学びました。参加者からは「意外と難しい」「こういう時、この立場の人はどう思うんだろう?」などの声も聞かれました。
ベンチレーションワーク
ジェンダーやライフステージに関する悩みや問題意識を匿名で投稿、可視化して共有しあうワーク。
「育児中の女性に対して配慮したいと思うが、どうしたらいいのか分からない」という男性マネージャーの意見や、「日中に子どもの事情で控除することが多い分、子どもが寝た後に仕事に戻ることなどフレックスに働くことが当たり前になってほしい」という育児中社員からの目線などが話題にあがり、自身と異なる立場の思いに気づく機会となりました。
全従業員に実施したからこそ、役割・年齢・性別・ライフステージなどさまざまな立場からの悩みや考えを共有でき、複雑な課題の認識・把握に繋がりました。これらを活かして2025年度のプロジェクト活動で施策の検討を進めています。
<女性従業員の積極的なキャリア選択支援>さゆりキャリアカレッジ
1枚目:さゆりキャリアカレッジの参加者
2枚目:三井住友信託銀⾏さまとの合同企画の様⼦
2024年10月から2025年2月まで“さゆりキャリアカレッジSeason1”を開講。約60名のマネージャー職およびリーダー職の女性従業員が参加しました。
当社の女性取締役岡村を筆頭に、毎月社内のさまざまな立場の女性が登壇し、自身のキャリア、ライフステージ、成功体験や葛藤などの経験を共有しました。
また、社外のロールモデルに触れる機会として、三井住友信託銀行さまと合同研修も行いました。
社内外のさまざまなロールモデルに触れることで、自分らしいキャリアを考える機会となり、グループディスカッションで悩みや思いを共有することによって、部門横断の女性従業員のネットワークを促進し、結果として上位職を目指したい意欲が高まるなど、女性従業員自身のマインドの変化がみられました。
こうした機会を得る女性を増やすべく、2025年度はSeason1と異なる参加者約60名にて、Season2を実施しています。
さゆりキャリアカレッジの実施状況
実施プログラム(2024年10月~2025年3月)
| 開催時期 | 登壇者 | テーマ |
|---|---|---|
| 10月 | 取締役専務執行役員 岡村さゆり |
キックオフ 岡村のキャリアや考え方について |
| 11月 | MM職※1(課長) | 管理職の仕事の面白さと葛藤の乗り越え方 |
| 12月 | 営業部門のMM職※2(課長・部長)、MM職(課長) | 営業とライフステージを両立させる工夫 |
| 1月 | 【特別企画】 三井住友信託銀行との合同研修 |
社内外のロールモデルに触れ、 より多様性を認め合い自分らしいキャリアを築く |
| 2月 | MM職(部長) | リーダーシップ・マネジメントについての工夫 |
| 3月 | 外部講師基調講演 | ステップアップマインドをもとう |
※1 MM職:マネジメントマネージャー職(管理職)、※2 EM職:エキスパートマネージャー職(管理職相当職)
※ 特別企画については、オウンドメディア「COSMOStyle(コスモスタイル)」で担当者インタビューをご紹介しています。
https://www.cigr.co.jp/cosmostyle/careercollege/
参加者のマインドの変化
- 自分にマネージャー職は無理だと考えていたが、いつオファーが来てもいいように成果を出していきたい
- カレッジで刺激を受けた。自分も若い世代にいろいろと伝えられる人になりたい
- プレイングマネージャー職から管理職へのチャレンジを決断
- 登壇者の話を聞いて、時短勤務を解除してフルタイムでがんばってみることを決断した
- 業務のアサインを受けることは「会社から期待されていること」だと気づき、一段上のアサインにも前向きに取り組もうと思った
※ 2025年度は、Season1と異なる参加者約60名にて、Season2を実施しています。