介護施設より“シニア向けマンション”を選ぶ理由は?<br>「なぜここでセカンドライフを」の問いかけから始まった、人とまちづくり

介護施設より“シニア向けマンション”を選ぶ理由は?
「なぜここでセカンドライフを」の問いかけから始まった、人とまちづくり

介護施設でもなく、一般的なマンションでもない。シニア向けマンションという新たな選択肢が注目を集めています。 人事異動で配属された森本は「最初は前例を踏襲すればいいと思っていた」と振り返ります。しかし、地方都市での展開を重ねるなかで、シニアビジネスの奥深さと可能性に気づいていったとのこと。 ウェルデザイン事業部で商品企画や開発を手がける森本の挑戦から、これからのまちづくりのヒントが見えてきました。

PROFILE

森本 恵里/Eri Morimoto

名前

森本 恵里/Eri Morimoto

経歴

ウェルデザイン事業部 事業推進部/コスモスイニシア歴 通算19年
静岡県出身。2002年リクルートコスモス(現コスモスイニシア)に新卒入社。主に新築マンション分譲販売に携わり2009年に退社。同業界内での経験を経て2013年にコスモスイニシア復職。住宅分譲事業において、事業推進部署を経て、2020年から現在の部署に配属。
地方出張が多いため、地方グルメ探求(特にお酒)がもはや趣味。プライベートでは高校生男子の母として出張の合間の弁当づくりなども。

シニアビジネスは未知の領域

最初は他の事業をやってたんですけど、ある日「こっちやって」って言われて。前任が進めてる物件があるし、それと同じようにやればなんとかなるかなと思っていました。

しかし実際はまったく違った展開が待っていました。 それまで一般向けの分譲マンションで商品企画やセールスプロモーションを担当してきた森本が、最初に直面したのは地域ごとの価値観の違いだったのです。

マンションを買ったってまわりになかなか言えない地域もあるんですよ。首都圏だったら「私、あそこに住んでるのよ」と普通に言ってしまうと思うんですけど、先祖代々の土地を手放してマンションに住むなんて、みたいな価値観が強い地域も。そういう土地によって異なる文化は、実際に販売を始めてお客さまと話してみないとわからないものなんですよね。

一般的な分譲マンションとは異なり、明確な購買動機を見出すことも容易ではありませんでした。

一般的な分譲マンションは結婚したとか子どもが生まれたとか、そういう生活の変化で『家を買おう』となりますが、シニアの方はいまの家で困っていることに気づいていないことが多くて、「どうして当社の事業に興味をもっていただいたんですか?」と聞いていくところから始まります。

そんななか森本は、介護施設との違いを意識した商品開発の重要性に気づくことになりました。

介護施設ではなく、なぜここでセカンドライフを過ごすのかを考えたんです。そうしたらケアを受けることが中心じゃなくて、自分の力で元気になっていける場所だということが見えてきたんですよね。

当初はその「自分の力で元気になることをサポートする」などのサービスの充実度だけで価値を訴求できると考えていたものの、地域での展開を重ねるなかで、その考えは大きく変化していきました。

サービスは大事ですけどそれだけではたりなくて、地域の特性、時代に合わせた商品企画、販売の仕方やサービスの提供方法もきちんとマンションごとに作り込む必要がありました。

その気づきは、ある地域での苦労から生まれました。

その地域にはそもそもマンションがなかったので『マンションってなに?』というところから始まって、毎月管理費を払うという考え方を理解していただくまで、ものすごく時間がかかりましたね。

物件の企画段階でも、従来の手法が通用しないことを痛感します。

人口規模などの定量的なデータだけでは見えてこない部分がたくさんありました。その地域の文化や風土が、とくにシニアのみなさんの価値観に強く影響していることに、販売しはじめて気づいたんです。

こうした新しい課題に向き合うため、森本は異業種との連携や知識の習得に積極的に取り組むようになりました。

知識を広げて“対話できるプロ”を目指す

これが面白いんですよ。会話のキャッチボールがつながってきたんです。

介護事業者との連携、クリニックの誘致、再開発事業、第三者管理方式など、次々と新しい分野との接点が生まれることに多くの人は尻込みするかもしれません。しかし森本は、その状況を楽しむように変えていきました。

最初は『これ、大変だな』と思いましたけど、意外と学ぶのが楽しくて。高齢者住まいアドバイザーという比較的簡単な資格取得を始めとして、再開発プランナーとか管理業務主任者とか国内旅行業務取扱主任者とか......あれ? 結構いろいろ取ってますね(笑)

資格取得やさまざまな経験を通して、異業種のプロフェッショナルと対等に話ができるだけの知識を身につけていきました。

私の場合は、深く突っ込んで『この分野の専門家』になることより、いろんなことを知っていて『気軽に話せる存在』になりたいんです。この事業に関わってから社外の人と会う機会がとても増えたんですよ。介護業界の人とも、医療関係者とも、再開発の専門家とも、たとえばお酒を囲みながら対等にお話ができたら面白いじゃないですか。

知識を身につけるのは「飲み会での話題づくり」と冗談めかして語る森本。しかし、人と対話することで学んだことの理解を深めていく姿勢は、新しいアイデアを創造しようとするコスモスイニシアの社風そのものといえるでしょう。さまざまな分野の知見を貪欲に吸収しながら、従来の不動産デベロッパーの枠を超えた挑戦を続けています。

「安心」の先にある暮らしを豊かに

シニア向けマンションでまず重要なのは、安心・安全の確保です。

ベースに求められるのは安心安全。どんなに魅力的なサービスを用意しても、それがなければシニアのみなさんはこの先の暮らしを考えてくれません。

しかし、実際に入居された方々は緊急対応サービスをほとんど使用しないといいます。

60代、70代の方が住み替えを考えるきっかけは将来への不安といわれていますが、いざ暮らしはじめると、緊急対応よりも日常的なサポートのほうが重要なんです。

コスモスイニシアは、2006年という早い段階からシニア向け分譲マンション事業構想に着手。業界に先駆けて、独自のサービス体制を築いてきました。その特徴は、外部との連携を重視する姿勢です。

マンション内ですべてを完結させずに、そのまちの専門家と連携することを大切にしています。

フレイル予防の取り組みも充実させています。

毎朝のラジオ体操や、管理栄養士監修による食事の提供、あと、社会参加のサポートはとくに力を入れています。運営スタッフと入居者さまとで、地域の子どもたちとのハロウィンイベントに参加したり、近隣小学校の見守り活動をしたりなど、入居者のみなさんが地域に貢献できる機会を地域と連携してつくり出したりしています。私たちが提供しているのは、ただの住まいではなく、生きがいを見つけられる場所なんだ、と思うようになりました。

札幌のシニア向けマンションの地域で開催した、沖縄の伝統的な演舞「エイサー」を鑑賞しながら沖縄料理を堪能できる「ちゃんぷるーフェス」の様子。 ご入居者間の交流に加え、地域との交流を促進するイベントの企画・開催も行っている。

不動産デベロッパーだからこそできること

今期から九州の大分と久留米でも新プロジェクトの販売活動開始を予定していますが、これまでの学びを活かした新たな挑戦となります。

安心・安全に加えて、『楽しく暮らす』ことを大きなテーマとし、大分は「旅するように暮らす」久留米は「おもしろく暮らす」をテーマにしました。九州の人はすごくあたたかくて、出張で行くたびにいろんな方に親切にしていただいています。そういう土地柄を活かして、新しい暮らし方を提案していきたいですね。

不動産開発のノウハウを持ち、再開発事業にも参画し、お客さまとの関係も長く続くコスモスイニシア。豊かなまちづくりへの取り組みは今後も発展していくことでしょう。

実はプロジェクトが終わった後が大事なんですよ。ただ建物を建てて終わりではなくて、その後もずっとお付き合いが続くからこそ地域のみなさんと一緒にこの街のことを考えていける。それが私たちらしいまちづくりの形なのかもしれません。

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