風通しの良い家を作るには? 間取りと窓の配置に注目!

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マイホームを購入する際に、日当たりを気にする方は多いでしょう。家の快適さを考えたとき、日当たりと同じくらい重要なポイントは「風通し」です。風通しが悪いと「湿気がこもる」「空気の流れが悪い」「洗濯物が乾きにくい」「夏に暑い」などのデメリットが発生します。

そこで今回の記事では、風通しの良い家づくりについて以下の内容を解説します。

  • 家の風通しを良くする要素
  • 家づくりで重要な空気の流れ
  • 暮らしの快適さを左右する窓の種類
  • 風通しの良い間取りの条件
  • 風通しの良い家づくりにおける注意点

風通しの良い理想の家を実現するヒントを紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

1. 風通しを良くする2大要素

空気の流れ道が確保されており、自然の風が吹き抜けている家では、心地良く快適に過ごせるでしょう。ここでは、家の風通しを良くするために重要な2つの要素を紹介します。

・窓からの風|自然風を取り入れた快適な生活

風通しの良い家にするために重要なポイントは「窓の配置」です。窓の配置が適切であれば、家全体に自然の風が流れます。

現在は換気システムが発達しているため、外からの空気を取り込むことは少ないかもしれません。しかし、意識的に風を取り込むことで、エアコンの使用量を抑えられ節約が可能です。夏の気温が高いときは、窓を開ければ留守中にたまった暑い空気を外に逃がせるでしょう。

掃除機をかけたり調理をしたりすると、室内には汚れた空気や臭いが溜まります。汚れた空気の中で生活していると、体調を崩す原因になるため注意が必要です。

空気の汚れや臭いから体調が優れないと感じたときには、窓を開けて自然の新しい風を取り込み、古い空気を外に出しましょう。新鮮な風を家の中に取り込むと室内の空気が循環するため、カビなどで建物自体を傷める事態を防げます。

自然の風を感じられる家は、とても居心地が良く快適です。新鮮な空気の中で過ごすために、風通しの良い生活を意識しましょう。

・換気扇からの換気|室内の空気を循環させるために重要

風通しを良くする要素2つ目は換気扇を活用した換気です。
住宅密集地や限られた土地の中で一戸建てを建てる場合、隣家との距離が近く、窓を多く配置するのが難しいケースがあります。また、マンションでは窓の数が少ない間取りが多く、風通しを期待しづらいでしょう。

窓の配置や数が限られている場合は、換気扇を設置することで空気が循環しやすくなります。換気扇は、外気を取り込んで機械的に室内の空気の循環を手助けするシステムです。自由に窓を配置することが難しい場合には、換気扇の設置を検討してみましょう。

2. 風通しの良い家を実現するには、空気の流れを理解しよう

実は「室内に窓をたくさん設置しておけば風が入り込む」とは一概に言えません。風通しの良い家を実現するには「どの方角から吹いてくるか」「どのようにして流れるか」という特性について理解する必要があります。

ここでは、家の風通しの良さに影響する空気の流れについて解説します。

・風向きは季節や地域によって異なる

窓から自然の風が入り込むと、心地が良いと感じるでしょう。ただし、風の吹き方は季節によって異なるため、家の風通しの良さは変化します。例えば、夏は暖かい南風が吹き、冬になると冷たい北風に変わります。

また、風の吹き方や方向は地域によってさまざまです。海沿いの地域では海から陸へと吹く海風が吹き、山間の地域では尾根から吹きおろす山風が吹きます。さらに、同じ地域であっても地勢の違いで風の方向が違う場合があります。

北側と南側に窓を設置すれば、季節に関わらず自然の風がスムーズに抜けていく家になるでしょう。地域の風向きを知り、空気の流れを上手く活かせるよう窓を配置することは、家づくりの重要なポイントです。

・暖かい空気は上昇する

風は家の中を循環しますが、暖かい空気は室内の上部に溜まる性質があります。一戸建て住宅では冬場に「2階から1階に下りてくると寒い」というケースが多々あるでしょう。これは、暖かい空気が上昇しているためです。

また、夏場には暖かい空気が2階にこもってしまい「寝室に行ったら暑い」ということが起こる場合があります。暖かい空気が上昇するという特性を知っておくと、空気の流れ道を考えるときに役立つでしょう。

3. 風通しの良い家づくりで重要な窓の種類

窓にはさまざまな種類があり、開閉の方法や程度が異なります。ここでは、代表的な3種類の窓における特徴を紹介します。「部屋の間取り」「構造」「コスト」「特徴」などの住まいの条件を考慮し、適切な種類の窓を選びましょう。

・縦すべり窓(縦すべり出し窓)

縦すべり窓は、縦の状態のまま外側にすべらせて開けるタイプです。左右どちらかの縦軸を起点とし、一般的なドアのように開閉します。

窓は直角になるまで開けられるため、ガラス面の外側を手入れしやすいことが特徴です。また、細いタイプの縦すべり窓の場合、防犯性の高さが期待できるというメリットがあります。

・横すべり窓(横すべり出し窓)

横すべり窓は、窓の上部にある横軸を起点として開閉するタイプです。窓の上部は固定されており、下部を外側にスライドして開けます。

横すべり窓の特徴は、窓を開けていても室内へ雨が入りにくい点です。光と風を上手に取り込めるうえ、少しだけ開けている状態であれば急に雨が降っても影響されづらいでしょう。

・引き違い窓

引き違い窓は、日本の住宅の中で幅広く使われているタイプです。左右どちらにも開閉でき、開き具合を自由自在に調節できます。価格はリーズナブルであり、窓から荷物などの出し入れをしやすい点がメリットです。

4. 風通しの良い間取りを実現する3つの条件

近年はエアコンが設置されている家庭が多く「自然の風を取り入れなくても室内の空気をきれいに保てるだろう」と考える方は多いでしょう。しかし、エアコンのみでは新鮮な空気を十分に取り込めません。

古い湿気のある空気が室内に溜まってしまうと、カビやダニが発生するリスクが高くなります。快適に暮らすためには、自然の新鮮な風を適度に家の中へ取りこみ、空気が循環する風通しの良い間取りにすることが大切です。

ここでは、風通しの良い間取りを実現する3つの条件を紹介します。

・風が下から入り、上から抜ける窓

窓から自然の風が入る家であっても、気温が高い夏場などは上部に暖かい空気が溜まるため注意が必要です。低い位置から風が入り、高い位置へ風が抜けていくよう窓を配置すると、空気の流れが良くなります。

下から上に風が抜けていく家

また一戸建ての場合は、吹き抜け部分を作ることによって1階から2階への空気の流れができ、風通しの良い家になります。ただし、上手く排出できないと上階に空気が溜まるため、1階の窓を開けたときには2階の窓から抜けるように配慮することが大切です。

・部屋に2つの窓を設置

風通しの良い家にするためには、部屋に2つの窓を設置することが効果的です。

 

部屋に2ヵ所窓がある場合

室内に窓が2つ設置されていれば自然に風が抜けていくため、風通しが良くなるでしょう。家づくりにおいて、1つの部屋に2つの窓を設置するのが難しいケースがあります。部屋に窓を1つしか設置できない場合は、出入り口のドアを開けておけば風通しが良くなるでしょう。

部屋に1ヵ所しか窓がない場合

しかし、プライベートな個室であれば、入口のドアをずっと開けておくことは難しい場合があります。1つしか窓のない部屋で入り口ドアを閉めてしまうと、窓を開けて換気しても空気は上手く循環しません。

個室のドアを開けておきたくない方は、室内窓を設置するのがおすすめです。部屋の壁部分に室内窓を作ることで、空気の通り道が確保されるため、ドアを閉めていても換気できるでしょう。さらに、室内窓を作ることで隣接した部屋からの光が差し込み、全体的に室内が明るくなるメリットがあります。

・防犯とプライバシーを考えた窓の設置

風通しを良くするために窓を多く設置するのは理想的ですが、防犯とプライバシー面の問題があります。多くの窓を設置した場合、空き巣の被害に遭うリスクが高まるため注意しましょう。空き巣被害の多くは、窓が侵入経路です。

例えば一戸建ての場合、高い塀の近くに窓を設置するとそこが死角となり、窓が破られて侵入される恐れがあります。可能であれば、死角となる位置には窓を設置しないようにしましょう。そのほかに「二重窓にする」「小さい窓を取り付ける」「外側に面格子をつける」などの設計は、防犯効果が期待できます。

また、プライバシーの確保を考えると、窓を設置できる位置は限られています。特に、隣家との距離が近い場合や人通りの多い道に窓が面している家では、視線が気になりやすいでしょう。隣の家の窓に対向する形で設置すると、窓を開けることをためらってしまう可能性があります。

窓からの他人の視線が気になると、プライベートな個室であってもリラックスしづらくなるでしょう。プライバシーを確保するためには「部屋の高い位置に窓を取り付ける」「人の視線を考慮した窓の配置を考える」「カーテンを取り付ける」などの工夫をするのがおすすめです。

5. 風通しの良い家づくりにおける3つの注意点

窓の設置や間取りを工夫することで、風通しの良い家を実現できます。ただし、風通しのみを重視して窓を設置すると、思わぬ失敗につながることがあるため注意しましょう。

ここでは、風通しの良い家を建てる際に注意したい3つのポイントについて解説します。

・収納・壁を確保する

風通しを良くするために窓をたくさん設置すると、壁の面積が少なくなります。家具を壁側に設置する方は多いため、壁の面積が減ると置き場所に困るでしょう。窓の前に家具を置いてしまうと、風の通り道が遮られます。

窓を多く設置したい方は、家具の置き場所の妨げにならないように上部に設けるなどの工夫をするのがおすすめです。収納スペースや家具設置のことを考え、できるだけ壁を確保できるように設計しましょう。

収納についてはこちら:住まいの見栄えが変わる! 理想のマンション収納を考えよう!

・免震性・耐震性考慮して窓を設置する

窓を設置するときは、免震性や耐震性を考慮することが重要です。一般的に、住宅の壁には建物の耐久性を高めるために補強の資材が入っています。窓を多く設置すると補強の役割をする壁が減り、耐震性の劣る家になりやすいため注意が必要です。

自然の風を取り入れるために、大きい窓を設置したいと考える方は多いでしょう。しかし、大きい窓はガラス面が広く重量があり、地震や火事、強風で割れたときにケガをするリスクがあるため注意が必要です。

・換気扇は適切な位置に設置する

窓からの風通しを補助するために換気扇を設置する際は、適切な位置に取り付けるよう心がけましょう。窓からの空気が入り込みにくい「キッチン」「トイレ」「浴室」などの水回り周辺では、特に換気扇の働きが重要となります。臭いや湿気が広がらないようにするためには、設置したい場所です。

また、暖かい空気は上昇する性質があるため、部屋の高い位置に換気扇を取り付けることをおすすめします。空気の循環をスムーズに行い、室内の空気の入れ替えに役立つでしょう。ただし、排出された空気が窓から戻ってこないよう、窓と換気扇の位置には注意が必要です。

6. まとめ|間取りを工夫して風通しの良い家を実現しよう

快適に暮らせる家を実現するためには、風通しの良さは重要な要素です。風通しを良くするためには、窓から風を取り込むことはもちろん、換気扇を活用して室内の空気を循環させる必要があります。

可能であれば窓は1部屋に2箇所に設置し、風の通り道を確保できるようにしましょう。耐震性やプライバシー面で不安があれば、室内窓や小窓を活用して風通しを良くする方法があります。また、湿気や臭いがこもりやすい部屋には、壁の高い位置に換気扇を設置するのがおすすめです。

コスモスイニシアでは、風通しが良く快適に過ごせる物件を豊富に取り揃えています。エリアやこだわりから希望する物件を探せるため、さまざまな条件や間取りの中から自分にピッタリの住まいを見つけてみてくださいね。

※2025年3月時点での情報です。
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