マンション購入で後悔した15の理由と購入前に注意したい5つのポイントを解説

マンションは大きな買い物であり慎重に検討される一方で、購入後に失敗したと感じる方がいます。マンション購入で後悔しないためには、代表的な失敗例や選ぶ際の注意点を事前に理解することが大切です。今回の記事では、マンション購入について以下の内容を解説します。
- マンション購入における代表的な失敗例
- 物件を選ぶ際に注意すべきポイント
- 購入したマンションに不満を感じたときの対処法
心地よく暮らせるマンション選びのコツを紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. 【物件選び】マンション購入で後悔した理由7選

マンション購入して実際に住み始めてから気づくのは、図面や内覧時には分からなかった住み心地の不満です。ここでは物件選びに関するよくある7つの後悔を取り上げます。
・間取りや階数への後悔
家族構成やライフスタイルの変化に伴い、間取りの窮屈さを感じて後悔するケースがあります。子どもが成長すると、家の中が狭いと感じやすいです。さらに、子ども用の家財道具が増えるため、収納スペースの不足に悩む場合があります。
また、マンションの階数選びに失敗したと感じる方がいます。見晴らしのよい最上階は人気がありますが、生活の快適さに不満を感じる場合があるため注意しましょう。
例えば、最上階は日当たりや風通しがよい一方で、外気の影響を受けやすいことがデメリットです。他の階と比較すると、夏は暑く冬は寒いことに加え、結露しやすい点が懸念されます。
また、タワーマンションの高層階に住む場合、エレベーターの問題に悩むことがあります。エレベーターの台数が少ないと待ち時間は長く、急いでいるときは不便に感じることがあるでしょう。マンションを購入する際は、自分たちの生活に適した間取りや階数を検討することが大切です。
詳しくはこちら:マンション間取り徹底解説! ライフスタイル実現の基本ガイド
・構造や設備への不満
中古マンションを購入した場合、建物内の設備が老朽化していたり、使い勝手が悪かったりすることに失敗したと感じるケースは多いです。新しく見える設備であっても、実際には製造日がかなり古い場合があります。
設備の古さに気づかずに中古マンションを購入すると、将来的にメンテナンスや買い替えが必要となり、高額なコストがかかるでしょう。また、新築や築浅のマンションであっても、生活に不便な構造の可能性があります。
例えば「エレベーターが使いにくい位置にある」「共用部分にある設備の使い方が難しい」などのケースです。マンションを検討する際は、実際に生活することを踏まえ、建物の構造や設備をチェックしましょう。
・騒音や近隣住民の問題
近隣住民や建物周囲の騒音が原因で、暮らしにくさを感じる場合があります。騒音が激しいマンションでは、落ち着いて生活しづらいでしょう。また、管理組合での活動が予想以上に多かったり、隣人トラブルが絶えなかったりなど、マンションならではの問題に悩むケースがあります。
実際にマンションを見学する際は、外部から聞こえる音や、施されている防音対策に着目しましょう。居室内だけではなく、近隣住民の様子や周辺環境も確認することが大切です。
詳しくはこちら:あなたならどうする? 隣人・近隣トラブルの事例と正しい対処法
・不動産会社への不満
不動産会社への不満から、購入に失敗したと感じるケースがあります。購入したマンションの実際の状況が、不動産会社からの事前説明と異なっている場合、不満を感じやすいでしょう。
また、希望条件を伝えて紹介された物件であっても、住み始めてしばらく経ってから想像とは異なる箇所に気づくことがあります。希望条件の伝え方があいまいであれば、不動産会社は要望に応えづらくなります。希望条件と併せて目的を説明するなど、業者が理解しやすいように要望を伝えることが大切です。
詳しくはこちら:【不動産会社の選び方ガイド】失敗しない不動産会社選びの考え方と5つのポイントを解説
・日当たりや風通しが悪い
南向きというだけで安心する方は多いですが、実際には周囲の建物や庇(ひさし)の影響で期待したほど日差しが入らなかったり、風が通りにくかったりすることがあります。住み始めてから「思ったより暗い」「湿気がこもる」といった不満を抱くケースは多いです。
特に低層階は隣接する建物や植栽による影響を受けやすいため、購入前に時間帯を変えて複数回内見し、室内の光や空気の流れを確認すると良いでしょう。日当たりや風通しは住んでからの調整が難しいため、購入前の慎重な判断が求められます。
・収納スペースが少ない
購入前に十分だと思っていた収納スペースでも、実際の生活が始まると物が入りきらないことはよくあります。特にファミリー世帯は、子どもの学用品や季節用品などが年々増え、収納不足になりがちです。
収納が足りないと部屋が散らかるだけでなく、家具を追加して狭くなったり動線が悪化したりと生活の質に影響します。家事効率の低下や家族のストレスにもつながるため、内見時にはクローゼットの数や奥行きだけでなく、収納の配置や使い勝手まで確認することが重要です。
・内装や建材が好みではなかった
モデルルームや内見の際に魅力的に思えた内装が、実際に暮らしてみると色みや素材感が好みでないと気づくことがあります。フローリングの質感が安っぽく感じたり、建具の色が家具と合わなかったりといった細かな違和感が積み重なり、日常のストレスになることも多いです。
内装や建材は住まい全体の雰囲気や愛着を左右する要素であるため、購入前には冷静に質感や色調を確認し、自分の好みや手持ちの家具と合っているかを見極めることが大切です。
2. 【立地・周辺環境】マンション購入で後悔した理由3選
立地や周辺環境は、日々の生活の快適さや安心感に大きく影響します。購入当初は気にならなくても、家族構成や生活スタイルの変化によって後々後悔するケースは多いです。ここでは、立地に関する失敗例を紹介します。
・家族構成が変わって不便になった
購入時には「静かな住宅街で環境が良さそう」と安心していたものの、子育てが始まると保育園や学校、病院が遠く不便に感じることがあります。共働き家庭では送迎が負担となることや、子どもが1人で通う際には安全面で不安が残ることもあるでしょう。将来の家族構成を見据え、教育環境や生活インフラ、自治体の子育て支援策まで確認しておくことをおすすめします。
・交通量が多く騒音が気になる
大通り沿いで街灯も多いため「仕事帰りの女性でも安心」と思って購入したものの、車の走行音が気になり窓を開けられないケースもあります。緊急車両の通行が多いエリアでは、夜間でもサイレン音が響きストレスになりかねません。
また、内見時は静かでも平日や週末、昼と夜で騒音の状況は大きく変わります。小さな子どもがいる家庭や、リモートワーク中心の生活では騒音がストレスにつながるため、購入前に必ず確認しておきましょう。
・自然災害のリスクが高い場所だった
川沿いや海抜の低いエリア、地盤が緩い地域などでは、一見穏やかに見えても実は災害のリスクを抱えていることがあります。近年は豪雨や台風の規模や頻度が拡大しており、従来では安全とされてきた地域でも想定外の浸水や土砂災害が発生しています。購入前には、ハザードマップを確認するのはもちろん、自治体の防災対策状況を確認しておくことが重要です。
3. 【資金計画・コスト】マンション購入で後悔した理由3選
近年は頭金なしでマンションを購入できるケースが増えています。「今の家賃と同じ負担でローンが組める」という言葉に惹かれ、後々の支出を軽視してしまう人は多いです。また、金利の上昇や収入の減少で返済計画の見直しが必要になり、マンションの維持に苦労する方もいます。ここでは、資金面で後悔につながりやすいポイントを解説します。
・住宅ローン以外のコストの高さ
マンションに住む際は、住宅ローンの支払いだけでなく、管理費や修繕積立金などのランニングコストが必要です。購入当初の修繕積立金の設定額が少ない場合は、将来的に増額されるケースや、急に集金されることがあるため注意しましょう。例えば、エレベーターなどの修繕工事の際に、一戸あたり数十万円の費用負担を求められる場合があります。
また、固定資産税が予想以上に高かったことを失敗として挙げる方がいます。購入したのが中古マンションであり、物件価格が安かったとしても、土地にかかる固定資産税は高額な場合があるのです。
修繕積立金や固定資産税の目安額は「ネットで調べる」「不動産業者に聞く」などの方法で確認できます。住宅ローン以外に必要な費用を事前に確認し、将来を見据えて資金計画を立てましょう。
修繕積立金についてはこちら:相場はいくら? マンションの修繕積立金を確認しよう!
・金利が上がりローン返済が厳しくなった
変動金利の低さに魅力を感じて住宅ローンを組んだ場合は、将来的に金利の上昇で毎月の返済額が膨らむケースがあります。金利は景気や金融政策の影響を受けて変動するため「今のまま続く」と考えるのはリスクが大きいです。
特に教育費や生活費の増加と重なる時期に金利が上がると、家計の負担は一気に増えます。返済が難しくなり、ローンの滞納や家計破綻といった深刻な事態につながりかねません。将来的な金利上昇の可能性を見越し、余裕を持った借入額に抑えることが、長期的な家計の安定につながります。
・ペアローンやボーナス払いを設定して負担が大きくなった
子どもをもつ予定がなかったため、夫婦の収入を前提にペアローンを組んだり、ボーナス払い前提で返済計画を立てたりすると後悔することが多いです。出産や転職、病気などで収入が減ると負担が一気に重くなり、マイホームを手放さざるを得ないケースもあります。
ローンの返済計画は、家計に余裕を持たせて設定することが大切です。余った分を貯蓄に回すことができ、将来の出費や収入変動にも対応しやすくなります。資金にゆとりができたときには、繰り上げ返済を検討すると良いでしょう。
繰り上げ返済とは、返済途中でまとまった金額を前倒しで返す方法で、利息負担が減ったり返済期間を短縮したりとメリットが大きいです。無理のない返済計画で、長期的な家計の安定を実現しましょう。
4. 【タイミング】マンション購入で後悔した理由2選
マンションは大きな買い物なので、購入のタイミングが後悔につながることもあります。購入当時はベストなタイミングだと思っても、ライフスタイルや家族構成の変化、市場相場の動きによって失敗だったと感じるケースがあります。ここでは、購入のタイミングで後悔した理由を見てみましょう。
・ライフスタイルや家族構成の変化への対応しづらさ
結婚や出産を機にライフスタイルや家族構成が変化した際、マンションの立地や環境選びに失敗したと感じるケースがあります。日常的に訪れる場所や必要な施設などは、ライフスタイルや家族構成によって異なるのです。
例えば、出産すると子ども中心のライフスタイルに変化するでしょう。通勤を考慮して駅に近いマンションを選んでいても、出産後に小児科や学校が近くにないなどの問題に気づくことがあります。
また、子どもが成長して行動範囲が広がると、周辺の治安の良し悪しが心配になるでしょう。将来的な家族構成やライフスタイルの変化をシミュレーションし、柔軟に対応できるマンションを選ぶことが大切です。
立地条件についてはこちら:「資産価値の落ちにくいマンション」を選ぶための10のポイント
・相場のピークで買ってしまった
物件価格が高騰している時期に購入し、数年後に相場が下がり資産価値が減ってしまったというケースがあります。特に郊外の新築マンションは購入直後に価値が下がりやすく、売却したい時にはローンの残債の方が多い「オーバーローン」状態になることがあるため、注意が必要です。
低金利のタイミングや税制優遇の終了前など、購入希望者が集中する時期は価格が高騰しやすいものです。将来的に売却や住み替えを考える場合は、長期的に住み続けても納得できる物件であるかを慎重に判断しましょう。
5. マンション購入で後悔しないために注意すべき5つのポイント

マンション購入における失敗を防ぐためには、入念に確認して選ぶことが重要です。ここでは、マンション購入の際に特に注意すべきポイントを3つ紹介します。住み始めてから後悔しないよう、納得できるマンションを選びましょう。
・図面だけで判断せず現地へ行って確認する
マンション購入の際は、図面を見るだけで判断せず、実際に現地へ行って確認することが大切です。ここでは、現地を見学する際にチェックしたいポイントを3つ紹介します。
居室の広さや形
居室の広さや形は、想像と実際とでは異なる場合があります。実際に見学して室内を詳しく確認することで、購入後の後悔を防げるでしょう。
見学の際は「空間の使い勝手の良し悪し」の確認はもちろん「家具の配置」「収納スペースの使い道」などをイメージすることをおすすめします。
共用部分や居住者の様子
現地で見学する際は、共用部分や同じマンションの居住者の様子を確認することが大切です。エントランスから部屋までの経路を実際に歩き「不便な箇所がないか」「気になる騒音がないか」などをチェックしましょう。
マンションで生活する様子をシミュレーションしながら確認することにより、暮らしやすさを判断できます。新築マンションの場合は、室内や共用部分を事前に確認できないため、モデルルームを入念にチェックしましょう。
周辺環境
現地へ訪れた際は、マンションの周辺環境を確認することが大切です。近隣にある施設はもちろん、治安の良し悪しをチェックしましょう。
周辺環境を詳しく確認するためには「平日と休日」「昼と夜」など、条件を変えて複数回訪問するのがおすすめです。場所によっては、曜日や時間帯により、周辺の様子が異なる場合があります。また、夜に周囲を散策することで、街灯の明るさや治安の良し悪しを判断しやすいでしょう。
・将来の生活を見越して選ぶ
マンション購入後は、ライフスタイルや家族構成の変化を理由に転居することは難しくなります。長期間住み続けるからこそ、将来的な暮らしやすさを考慮してマンションを購入することが大切です。
マンションを選ぶ際は、5年後や10年後の生活をイメージして検討しましょう。例えば、夫婦2人世帯の場合、将来的に子どもが生まれるとライフスタイルは大きく変化します。
出産後の育児や、子どもが成長して勉強するスペースが必要になることを踏まえ、部屋の使い道をイメージして選ぶことをおすすめします。ライフスタイルの変化に柔軟に対応できるマンションを選べば、将来的に不満を感じるリスクを減らせるでしょう。
また、老後も同じマンションに住みたい方は、足腰が弱くなっても使いやすいかを検討することが大切です。新築や築浅のマンションの中には、バリアフリーに近い間取りや設備が多くあります。築年数の長い中古マンションでは「玄関や敷居の高さ」「風呂場の段差」など、高齢者にとって危険な構造の場合があるため注意が必要です。
・優先する条件を明確にする
マンションを購入する際、自分の希望条件をすべて満たす物件を見つけるのは困難です。理想に近いマンションを探すためには、希望条件の優先順位を明確にすることをおすすめします。
複数の希望条件を「どうしても譲れない点」「多少なら妥協できる点」の2つに分けましょう。ただし、妥協できない条件が多いと、候補となるマンションが見つからない可能性が高くなります。そのため「どうしても譲れない点」は3~5つに絞るのがおすすめです。
不動産業者にマンションを探してもらう際は、妥協できない条件を伝えましょう。図面や現地を確認する際は「多少なら妥協できる点」をどの程度満たすかをチェックすることで、理想とするマンションに近いか判断できます。
・入居後の支出を把握しておく
マンション購入時は物件価格やローンの支払いばかりに目が行きがちですが、入居後にかかる支出の把握は重要です。購入後に発生する主な費用は、以下のとおりです。
- 毎月の管理費・修繕積立金
- 毎月の駐車場代
- 固定資産税
- 保険料
これらの費用は継続的に発生するため、想像以上に家計を圧迫することがあります。また、修繕積立金は購入者の負担を軽くするため、当初は低めに設定されており将来的に大幅な値上げが行われることがあります。
実際に発生するコストを事前に把握しておくことは、無理のない暮らしを続ける上で欠かせません。購入前に今後の費用負担も含めてしっかりと確認し、長期的なシミュレーションを行いましょう。
・将来の売却しやすさを意識する
マンション購入時には、住み続けることを考えて購入するのが一般的ですが、実際には転勤・離婚・親の介護などの理由で手放すケースがあります。そのような事態に備えて「将来売却しやすい物件であるか」を購入時の判断材料にしておくのも良いでしょう。
例えば、駅からの距離や周辺施設の充実さ、日当たりの良さ・間取りの汎用性の高さなどは資産価値の維持につながりやすく売却時にも有利です。いざという時にオーバーローンにならないよう、将来の売却時を想像して物件を選ぶことも、後悔を防ぐ大きなポイントです。
6. マンション購入で失敗した場合は「住み替え」を検討

慎重に選んで購入したマンションであっても、実際に住み始めると「想像と違った」「生活しづらい」といった不満が生じるケースがあります。間取りや立地、騒音や周辺環境などは住んでみないと分からない点が多く、購入後に後悔する方が一定数います。
マンション購入に失敗したと感じる場合は、住み替えの検討も1つの選択肢です。ここでは住み替えの手段として「売却する」「賃貸に出す」という2つの方法について解説します。
・売却する
不満のあるマンションに長期間住み続けると、家族関係が悪化したり、体調を崩したりする可能性があります。マンションは高額のため手放す決断は難しいですが、今後の生活を考慮して思い切って売却し、より快適な住まいへ移ることを視野に入れるのも良いでしょう。
ただし、売却を伴う住み替えには、金銭的な負担や物件選びなどの手間が発生することに注意が必要です。住宅ローンを利用している場合は、現在のマンションを売却してもローンを完済できないケースがあります。
その場合は残債を抱えたまま今より価格帯の低い物件から新居を探すことになり、最初のマンション購入時より希望条件が制限される可能性があることも理解しておく必要があります。
詳しくはこちら:住み替え費用の目安と4つの節税方法|データでわかるタイミングと資金計画を解説
・賃貸に出す
すぐに売却が難しい場合や資産として保有し続けたい場合は、マンションを賃貸に出す方法もあります。家賃収入を得ながらローン返済を進められるため、住み替えに向けた資金計画を柔軟に立てやすいのがメリットです。
ただし住宅ローンを利用している物件は、原則として賃貸が禁止されています。転勤などのやむを得ない場合を除き、事業用ローンへの借り換えが必要となるケースが一般的です。また、空室や家賃滞納のリスクがあることや、修繕・原状回復などオーナーとしての責任やコスト負担も発生するため、慎重に検討しましょう。
7. まとめ|マンション購入で失敗しないために慎重に選択しよう

マンション購入で後悔しないためには、実際にあった失敗事例を知り、自分に合った物件かどうかを多角的に検討することが重要です。図面や広告だけで判断せず、実際に現地へ行き間取りや周辺環境をしっかりと確認しましょう。資金計画では、住宅ローンだけでなく維持費や将来の売却時を見据えた判断が求められます。
万が一、購入後に不満が生じた場合は、住み替えという選択肢もあります。理想の暮らしをかなえるために、住まいにおける希望条件に優先順位をつけ、心地よく暮らせるマンションを選びましょう。
※2025年9月時点での情報です。
※記事内で使用している写真、図等はイメージです。





