新築一戸建てで人気がある7つの外観スタイル!印象を決める5つの要素と後悔しない選び方も解説

憧れの新築一戸建て! 家の外観を考えたときに、後悔しないためには?アイキャッチ画像

 

新築一戸建ての購入において「外観がイメージと全然違った」「近所から浮いて恥ずかしい」「メンテナンス費用がこんなにかかるなんて」など、外観選びで後悔している声は多いです。建売住宅は、すでにデザインや素材が決まっているからこそ、購入前にその外観が持つ特徴を理解しておくと納得したうえで住宅選びができるでしょう。そこで今回の記事では、以下の内容を解説します。

  • 人気の外観スタイル7選とそれぞれの特徴
  • 外観を決める5つの要素(家の形・屋根・外壁・窓・玄関)
  • 各要素の種類
  • 外観選びのポイント

建売住宅の購入を検討している方や、どのような外観にするか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. 新築一戸建てで人気の7つの外観スタイル

新築一戸建ての外観は、住まいの第一印象を決定づける重要な要素です。多様なデザインのなかから、特に人気の高い以下7つのスタイルを紹介します。

  • ナチュラル
  • シンプルモダン
  • 和モダン
  • エレガント
  • アメリカン
  • リゾート
  • 北欧

それぞれの特徴を詳しく解説します。

・ナチュラル

ナチュラルスタイルは、自然素材の温かみを活かした優しい印象の外観が特徴です。外壁には木目調のサイディングや塗り壁を使用し、白やベージュ、ブラウンなどの淡い色合いでまとめる傾向にあります。

ナチュラルスタイルの魅力は、年月が経っても飽きのこないデザインとどのような周辺環境にも馴染みやすい点です。特に緑豊かな住宅街や郊外の立地にマッチし、家族がほっと安らげる住まいを実現できます。

・シンプルモダン

シンプルモダンは、装飾を極力排除したミニマルなデザインが特徴の外観スタイルです。直線的でシャープなシルエットを基調とし、白・黒・グレーなどのモノトーンカラーを中心に構成されます。

外壁には金属系サイディングやタイル、コンクリート打ち放しなどの無機質な素材を使用することが多く、都会的で洗練された印象を与えます。メンテナンス性にも優れており、長期間にわたって美しい外観を保ちやすいのも魅力のひとつです。幅広い世代から支持されている人気のスタイルで、すっきりとした都会的な住まいを好む方に特におすすめです。

・和モダン

和モダンは、伝統的な日本建築の美しさと現代的なデザインを融合させた外観スタイルです。深みのあるブラウンや黒、濃いグレーなどの落ち着いた色調を基調とし、木目調の外壁材や天然木を効果的に組み合わせることが多くあります。

また格子状の装飾や袖壁、石材の使用など、和の要素を取り入れたデザインも和モダンの特徴のひとつです。年配の方から若い世代まで幅広く好まれ、長く飽きのこない住まいとして人気があります。

・エレガント

エレガントスタイルは、上品で洗練された美しさが魅力的な高級感のある外観デザインです。クリーム色や淡いピンクなどの上品な色調を基調とし、タイルや石材などの高級感のある素材が使われることが多いです。

アーチ型の窓や柱、バルコニーの手すりなどの装飾を取り入れ、ヨーロッパの邸宅のような優雅な印象を作り出します。エレガントスタイルは、特別感のある住まいを求める方に人気があり、周囲の目を引く華やかな住まいを実現したい方におすすめです。

・アメリカン

アメリカンスタイルは、アメリカの住宅街で見られるような親しみやすく開放的な外観が特徴です。カラフルな外壁色を使用することが多く、ブルーやグリーン、イエローなどの明るい色調を使うケースが多いです。

外壁にはラップサイディングと呼ばれる横張りの板材を使用し、アメリカらしいカジュアルな雰囲気を演出します。庭に芝生を植えたり、白いフェンスでアメリカ郊外の住宅を再現したりするのも人気があります。明るく開放的な住まいを好む方や、家族でのアウトドアライフを楽しみたい方に、特に人気があるスタイルです。

・リゾート

リゾートスタイルは、南国のリゾートホテルのような開放感と非日常感を演出する外観デザインです。白やクリーム色を基調とした明るい色調に、天然木やタイル、石材などの自然素材を組み合わせる特徴があります。

大きな開口部や吹き抜けのあるテラス、ウッドデッキなどを設け、室内外の境界を曖昧にした開放的な空間づくりをして魅力を際立たせることも多いです。外構には南国風の植栽やプールを配置し、リゾート感を高めます。自宅でバカンス気分を味わいたい方や、非日常的な空間を求める方にマッチしたスタイルです。

・北欧

北欧スタイルは、スウェーデンやデンマークなどの北欧諸国の住宅をイメージした、シンプルで機能的な外観デザインです。白やグレー、淡いブルーなどの爽やかな色調を基調とし、天然木の温かみを効果的に取り入れることが多いです。

外壁には木目調のサイディングや塗り壁を使用し、自然な質感を大切にした造りが多く見受けられます。北欧スタイルは、シンプルで飽きのこないデザインを好む方や、自然素材の温かみを感じられる住まいを求める方に人気があります。

2. 新築一戸建ての外観を決める要素を紹介

建物外観は、見た目の印象を左右するだけではなく、快適で理想的な居住空間を作るうえで重要な部分になります。建物外観を決める具体的な要素は、以下の5つです。

  • 家の形
  • 外壁
  • 屋根
  • 玄関ドア

家の形と窓に関しては、間取りにも左右される部分です。自分の気に入る外観にすることばかりに注力していると、思ったような間取りにならない可能性や日当たりや風通しの良さを確保できない住まいになることも考えられます。どのような家に住みたいのかを考えつつ、間取りと外観のバランスを考えていきましょう。

3. 代表的な「家の形」の種類

家の形は、外観の印象を左右するだけでなく、間取りやコスト、さらには住み心地にも影響を与える要素です。ここでは、以下3つの代表的な家の形を紹介します。

  • 総二階の家
  • L字型の家
  • 平屋の家

土地の形状やライフスタイルに合わせて、最適な家の形を選ぶことが、理想的な住まいづくりの第一歩です。それぞれ詳しく解説します。

・総二階の家

総二階は、1階と2階がほぼ同じ面積で重なった四角いシンプルな形状の住宅です。実用性の高い家の形として、多くのハウスメーカーで採用されており、建売住宅の多くが総二階です。シンプルな外観ですが、外壁の色や素材、窓の配置で見た目の印象も変わります。

また屋根面積が大きく取れるため、太陽光パネルの設置に適しており、省エネ性能を重視する方にもおすすめです。敷地面積が限られている都市部でも効率的に床面積を確保できるため、コストパフォーマンスを重視する方や、シンプルで飽きのこない外観を好む方に特に人気があります。

・L字型の家

L字型の家は、建物を上から見てアルファベットの「L」の形になっているのが特徴の住宅です。角度のある個性的なシルエットが特徴で、スタイリッシュで印象的な外観を作り出せるのが魅力です。変形敷地や角地に適しており、敷地を有効活用できます。

また、L字の形状が外部からの視線を遮るためプライバシーを確保しやすく、中庭やガーデンスペースを設けやすい形状でもあります。複数の面に窓を設置できるため、採光や風通しが良好で、明るく開放的な住まいを実現しやすいでしょう。

ただし外壁面積が増えるため、将来のメンテナンス費用も考慮する必要があります。個性的な外観を求める方や、プライバシーを重視する方に人気のスタイルです。

・平屋の家

平屋は、すべての居住空間が1階に集約された住宅です。ワンフロアで生活が完結するため、階段の昇降がなく高齢になっても安心して住み続けられる、バリアフリー性が大きな魅力です。

天井が高く、開放感のある広々とした空間になることが多いため、家族のコミュニケーションも取りやすいというメリットがあります。一方で同じ床面積を確保するには2階建てより広い敷地が必要で、土地代が高額になり基礎や屋根も広くなるため、建築面積も高くなる傾向にあります。ゆとりのある敷地を所有の方や、将来を見据えたバリアフリー住宅を希望する方におすすめの選択肢です。

4. 代表的な「窓」の種類と配置

窓の種類と配置は、外観を決める大きな要素です。それだけではなく、室内の日当たりや風通しの良さを左右するため、家を作るうえでも注目したいところでもあります。家の形によって、窓の種類の向き不向きがあります。配置にも工夫をこらして、おしゃれな外観の家作りを目指しましょう。

  風通しの良い家を作るには? 間取りと窓の配置に注目! 新しい住まいを購入する時、間取りを考える時、日当たりと並んで気になるのが、風通しですよね。 この記事では、新しい住まいの購入を考えた際にどのような間取り、窓の配置にすれば、風通しの良い家を作ることができるのかを紹介していきます。 コスモスイニシアの暮らしメディア「kurashiba」

ここでは、窓の種類と配置の工夫方法を紹介していきます。

・窓の種類を確認

ひとくちに窓と言っても、実はさまざまな種類があります。部屋の間取りや構造、コスト、特長によってどの窓がよいのかを選ぶことが多いですが、外から見た時の印象も大切です。比較的よく使われている4種類の窓についての説明をしていきます。

  • 縦すべり窓(縦すべり出し窓)
  • 横すべり窓(横すべり出し窓)
  • 引き違い窓
  • FIX窓

違いを比較しながら、ひとつずつ見ていきましょう。

縦すべり窓(縦すべり出し窓)

縦すべり窓は、窓が縦になった状態のまま外側にすべらせて開ける窓のことです。

縦すべり窓(縦すべり出し窓)

 

縦を軸にして一般的なドアのように開けるスタイルです。窓は直角になるまで開けられるので、ガラス面の外側のお手入れもしやすいです。また、細いタイプの縦すべり窓だと、防犯面にも期待できるというメリットがあります。

横すべり窓(横すべり出し窓)

横すべり窓は、窓の上部にある横を軸として開閉する窓で、下側部分が外側にスライドして開くスタイルです。

横すべり窓(横すべり出し窓)

横すべり窓の特徴として、窓が開いている場合でも雨が室内に入りにくいことがあげられます。また、光と風を上手に取り込むことができ、少しだけ開けておけば急な雨降りでも対処ができて便利です。

引き違い窓

日本の住宅のなかでも、多く使われている窓が引き違い窓です。

引き違い窓

左右どちらにも開けられ、開き方を自由自在に調節することも可能です。コスト的にもリーズナブルで、窓から荷物の出し入れができるというメリットもあります。

FIX窓

開けることの出来ない、ガラスをはめ込んだ窓のことをFIX窓と呼びます。

 

FIX窓

採光用として玄関のドア枠や階段ホールの天井部分に使われることが多いです。また、FIX窓は開けられないため、落下の危険性もなく安全です。同時に、防犯性にも優れているというメリットがあります。

・窓の配置における注意点

次に、窓の配置を考えるうえで気を付けたい点についてみていきましょう。窓の配置は、外観のデザインを大きく左右します。もし、間取りや内装のみを考えて窓の配置を決めてしまうと、外から見たときに窓がバラバラな印象を与えてしまいます。

窓の配置やサイズを合わせてバランスを整える

窓の種類だけではなく、配置やサイズを考えて家全体のバランスを整えることも大切です。どのような外観にするのかを考えたとき、窓の配置も家の印象に大きな影響を与えます。

例えば、引き違い窓のみで構成された建物の外観は、こだわりや工夫がない、どこにでもある家という印象を与えてしまう可能性があります。日当たりや風通しのことも考えつつ、配置やサイズを合わせたり、時にはあえて外したりしながら配置したいでしょう。家全体を見つつ、窓の位置を考えていくことが重要です。

窓の種類を組み合わせる

日本の住宅で多く使われている引き違い窓。価格が安く、採光も取りやすいため、より多くの住まいに使用されています。よく見かけるからこそ、引き違い窓が多く使用されている家は、平凡な外観の家に見えてしまいます。

平凡な外観の家を避けるために、引き違い窓の使用は人の出入りが多い箇所だけに限定し、様々な窓の種類を組み合わせるようにしましょう。例えば、採光を大きく取りたいのであれば、FIX窓を取り付けるのがおすすめです。大きな窓を取り付ければ、外から見た時にすっきりとした印象を与えるでしょう。

しかし、採光や外観だけではなく、窓を取り付けるのであれば風通しのよさも考慮したい点です。実は、引き違い窓は気密性が低いためにスキマ風を感じやすく、また窓全体に対して半分の面積までしか風を室内に取り込めません。

5. 代表的な「外壁」の種類・色・素材

建物のデザインを考えていくうえで、外壁の色と素材の選択は重要です。色は自分の好きな色にすればいいという訳ではありませんし、素材もどのような種類があるかわからないでしょう。外壁は、種類によってかかる初期費用も異なりますが、将来的にかかるメンテナンス費用も大きく変わります。きちんと比較検討し、外壁の色と素材はどれがよいのか、考えていきましょう。

・外壁の色

外壁の色の決め方は、似たような色が多く、自分の好きな色を選べばよい訳ではありません。なかなか難しい選択ですよね。それぞれの色のメリット・デメリットを知りつつ、どんな色がよいのか考えていきましょう。

外壁の色は、白やベージュ系の色味に人気があります。白には、光を反射させる効果があるため、家の周辺を明るく演出できます。しかしデメリットとしては、汚れが目立つことがあげられます。壁の色をきれいに保つためにも、定期的なメンテナンスが欠かせません。

反対に黒い壁の場合には、汚れが目立ちにくく、落ち着いた雰囲気の高級感溢れる家を演出できそうですが、紫外線を吸収するため室内が暑くなります。また、周囲の家との調和を乱してしまう可能性が高いため、影響がないか外壁の色を決める前に確認しておきましょう。近隣との家と調和させるのか、それとも目立たせるのか、という方向性も考えておくとよいかもしれません。

また、屋根の配色とのバランスを考えることを忘れてはいけません。屋根は、下から見える面積が外壁ほど広くはありませんが、外観の印象を十分に左右する部分です。
外壁だけではなく、屋根の色もさまざまです。

・代表的な外壁5選を紹介

ここでは、代表的な外壁を5種類紹介していきます。外壁を選ぶうえで重要なのは「自分の好みか」「金額」「将来的なメンテナンスや修繕の頻度」の3点です。この3点を踏まえたうえで、家の外壁の素材はどれがいいのか考えながら見てみてください。

サイディング(窯業系サイディング)

 

サイディング(窯業系サイディング)

 

窯業系サイディングとは、セメント質と繊維質を原料とし、板状に形成した外壁材です。1枚の壁を外壁とし、塗装するタイプではありません。コスト・機能性・デザイン性など、外壁材として総合的に優れているため、現在では7〜8割の家に窯業系サイディングが使われています。

メリットは、なんと言っても豊富なデザインとカラーバリエーションでしょう。シンプルなものから本物のようなタイル調や石目調、ボーダー調など、種類は多岐にわたります。どんなデザインにも対応できるので、気に入る外壁材を見つけることができるでしょう。

しかし、窯業系サイディングの素材そのものは10年程度、継ぎ目に使用するコーキングは5~7年を目安に劣化が見られるため、こまめなメンテナンスが必要になります。特にコーキング材は、割れてしまうと目地から水が浸入したり、収縮して隙間ができたりするので、外壁の塗り直し以上に注意する必要があります。

金属系サイディング(ガルバリウム鋼板)

金属系サイディング(ガルバリウム鋼板)

 

金属系サイディングとは、ガルバリウムなどの金属板と発砲プラスチック系の断熱材によって構成された外壁材です。金属を使用した素材なので、統一感があり、シンプルでスタイリッシュな外観を表現したい方にはおすすめです。
窯業系サイディングと比較して、長期間メンテナンスを行う必要がなく、手間暇がかかりません。また、水分を吸収しない鋼板製の表面なので、耐水性・耐凍害性に優れており、寒冷地でよく採用されている素材です。軽くて頑丈な特徴もあるので、重ね貼りなどのリフォームで使用されることが多いです。

しかし、表面が薄い金属でできた素材であるため、少しの衝撃で凹んだり傷がついたりしやすいというデメリットを持っています。表面に凹みや傷がついてしまうと簡単には直すことができないという、少々デリケートな面も持っています。

モルタル

モルタル

 

モルタルとは、セメント・砂・水を混ぜたものをラス網(金網)の上にコテで塗り付けた外壁のことを指します。モルタルは、サイディングに次いで多くの外壁に使われている素材です。サイディングが普及するまではモルタルが主流だったため、今でもモルタル壁の家を見ることができるでしょう。しかし、左官を使用し塗装を行うので、職人さんの知識や経験が必要になります。手間がかかってしまうという理由から、現在はあまり採用されていません。

メリットはなんといっても、塗り方次第でさまざまなデザインを作ることが出来る点でしょう。塗り方次第でさまざまな表情を作ることが出来るので、外壁に個性を出したい人におすすめです。波模様を付けたり、穴を開けたり、何かを埋め込んだりと、さまざまなことができます。つなぎ目がなく、シーリングの劣化を心配する必要もありません。

しかし、モルタルは防水性能が低く、塗装で防水機能を持たせなければなりません。防汚性・親水性も持たないので、汚れが目立ちやすいという点もデメリットと言えるでしょう。
更に、モルタルはひび割れを避けられません。モルタルのひびは、水分が蒸発することによる乾燥収縮が原因で生じてしまいます。小さなひび割れなら問題ありませんが、大きなひび割れを防ぐためには定期的なメンテナンスや修繕が必要です。

モルタルそのものは比較的安価ですが、長期的な目で見るとメンテナンスや修繕に手間と費用がかかるでしょう。

ALC

ALC

 

ALCとは、軽量気泡コンクリートと呼ばれる特殊なコンクリートの一種です。鉄筋と気泡が中に入っているため、通常のコンクリートよりも軽いのが特徴です。耐久性に優れ、中高層ビルでよく採用されている外壁材ですが、木造住宅でも使用できるように開発されています。ALCは耐火性にも優れており、熱や音の出入りを防ぐ効果もあります。外の音が気になる環境での住宅購入を考えている場合、おすすめできる外壁材です。

その反面、初期費用が高い、メンテナンスが大変というデメリットがあります。初期費用はALCそのものの材料費に加えて、塗装にかかる費用も必要なのです。耐水性に劣るため、塗装材で防水するしかなく、塗装が剥がれてしまった場合は早急に対応しなければなりません。通常60年程度の耐久が可能であると言われていますが、塗装やシーリングの補修など、適切な修繕を繰り返して長期間維持していかなければなりません。

タイル

タイル

 

タイルは、粘土や陶土、石材などを細かく砕き、焼き固めたものです。製法は乾式と湿式の2つがありますが、専用の金具やボンドなどで下地材に取り付ける乾式が一般的です。タイルにはさまざまな種類がありますが、外壁材に使われるのは陶器質タイル、せっ器質タイル、磁器質タイルの3種類です。デザインも豊富にあるので、イメージに合うタイルを作り出し、組み合わせを変えることで様々なバリエーションの外壁にすることができます。

タイルは焼き物なので、耐水性と耐火性に優れているというメリットを持っています。日本の気候は湿度が高く、日陰や風通しの悪いところであればカビが発生してしまいます。しかし、外壁をタイル材にすれば、カビも汚れも付着しにくく、将来的なメンテナンスもほぼゼロであると考えていいでしょう。万が一火災が発生したとしても、燃えにくく、有害な煙も発生しません。

その反面、初期費用が高い点、剥離した場合や欠けてしまった場合はタイルそのものを交換しなければ修繕できない点がデメリットとしてあげられます。また、下地材の劣化が確認しにくく、雨水侵入などで下地が劣化してしまった場合、気づきにくいので注意が必要でしょう。サイディングでは出しきれない高級感と存在感があり、おしゃれな家の外観を演出する手助けをしてくれるはずです。

6. 代表的な「屋根」の種類

屋根は、デザイン性だけでなく、雨風から家を守る機能性や耐久性などにも関わってきます。具体的な屋根の種類は、以下の5つです。

  • 切妻屋根
  • 寄棟屋根
  • 片流れ屋根
  • 陸屋根
  • 招き屋根

それぞれ詳しく解説します。

・切妻屋根

切妻屋根は、三角形の形状が特徴的で、本を開いて伏せたような形状をしています。屋根の形がシンプルであることから、どのような住宅にも合わせやすいのが魅力です。また、屋根の妻面(三角形の部分)を活かして窓を設置したり、デザインのアクセントにしたりするケースもあります。

この屋根の形であれば、小屋裏収納やロフトとしても活用できるため、収納スペースを多く取り入れた住宅が完成します。ただし、デザイン的にやや平凡な印象になりがちですので、個性的な外観を求める方には物足りなく感じる場合もあるでしょう。

・寄棟屋根

寄棟屋根は、4つの面が中央に向かって傾斜する形状で、上品で落ち着いた印象を与える屋根です。四方向に軒があるため、外壁を雨風からしっかりと守り、建物の耐久性を高める効果があります。

安定感のあるシルエットは、周囲の景観にも馴染みやすく、高級感を醸し出します。切妻屋根に比べて構造が複雑になり屋根面積が分散されるため、太陽光パネルの設置効率は切妻屋根より劣る可能性があります。

・片流れ屋根

片流れ屋根は、一方向にのみ傾斜した現代的でスタイリッシュな屋根形状です。シンプルモダンな外観によく合い、都会的で洗練された印象になります。天井を高くとりやすく、開放感のある室内空間になりやすいのも魅力です。モダンで個性的な外観を求める方に人気の屋根形状です。

・陸屋根

陸屋根は、平らな形状でフラット屋根とも呼ばれる現代的な屋根です。直線的でミニマルな外観を作り出し、シンプルモダンスタイルの住宅に最適です。屋上スペースとして活用でき、ガーデニングやバーベキューなどのアウトドアライフを楽しめるのが大きな魅力です。

都市部の狭小住宅で採用されることも多く、貴重な屋外スペースになります。また、建物の高さを抑えられるため、法的制限の厳しい地域でも床面積を確保しやすく、3階建てでも圧迫感を感じにくい外観と言えるでしょう。

・招き屋根

招き屋根は、高さの異なる2つの切妻屋根を組み合わせた個性的な形状の屋根です。段差のある立体的なシルエットが特徴で、印象的で個性的な外観を演出できます。採光や通風の面でも優れており、屋根の段差部分に窓を設けて、上階に自然光を取り込めるようにするケースもあります。

7. 代表的な「玄関ドア」の種類

玄関ドアは家の顔となる部分であり、ドアの種類によって印象が大きく変わります。具体的には、以下の2種類に分けられます。

  • 開き戸と引き戸
  • 片開きと両開き

それぞれ詳しく解説するので、参考にしてみてください。

・開き戸と引き戸

玄関ドアは開閉方法によって、開き戸と引き戸に分けられます。開き戸は最も一般的なタイプで、ドアを押したり引いたりして開閉する方式です。豊富なデザインバリエーションがあり、洋風から和風まで幅広い外観スタイルに対応できるのが特徴です。建売住宅では、開き戸を採用するケースが多く見受けられます。ただし、開閉時にドアの厚み分のスペースが必要で、狭小住宅では動線の妨げになる場合があるため、住宅の広さによっては採用されないこともあります。

一方、引き戸は横にスライドして開閉するタイプで、開閉に必要なスペースが少なく、車椅子やベビーカーでの出入りがしやすいバリアフリー性に優れているのが特徴です。和風住宅によく使われ、自然な木目調のデザインが人気ですが、最近ではモダンなデザインの引き戸も増えています。敷地の間口や家族構成、外観スタイルに合わせて選択することが重要です。

・片開きと両開き

玄関ドアの開閉幅によって、片開きと両開きに分類されます。片開きは一般的な住宅で多く採用されるタイプで、ドア1枚で構成されています。コストが抑えられ、気密性や防犯性も確保しやすいのがメリットです。シンプルな外観になるため、どんな住宅スタイルにも合わせやすく、メンテナンス性にも優れています。

両開きは2枚のドアで構成され、開放感のある豪華な印象を演出できます。親子ドア(メインドアとサブドアの組み合わせ)と観音開き(同じ大きさの2枚ドア)があり、大きな荷物の搬入時や車椅子での出入りに便利で、来客時にも格式高い印象を与えられるでしょう。両開きは、エレガントスタイルの住宅で採用されることが多いです。

8. 新築一戸建ての外観を決める際に重要な3つのポイント

建物の外観を決める要素を説明してきましたが、実際に決めるうえで気を付けたい点があります。以下の3つに注意しつつ、外観を決めるようにしましょう。

  • 防犯面、プライバシー面を対策する
  • 周囲の家との調和を考える
  • 将来的な修繕、メンテナンスを忘れない

それでは、ひとつずつ解説していきます。

・防犯面、プライバシー面を対策する

家の外観を決める要素として、窓の種類や位置はとても重要です。しかし、外観だけではなく、防犯面とプライバシー面も考慮したうえで、窓の配置を決めるようにしましょう。

まず、空き巣被害の問題を考えなければなりません。空き巣被害の多くは、窓からの侵入によるものです。自分好みの外観にするために窓を沢山配置してしまうと、空き巣の被害に合うリスクが高くなります。

更に、プライバシーの問題を考えると、どこにでも窓を配置できるわけではありません。もし所有している敷地が広く、隣家との距離が離れている場合は、周囲からの視線を気にすることなく比較的自由に窓の配置を考えることができます。

その一方で、隣家との距離が近い場合や人通りの多い道路に窓が面している場合は、外からの視線が気になりますよね。特に、隣家の窓に対向する形で窓を配置してしまうと、せっかく窓を設置したのに開けることを躊躇してしまうことになるかもしれません。

・周囲の家との調和を考える

外壁や屋根などの外観の色を選ぶ際は、周囲の家との調和を考えることも大切です。住宅街などを歩いていると、外壁の色はその家によってさまざまですが、街全体として調和がとれていることがよくわかるはずです。自分の好きな色や奇抜な色を選ぶのも大切ですが、あまりにも目立つ色にしてしまうと周囲の家との調和を乱すことになってしまうので、避けた方がよいかもしれません。また、外観を決めるのは外壁だけではありません。屋根、サッシ、ベランダの色とのバランスも考えて決めると、家全体の印象がよくなるでしょう。

・将来的な修繕、メンテナンスを忘れない

窓や外壁の種類にもよりますが、一戸建てを購入した場合は長期的なメンテナンスや修繕が欠かせません。特に外壁は、常に紫外線や雨風に晒されています。そのため、カビやコケが生えてくる、コーキング・シーリングのひび割れ、色あせなど、さまざまな不具合が生じてくるのです。

外壁は、建物自体を長持ちさせていくうえで非常に重要な役割を担っています。外壁の種類や施工状況にもよりますが、3~5年ごとに点検をし、不具合が確認できるようであれば、部分的な補修を行うようにしましょう。

9. まとめ|さまざまなポイントを押さえつつ、自分の気に入ったデザインの外観にしよう

外観は、家づくりをしていくうえでこだわりたい部分のひとつです。しかし、実際に出来上がった外観を見てみると「印象と違う」「あまりしっくりこなかった」という話がよく出てくる部分でもあります。建物の外観は、間取りや日当たり、風通しのよさにも大きく関わる部分です。間取りや窓の種類を決めてから外観を意識し出してもタイミングが遅いかもしれません。

例えばコスモスイニシアでは、間取りや広さにこだわった物件を探せるだけではなく、実際に実物を見学することも可能です。自分がどのような外観の家に住みたいのか、考えながら見学するのがおすすめです。

コスモスイニシアでは住まいを購入されたお客様の安心な暮らしをサポートするための総合的なサービスをご用意しております。

外壁に限らず、一戸建ての住まいは定期的なメンテナンスと修理が必要になりますが、コスモスイニシアでは分譲マンションのノウハウを活かして、分譲一戸建てにも長期的な修繕計画をご提案し、住宅設備10年保証、点検制度をご提供しております。ぜひご相談ください。

コスモスイニシアの新築分譲一戸建て

 

2025/09/24時点での情報です。

※記事内で使用している写真、図等はイメージです。