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不動産市況

不動産の市場サイクル・基本編

不動産投資の基本
不動産の市場サイクル

不動産投資は実行する時期が重要です。景気の動向や賃貸物件の需要と供給、少子高齢化や将来の人口動向など、中長期的な社会の変化にも目を向けて投資のタイミングを判断し実行することが求められます。今回は、不動産の市場サイクルについて考えます。

景気動向と不動産市場の7年周期説

オフィスや工場、商業施設は経済活動における生産拠点であり、マンションやアパート、戸建て住宅は人々の暮らしを支える生活拠点です。不動産は経済社会活動を支える土台ですから、経済や社会の動向に直結するのは必然といえます。不動産といわば「景気」のこうした関係から、不動産の市場サイクルは金融市場における7年周期説と重ねて論じられることがあります。
米ドル安による通貨不安を解消するため先進各国が協調介入した「プラザ合意」(1985年)以降、わが国で空前の好景気が始まりました。7年後にバブル経済が崩壊、さらにその7年後にインターネットの興隆による「ITバブル」が発生。その崩壊後の7年後にリーマン・ショック(2008年)があり、世界経済が混乱に陥りました。

そして2012年に自民党が政権を奪回してアベノミクスと呼ばれる成長戦略が市場をけん引。2020年に東京五輪の開催、2027年にリニア新幹線開業と、絵に描いたように7年周期説が証明されてきました。この30数年間、不動産市場もこの定説を裏付けるように土地神話とその崩壊、オフィス需要の高まりやマンションブームなどが上昇下降を繰り返して今日に至りました。しかし、新型コロナウィルスの発生により五輪は延期、リニアも着工遅れが懸念されるなど、先行きは不透明になっており、この定説も揺らいでいます。

歴史は繰り返されるとの格言があります。公共事業や企業活動には事業計画の工程表があり、ある程度の予測がつく活動があります。しかし、一般の経済社会活動に周期的な特徴はなく、法則もありません。7年周期説は、インフラ整備の日程感と偶発的に派生した経済事象をやや強引に結び付けたものではないでしょうか。

不動産投資を実行する際には、こうした7年サイクル説は一つの知見として把握する程度で十分と思われます。ただ、リニア新幹線や後述する生産緑地問題など国が推進している大掛かりな経済計画については、予備知識として理解しておくことが必要でしょう。

コロナ終息と五輪、2022年問題

これから不動産投資を始める人にとって気になるのは、コロナ終息の時期と東京五輪の開催の有無ではないでしょうか。新型肺炎のコロナウィルスが世界中で感染拡大し、わが国では4月に緊急事態宣言が出されてから在宅勤務を導入する企業が急増しました。
テレワークが定着すれば、企業は都心の一等地に保有するオフィスの縮小を検討する公算が高まります。それによって賃貸オフィスの空室が増えて稼働率が低下する懸念が出てきます。「ポストコロナ」で賃貸オフィス物件の相場が軟調に転じることが予想されるのです。

一方、都心に通勤しているサラリーマンは、在宅勤務が今後も継続されれば通勤日数が減少するため、より遠い郊外地区に転居する可能性があります。またテレワークのための自室確保(拡充)を目的に住み替え需要が発生するかもしれません。

東京五輪の「2021年開催」も現時点では全く読めません。感染拡大に歯止めがかかっていない状況では、延期の妥当性を論じること自体が拙速な議論とも指摘も出ています。五輪を契機にしたインバウンド需要で都内の宿泊施設の建設は佳境に入っていると思われますが、来年開催されるとしても無観客または人数制限があるかもしれません。中止になれば既存のホテル・旅館を含めて稼働率は激減し、不動産市場が冷え込むことも予想されます。

生産緑地(2020年)問題とは、3大都市圏(首都圏・中部圏・近畿圏)における市街化区域における生産緑地への税制優遇措置が切れることで生まれる様々な問題を指します。1992年の生産緑地法改正で、今後30年間農業を営む場合は農地課税を適用する取り決めの有効期限となる2022年前後に、土地所有者が宅地並み課税になることを懸念して所有地を売却するのではないか、との予測が広まっているのです。

推測通りになれば、わが国不動産市場の大部分を占める3大都市圏のそれぞれで土地取引が活発になります。一見、不動産投資には好都合のように思われますが、土地売却を急ぐ人が増えれば不動産価格は買い手市場になり、不動産市場に影響が出ます。そのリミットまで今年を入れてもあと3年。あるいはコロナによる経済活動の停滞などを考慮して今後、30年の有効期限の延長措置が取られる可能性もゼロとはいえません。

ポストコロナと五輪、2022年問題。この3つは今後の不動産の市場サイクルに影響を与える大きな要素になるのではないでしょうか。

読みづらくなった不動産の市場サイクル

不動産のマーケットサイクルは、互いが関係し合う多くの要素によって形成されているのではないでしょうか。経済が活性化しているときはフィスや工場などの企業用不動産の需要が高まります。同時に人の移動も盛んになり、マンションや戸建て住宅など居住用不動産のニーズも上昇します。不景気の時はこうした不動産の需給バランスは逆になります。

一般的に、不動産の市場サイクルは緩やかで、ある程度の予測は可能との見方があります。不動産は、いったん売買されると再び売買されるまでに一定の期間があり、他の市場との連動性が低いからです。例えば半導体市場は、新商品の開発と販売競争が熾烈なスマートフォンの販売に大きく左右され、半導体市場は数か月でその影響をモロに受けることがあります。不動産市場は短くても年単位、長期の場合は数十年になることも珍しくありません。

ただ、不動産市場のサイクルが「何年」と断言することはできません。前述した「7年周期」は、あくまで参考値として捉えることが肝要ではないでしょうか。また近年はライフスタイルが多様化し、シェアオフィスやシェアハウスなど新しい不動産の利活用が始まっています。加えて今回のコロナ禍で在宅勤務を導入する企業や個人が増加するなど、これまでの不動産市場のサイクルを大きく変える要素が生まれています。

生活様式の多様化は、世帯数の増加に繋がるので不動産賃貸ビジネスには好都合ですし、在宅勤務の拡大は地方居住という分散化を広める機会になります。不動産投資にとっては先を読む意味での「市場サイクル」は見通しづらくなりましたが、新たな投資機会が生まれていると見ることもできるのではないでしょうか。

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