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不動産投資の分析「直接還元法とDCF法 NPVとIRR」・中級編

不動産投資を適切に分析する
直接還元法とDCF法 NPVとIRR

不動産投資の世界では、物件の将来収益を算出して投資判断する評価手法があります。こうした手法は資産運用全般にも用いられており、運用開始から不動産の売却まで長期にわたって投資する賃貸住宅経営にとって、購入価格と将来のリターンを考えて投資を実行するかどうかを判断するときに役立つツールです。

評価手法は3種類

賃貸不動産を選ぶ際の決め手のひとつに、その物件が将来どのくらいの利益を上げるのかということがあります。それを知るためには購入価格と将来収益の関係を精査する必要があります。投資判断において重要なポイントを知るために、様々な判断手法を使って不動産の価格と収益の関連を調べ数値を算出します。
不動産の価格・収益判断手法には、「原価法」「取引事例比較法」「収益還元法」の3種類があります。原価法は、当該不動産を仮にもう一度建築した場合の費用(再調達原価)を算出し築年数に応じて現在価値に割り引き、現在価値を推定します。コスト計算による評価でわかりやすいメリットがあります。取引事例比較法は読んで字のごとく、対象の不動産と条件が似た物件の取引事例を多く集めたうえで補正や修正を行って物件価格を比較評価する手法です。

収益還元法は、物件の将来収益を軸に算出するもので、「直接還元法」「DCF法」の2つがあります。原価法、取引事例比較法に比べて合理的な方法といわれています。収益還元法を知っておくと、物件購入時の価格判断基準になるほか、銀行融資の申請時に役に立ちます。

銀行融資の際に役立つDCF法

直接還元法は、一定期間の収益を還元利回りで割ります。還元利回りとは、「不動産投資の分析①」でご紹介した「NOI利回り」と同じもので、「キャップレート」とも呼ばれています。例えば還元利回りを5%と設定し、年間収益が200万円、維持管理費や空室損失額などの年間経費を40万円とすると、物件の収益価格は(200万円-40万円)÷5%=3200万円になります。この物件を購入する際、3200万円以下で購入できれば割安と判断でき、銀行融資の際には同額まで融資を受けられる可能性があると判断できます。
DCF法は、不動産の保有期間中に得られる収益と売却益を現在価値に割り戻して算出する方法で、DCFは「Discounted Cash Flow」の略です。不動産に限らず、株式などの証券投資をはじめ広く用いられている投資評価ツールです。その計算式はやや複雑ですが、賃貸不動産経営を始めるオーナーにとっては、物件が持つ価値を将来のリスクまで考慮して算出できるので、身に付けておくことが望まれます。というのも、DCF法は将来収益を重要視する銀行の融資審査で使われており、DCF法によって算出された数値が良好であれば銀行融資を受けられる可能性が高まるからです。

区分マンションの場合を想定してみます。月々の家賃を15万円とすると、年間の家賃収入は15万円×12か月で180万円。空室率15%、投資期間5年、割引率3%、売却価格3000万円とします。割引率は類似の取引事例との比較から求める方法や、長期国債などの金融資産との比較から算出する方法があります。ここでは投資資産の金利水準を3%と仮定して割引率を同水準の3%とします。

5年間の家賃収入総額は、180万円×5年×(100%-15%)=765万円。1年間の家賃収入を空室率から計算し180万円×0.85=153万円としてDCF法で計算します。DCF法では、1(n)年ごとに「年間の収益÷(1+割引率)の1(n)乗」を投資期間ごとに計算します。

5年間賃貸経営して得られる期待収益は、3274万5969円になりました。直接還元法のケースと同じく、この物件は上記の金額まで銀行融資が受けられる可能性があります。

NPVとIRR

NPVは「Net Present Value」の略で、正味現在価値と訳されています。投資によってどれだけの利益が得られるのかを示す指標です。不動産投資において、複数の候補物件のどれが最も収益を上げるのかを選択する際の手掛かりになります。IRRは「Internal Rate of Return」の略で、内部収益率などと呼ばれています。いずれも収益性と時間の価値を考慮した指標です。
一般に金銭の価値は「現在」のほうが「将来」よりも高いと判断されます。それはいますぐ100万円を年利5%の定期預金に契約すれば、1年後は105万円になる可能性を持っているからです。金利が不確定で何も運用しない1年後の100万円はそのままと考えるのです。お金は利息が付くことを前提に時間的価値が付くというわけです。将来の収益も同様で、現在の収入よりも将来の収入のほうが少ないと考えます。

そうすると、不動産投資においても将来収益は低減していくと考えます。その「低減」率を加味する必要があります。これがDCF法でも出てきた割引率です。NPVもIRRも計算式が難しいのでエクセルを使います。いずれもCDF法と同様に乗数を使います。NPVの計算式は、

n年目のキャッシュフロー÷(1+割引率)×n乗-投資額

例えば、5000万円の物件を購入し、「手持ち現金」である毎年のフリーキャシュフロー(FCF)を500万円、5年後には3500万円で売却し、10年後には売却価格が2000万円に下がると仮定します。割引率は5%。

5年後に売却する場合のNPVは-92万9201円で収益はマイナス。10年後は88万6940円でプラスになり、投資期間は5年よりも10年を選択したほうが得策ということになります。

IRRは、NPV(正味現在価値)がゼロとなる割引率です。割引率は前述したように「金利」「利息」と考えておきましょう。例えば、銀行に定期預金すると利息が付き、満期を迎える前に引き出した場合、受け取れる額は年ごとに異なってきます。時間的価値を測る尺度がIRRです。

IRRは、「投資する年ごとのキャッシュフローを現在価値に直したものの全年分の合計」で、その算出方法は複雑です。仮に2000万円の物件を購入、毎年200万円ずつキャッシュフローが残り、5年目に1500万円で売却した場合、ExcelのIRR関数を用いると、以下のような結果になります。

NPVはプラスであれば投資価値があると判断されます。IRRはNPVがゼロになる際の割引率を示すので、投資するか否かのボーダーラインと見ることができるでしょう。IRRは資本コストよりも大きければ投資価値があるとみなされます。資本コストとは資金調達に伴うコストで、借入金利などが該当します。資金の余裕があればNPVで判断し、予算内で投資する場合はIRRを評価して投資効率を求めるのが適しているといえるでしょう。

ただ、こうした指標と計算式は経費などをある程度度外視しており、計算式が複雑で解が出ないこともあるので、必ずしも万能でないことは予め理解しておく必要があります。

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