マンションをリノベーションするメリットとは?老後の生活を考えて計画するのがキモ!

定年の時期が近づき、現在住んでいるマンションのリノベーションを考えている方は多いでしょう。年齢を重ねると、子どもの独立や退職などによるライフスタイルの変化に伴い、現在のマンションが暮らしにくいと感じるようになります。

また、老後は足腰が弱りやすいため、安心して暮らせるようにリノベーションするのがおすすめです。今回の記事では、マンションのリノベーションについて以下の内容を解説します。

  • リノベーションとリフォームの違い
  • リノベーションと住み替えにかかる費用の比較
  • 工事する箇所ごとの予算の目安
  • 予算の打ち合わせにおける注意点
  • リノベーションの具体的なメリット
  • マンションでの工事が可能な箇所

老後生活を快適に過ごせる家づくりのヒントを紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

1. リノベーションとリフォームの違い

リノベーションと似た意味合いの言葉として「リフォーム」が挙げられます。一般的に、リフォームは「経年劣化した部分を新築の状態に戻すこと」を指します。

リノベーションとは「既存物件のよさを活かし、変化する時代や現代のライフスタイルに合わせて改良工事を行うこと」です。目的はそれぞれで異なっており、リフォームでは「元に戻すこと」、リノベーションでは「物件の新たな価値を創造すること」を目指しています。

2. マンションにおけるリノベーションと住み替えの費用を比較

老後のライフスタイルの変化に合わせ、快適に暮らせるマンションを手に入れる方法としては「住み替え」と「リノベーション・リフォーム」の2つがあります。住み替えとは、今の家を売却して新居を購入することです。住み替え先の家が新築か中古物件かによって、必要な費用は大きく異なります。

リノベーション・リフォームでは、現在住んでいる家を住みやすいように改装します。家を新たに購入する必要がないため、かかる費用は住み替えに比べて比較的安価です。

【訂正版】令和4年度住宅市場動向調査報告書」(令和5年3月/国土交通省住宅局)」によると、住み替えやリノベーション・リフォームにかかる平均費用は、以下のグラフのとおりです。

以下の表では、それぞれの平均費用をまとめており、リノベーション・リフォームが最も安価だと分かります。

平均費用
リノベーション・リフォーム 200万円
住み替え
中古物件を購入 2,900~3,300万円
新築物件を購入 4,200~5,400万円

老後の住まいにかけられる予算を検討する際は、ひとつの指標として参考にしましょう。

3. マンションにおけるリノベーション箇所ごとの費用目安

リノベーションを施す箇所や内容によって、必要な費用は大きく異なります。改装したい部分や工事内容を明確にしたうえで、リノベーションにかけられる予算を検討しましょう。

リノベーションする箇所と費用の一例は、以下の表のとおりです。

リノベーション箇所 費用(税込み) 工事内容 工事期間の目安
水回り 298万円〜 キッチン交換、洗面交換、ユニットバス交換、トイレ交換、床材(CFシート)の貼り替え 約1週間~
LDK
(リビング・ダイニング、キッチン、和室、廊下)
448万円〜 キッチン交換、クロス交換、建具交換、床材・巾木交換、ダウンライト交換、スイッチ交換 約3週間~
居室全体
(専有面積65㎡の場合)
748万円~ キッチン交換、クロス交換、建具交換、床材・巾木交換、ダウンライト交換、スイッチ交換、ユニットバス交換、給湯器交換、洗面交換、トイレ交換、分電盤交換 約2カ月

リノベーションの内容や規模によって、必要な工事期間は変動します。長期間の工事の場合は、仮住まいを利用することになり、そのための費用が別途必要です。

また、リノベーションを依頼する会社ごとに、アフターサービスの内容や保証期間は異なります。リノベーションを依頼する会社を探す際は、アフターサービスの内容を加味して検討しましょう。

本章で紹介した工事内容や費用は、過去にコスモスイニシアで扱ったリノベーション事例です。最新の事例はこちらからご確認ください。

4. マンションのリノベーション予算を伝える際の2つの注意点

リノベーションを依頼する際は、予算を加味したうえで、改装したい箇所や内容を考えることが大切です。ただし、依頼する会社への予算の伝え方を誤ると、完成のクオリティを下げる可能性があるため注意しましょう。

ここでは、リノベーションを依頼する会社へ予算を伝えるときに注意すべきポイントを2つ紹介します。

・工事自体にかけられる費用を伝える

依頼する会社や設計者との打ち合わせの際は、事前に「リノベーション自体にかけられる予算」を伝えましょう。例えば、費用が途中で足りなくなることを懸念して、予算を少なめに伝える方は多いです。また、家具の購入費用を含めた場合の予算を伝える方がいます。

予算と実際にかけられる費用が異なると、最初に決めたプランで工事を進めることが難しくなるため注意しましょう。リノベーション自体にかけられる予算を算出し、正確に要望を伝えることが大切です。

・理想の完成像を伝えきる

実施したい工事内容や理想の完成像は、リノベーション会社にすべてを伝えきりましょう。リノベーションしたい箇所があっても、予算を理由に伝えることをためらう方がいます。実際にかかる費用は、素材や材質などのさまざまな要素によって決まるため、遠慮せずに相談しましょう。

また、希望の工事内容をリストアップしたうえで、優先順位をつけることをおすすめします。さらに、それぞれの箇所をリノベーションをしたい背景を伝えることが大切です。

予算的に難しいリノベーションであっても、アプローチ方法を変えれば要望を叶えられるケースがあります。例えば、間取り自体を変える工事は難しくても、部屋の一部分を改装することで快適に過ごせる空間の実現が可能です。

5. マンションをリノベーションする3つのメリット

ここでは、マンションのリノベーションにおける代表的なメリットを3つ紹介します。リノベーションのメリットを理解し、自分の老後生活に適した住まいを実現しましょう。

・部屋を自在にコーディネートできる

既存のマンションの内装は、万人受けするようにシンプルなデザインであることが一般的です。クロスを一部張り替えるなどのリノベーションを施せば、好みの部屋のデザインを実現できるでしょう。

例えば「北欧テイスト」「アジアンリゾート」「日本古来の和風テイスト」など、さまざまな雰囲気へ改装できます。また、お気に入りのインテリアを引き立たせるような部屋へのリノベーションが可能です。

・住み替えよりもコストを抑えられる

リノベーションで間取りごと修繕する場合であっても、住み替えのコストより安く抑えられます。コストを抑えつつ暮らしやすい家に住み替えたい方は、新築よりも中古物件を選ぶのがおすすめです。

安価な中古物件をリノベーションすることにより、限られた予算で理想の住まいを実現できます。

・物件自体の価値を上げられる

一般的には、築年数が長い家ほど物件価格は下がります。ただし、古いマンションであってもリノベーションされていれば、物件自体の価値は上がる傾向にあります。

リノベーション済みの住宅は「新築より安く綺麗な部屋に住める」「新しい設備を使用できる」などの点が魅力です。売却の際に、リノベーションを施していない中古マンションよりも査定額は高くなる可能性があります。

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6. マンションでリノベーションが可能な5つの箇所

ここでは、マンションにおいてリノベーションが可能な箇所や設備の例を5つ紹介します。なお、リノベーションが可能な範囲はマンションの管理規約によって異なるため、実際に行う際は必ず管理規約等による制限を確認しましょう。

・間仕切り壁

構造上の問題がなければ、間仕切り壁の撤去や移動ができます。 また、壁紙は内装部分にあたるため、マンションであってもリノベーションによる変更が可能です。

・天井

間仕切り壁と同様に、天井は内装部分であるため、壁紙の変更が可能です。また、天井裏にスペースがある場合に限り、内装をはがして天井を上げられます。

・給排水設備

排水勾配が確保できる場合は「キッチン」「浴室」「洗面所」の移設が可能です。トイレの排水管については、短距離での移動であれば可能なケースがあります。

・室内ドア・建具

室内のドアやクローゼットの扉などは、リノベーションの際に交換できる設備です。

・玄関ドア

玄関のドアに関しては、内側を塗装するリノベーションが施せます。

7. 老後はバリアフリー化するリノベーションがおすすめ

高齢者が寝たきりになるきっかけとして、多くの調査で転倒が主な原因とされています。年を重ねると、小さな段差で転ぶリスクが上がります。

安心して暮らせるマンションを手に入れるために、転倒の可能性がある箇所をバリアフリー化するのがおすすめです。ここでは、マンションをバリアフリー化するメリットや、老後におすすめのリノベーション例を紹介します。

・事故のリスクやストレスを軽減できることがメリット

老後にリノベーションを行う主なメリットは、以下のとおりです。

  • 室内で起こる事故を未然に防げる
  • 段差が減ることで生活ストレスを軽減できる
  • 手すりなどを設置することで室内の移動が楽になる

マンションをバリアフリー化すれば、事故のリスクや日常生活のストレスを軽減できます。また、子どもや孫が訪ねて来た際に、安全な空間で一緒に過ごせることが魅力です。

・安心して暮らすための工事の例

バリアフリー化するためのリノベーションの内容は、場所によってさまざまです。例えば玄関では、段差のある部分をゆるやかな傾斜のスロープに変更する工事が挙げられます。

浴室やトイレは、立ち上がることをサポートする「手すり」「滑り止め」を設置すると安心です。簡易的なリノベーションを施すことにより、快適な老後生活が実現できるでしょう。

・車椅子で暮らす場合の工事の例

老後生活に向けてバリアフリー化する際は、車椅子で生活するケースを想定して計画することをおすすめします。車椅子で暮らしやすくするリノベーションの例は、以下のとおりです。

  • 扉を開き戸から引き戸に付け替え
  • 玄関には床からせり上がるリフトを設置
  • 浴槽や階段に昇降機を設置

将来的な体の状態に合ったマンションを実現するためには、プロに相談しながらリノベーションの計画を進めましょう。

8. まとめ|マンションをリノベーションして快適な老後の暮らしを実現しよう

安心かつ快適な老後生活を迎えるためには、ライフスタイルの変化に合った家に住むことが大切です。現在のマンションにリノベーションを施せば、住み替えよりも安価に理想の家を実現できます。

老後は足腰が弱りやすいため、バリアフリー化するリノベーションを実施し、事故のリスクや日常的なストレスを軽減することをおすすめします。予算内でリノベーションを行うためには、希望の改装内容に優先順位をつけ、依頼する会社と入念に打ち合わせをしましょう。

コスモスイニシアでは、リノベーション工事についての相談を承っています。ライフスタイルの変化に合わせて暮らしやすい家を実現したい方は、お気軽にご相談ください。

老後の住まいについての詳細はこちら:老後はどうする? 終の棲家を考えた過ごしやすい間取りとは

※2025年9月時点での情報です。
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