マンション購入時の10個の注意点を紹介|欠陥住宅の種類や避ける方法も解説

マンション購入において「思っていたより高い維持費がかかった」「日当たりが悪くて後悔している」「住宅ローンの返済が想像以上にきつい」など、このような後悔の声を聞くことは多いです。マンション購入では、資金計画の甘さや物件選びでの見落とし、契約時の確認不足などが後悔につながります。
また、マンションのなかには欠陥住宅もあり、一般の方が住宅の状態を適切に判断することは難しく、住み始めてから不具合に気づくケースもあります。そのため、事前にマンション購入の注意点や不具合が起こりやすい箇所、安心して住める物件の見分け方を把握しておくことが大切です。そこで今回の記事では以下の内容を解説します。
- 資金計画や物件選びでの注意点
- 新築と中古を比較する際の注意点
- 欠陥住宅とは
- 契約不適合責任の概要
- 欠陥住宅の主な種類と原因
- 欠陥住宅の購入を避けるポイント
- 購入後に欠陥に気づいたときの対処法
安心して暮らせる住まいを見つけるヒントを紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. マンション購入時の資金計画における3つの注意点

マンションの購入を成功させるには、無理のない資金計画が大切です。資金計画作成において後悔しないためには、以下の3つのポイントが重要になります。
- 適正な予算を設定できているか
- 初期費用や諸費用を把握しているか
- 住宅ローン審査への対策ができているか
それぞれ詳しく解説します。
・適正な予算を設定できているか
マンション探しで欠かせないのが「予算設定」です。予算の設定では「年収倍率」という指標で考えることが多く、一般的には年収の5〜7倍程度が目安とされています。しかし、年収倍率はあくまで目安であり、重要なのは「買える金額」ではなく「無理なく返せる金額」で考えることです。
そこで参考にしたいのが、年収に対する年間返済額の割合を示す「返済負担率」です。返済負担率を20〜25%以内に収めるのが、家計を圧迫せずに安定した返済を続けるための理想的な水準とされています。さらに家族構成やライフプランに合わせて、現実的な予算を設定しましょう。
・初期費用や諸費用を把握しているか
マンション購入時には、物件価格とは別に多額の「諸費用」が必要です。この諸費用を予算に組み込んでいないと、資金計画が大きく狂う原因になります。目安として、新築マンションでは物件価格の3〜6%程度、中古マンションで6〜9%程度の現金が必要とされます。主な諸費用は、以下のとおりです。
- 住宅ローン事務手数料
- 登記費用
- 印紙税
- 不動産取得税
- 固定資産税の日割り清算金
仲介業者の仲介によって購入する中古マンションの場合は、仲介手数料(売買価格400万円超えの場合:「(売買価格×3%+6万円)+消費税」)が加わるため、より多くの現金が必要になることを覚えておきましょう。事前にキャッシュフローを整理し、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。
・住宅ローン審査への対策ができているか
住宅ローンの審査は、金融機関が申込者の返済能力を判断する重要なプロセスです。審査は「事前審査」と「本審査」の2段階で行われ、それぞれ3〜4日、1〜2週間程度の期間を要します。審査では、以下のような情報が確認され、総合的に判断されます。
- 完済時年齢
- 現在の年収
- 勤続年数
- 健康状態
- 個人の信用情報
過去にクレジットカードの支払いや携帯電話料金の滞納があると、融資額が減額されたりそもそも借りられなかったりするケースが多いです。不安な方は事前に個人信用情報機関に情報開示を請求し、自身の状況を確認しておくことが、審査をスムーズに進めるための鍵となります。住宅ローンの審査に関しては、以下の記事でも詳しく解説していますので併せてご覧ください。
2. マンションを選ぶ際の7つの注意点

理想のマンションを見つけるためには、多角的な視点での物件選びが欠かせません。例えば価格や間取りだけでなく、建物の安全性や管理状態、周辺環境まで細かくチェックすることで、入居後の「こんなはずではなかった」を防げます。マンション選びで気をつけるべき具体的なポイントは、以下の7つです。
- 市場価格や相場を事前に把握する
- 耐震性に問題がないかを確認する
- 室内の状態や日当たりを確認する
- 共用部の管理状態を確認する
- 周辺環境を確認する
- 災害リスクを把握する
- 信頼できる不動産会社を選べているか
それぞれ詳しく解説します。
・市場価格や相場を事前に把握する
マンション購入において、購入検討物件の市場価格や相場を事前に把握することが重要です。特に中古マンションは相場を知らずに購入すると、適正価格より高い物件を購入する可能性があります。そのため、マンション相場を事前に調べておくのがおすすめです。
相場を調べるためには、公的なものから民間のものまで、いくつかの有用なサイトがあります。まず、国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」では、実際に行われた不動産取引の価格情報(成約価格)を誰でも確認できます。
また、不動産流通機構が運営する「レインズ・マーケット・インフォメーション」も、同様に信頼性の高い成約価格データを提供しており、都道府県や地域を絞って取引情報の確認が可能です。
これらのサイトで過去の「成約価格」を調べると同時に、SUUMOやat homeといった「各種不動産ポータルサイト」で、現在売りに出されている類似物件の「売出価格」を確認しましょう。このような不動産情報サイトを活用することで、より精度の高い相場感を把握できるようになります。
・耐震性に問題がないかを確認する
安全な暮らしの基盤として、マンションの耐震性は確認しておくべき項目です。日本の耐震基準は、1981年6月1日を境に「旧耐震基準」と「新耐震基準」に分かれています。この日付以降に「建築確認」を受けた建物が新耐震基準に適合しており、震度6強〜7程度の大規模地震でも倒壊・崩壊しないことが基準とされています。
中古マンションを選ぶ際は、築年数だけでなく建築確認日を必ず確認しましょう。旧耐震基準の物件を検討する場合は、耐震診断の有無や耐震基準適合証明書が取得できるかなど、安全性をより慎重に見極める必要があります。
・室内の状態や日当たりを確認する
マンションの内覧は、パンフレットや図面だけではわからない、住み心地を体感する貴重な機会になります。特に日当たりは時間帯によっても変わるため、可能であれば複数回確認するのが理想です。また、日当たりだけではなく、騒音の有無や風通しの良さもチェックしましょう。室内では、以下のようなポイントを忘れずに確認します。
- 窓際のカビや結露の跡
- キッチンや浴室など水回りの清潔感
- 換気扇の動作
- 排水溝からの臭い など
事前に手持ちの家具や家電のサイズを測っておくと、内覧時に配置をイメージでき、入居後の生活動線を具体的に考えやすくなります。マンションの日当たりに関しては、以下の記事でも詳しく解説しているので、併せてご覧ください。
・共用部の管理状態を確認する
エントランスや廊下、ゴミ置き場といった共用部は、そのマンションの管理体制や居住者のマナーを判断する上で重要なチェックポイントです。共用部が清潔に保たれ、整理整頓されているかは、快適な生活を送るうえで重要な判断材料となります。具体的には、以下のようなポイントを自分の目で確かめてみましょう。
- エントランスの掲示板は整理されているか
- 集合ポストの周りにチラシが散乱していないか
- 駐輪場は整然と利用されているか
- ゴミ置き場は清潔に保たれ悪臭はないか
管理が行き届いているマンションは、長期的な資産価値の維持にもつながるため、入念なチェックが欠かせません。
・周辺環境を確認する
マンション選びでは、物件そのものだけではなく、周辺環境にも目を配りましょう。日々の満足度に直結する周辺環境について、特に以下のような点を確認するのが大切です。
| 注目ポイント | 確認する内容 |
|---|---|
| 交通の利便性 |
|
| 買い物のしやすさ | スーパーやコンビニ、ドラッグストアが近くにあるか |
| 子育て・教育環境 |
|
| 医療機関や公共施設 |
|
特に注意したいのが、時間帯や曜日による街の雰囲気の変化です。平日の日中は静かでも、夜間や休日は騒がしくなるエリアもあります。一度の訪問だけでなく、通勤時間帯や夜間、休日など、タイミングを変えて複数回現地を歩いてみることで、よりリアルな住環境を把握できるでしょう。
・災害リスクを把握する
地震や水害など、自然災害への備えはマンション選びにおいて必須です。各自治体が作成・公開している「ハザードマップ」を活用すれば、検討中の物件がどのような災害リスクを抱えているかを確認できます。ハザードマップで主に確認すべきなのは、以下の内容です。
- 洪水や津波、内水による浸水の想定区域
- 土砂災害の危険箇所
- 地震時の揺れやすさや液状化のリスク
低層階は浸水、高層階は地震による揺れや停電時のエレベーター停止など、階数によってもリスクは異なります。事前に災害リスクを把握し、対策を検討しておくことが大切です。
・信頼できる不動産会社を選べているか
マンション購入を成功させるには、信頼できるパートナー選びが鍵となります。新築の場合はデベロッパー(売主)と直接契約することが多く、中古マンションは不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。不動産会社を選ぶ際は、事前に以下のような情報を確認したうえで相談しましょう。
- 会社の規模
- 実績
- 購入希望エリアでの評判
- 取り扱い物件の種類 など
また、担当者との相性も重要です。「こちらの要望を親身に聞いてくれるか」「専門的な知識をもとに的確なアドバイスをくれるか」など、コミュニケーションを通じて信頼できる担当者かを見極めるようにしましょう。
3. 新築マンションと中古マンションの注意点を比較

「新築だから安心」「中古は現物を見られるから大丈夫」とは一概に言えません。満足のいくマンション購入を実現するためには、それぞれの注意点を把握しておくことが大切です。ここでは両者の注意点を具体的に比較するので、ぜひ読み進めてみてください。
・新築マンション特有の注意点
新築マンションは未完成の状態で契約することが多く、特有の注意点があります。まず、華やかなモデルルームはオプション設備が多い可能性があるため、どこまでが標準仕様かを担当者に確認しましょう。
また、物件が完成していないため、基本的に図面や模型から日当たりや眺望を想像するしかなく、完成後にイメージと違うというリスクもあります。完成後の内覧会でも、注意するポイントが多くあります。「契約通りに施工されているか」「傷や汚れはないか」を隅々までチェックし、不具合があれば指摘のうえ改善を要請しましょう。
・中古マンション特有の注意点
中古マンションは現物を確認できますが、新築とは別の注意点が存在します。まず、築年数によって耐震基準や給排水管の素材が異なるため、建物の基本性能を確認しましょう。リノベーションを前提とする場合でも、管理規約でフローリングの遮音等級や水回りの移動に制限がある可能性があるため、事前の確認が重要です。
さらに長期修繕計画と修繕履歴を閲覧し「計画的な修繕が行われているか」「将来の修繕積立金の値上げリスクがないか」をチェックします。以下の記事では、新築と中古の物件選びについて解説しているので、併せてご覧ください。
4. 欠陥住宅を避けるための基礎知識とポイント

欠陥住宅を購入しないためには、まずは正しい知識をつけておくことが大切です。欠陥住宅の概要と、売買後に欠陥が発覚した際に売主が買主に対して責任を負う「契約不適合責任」について解説します。
・欠陥住宅とは「重要な性能や機能を失っている住居」
欠陥住宅とは、建物が備えていなければならない重要な性能や、基本的な使用機能を失っている住居を指します。建物における重要な性能の例は、以下のとおりです。
- 構造の安定性
- 防火・耐火性
- 健康面への安全性
住宅の基本的な使用機能としては、雨漏りや床の傾斜がなく、快適に暮らせることが挙げられます。例えば、建築確認申請に提出した図面や、各種仕様書のとおりに施工されていない住居は、欠陥住宅です。また、建築関連の法令を遵守していないマンションは、欠陥住宅に該当します。
一方で、法改正などによって基準を満たさなくなった住居は「既存不適格」であり、欠陥住宅とは異なります。また、簡単な補修やリフォームで直せる不具合や、経年による自然な劣化は、欠陥に該当しません。
・欠陥住宅における「契約不適合責任」の概要
契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)とは、売買物件に欠陥があった際に、売主が買主に対して負う責務です。2020年4月1日の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」に改められました。物件の引渡後に「種類、品質または数量に関して契約内容に適合しない」ことが発覚した場合は、通常有するべき品質・性能を備えた状態への修正や代金の減額、損害賠償を支払うように売主へ要求できます。
民法では、買主は契約不適合を知った時から1年以内に通知すれば、売主へ損害賠償を請求できると定めています。また、欠陥が原因で居住できない場合は、売買契約の解除が可能です。
不動産会社が売り主として販売している中古マンションを購入した場合は「宅地建物取引業法(宅建業法)」により、契約不適合責任の期間は引渡しから2年以上と定められています。また、新築マンションの場合は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」にもとづき、瑕疵担保期間は10年です。ただし、対象箇所が以下の2つの部分に限られています。
- 構造耐力上主要な部分(基礎、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床板、屋根板など)
- 雨水の侵入を防止する部分(屋根、外壁、開口部など)
各種法律に準ずる場合、売主側の責任は重く、適用期間は長期に渡ります。そこで、売主が個人のときは、契約不適合責任の期間を2〜3ヶ月に設定して契約することが一般的です。また、なかには現状引渡や契約不適合責任を負わない売買契約があります。
5. 欠陥住宅における4つの代表的な種類と原因

欠陥住宅にはさまざまな種類があり、その原因は多岐に渡ります。特に近年のマンションでは、工期の短縮に起因する欠陥が増えているため注意が必要です。ここでは、代表的な欠陥住宅の種類と原因を4つ解説します。
・表面上の不具合
住宅を建てた直後や入居してすぐに気がつきやすいのは、表面上の欠陥です。以下のように、目視で確認できる欠陥が代表例として挙げられます。
- 貼られたクロスやタイルが浮いている
- ドアの開閉具合が悪い
- 塗装にむらがあり仕上がりが悪い
内覧会や物件案内の際に見つけられる不具合であり、指摘した場合は補修の対象です。表面上の欠陥のうち、目視で確認できる不具合よりも、構造そのものに起因する問題に注意しましょう。
例えば、ドアの開閉がスムーズでない場合を想定します。原因としては単なる建具の不具合か、建物自体が歪んでいることが考えられます。後者のケースでは大きな問題に発展するため、早期に欠陥に気づくことが重要です。
・内部構造の不具合
近年では、表面上は美しく施工されていても、目に見えない構造や躯体の部分で手を抜いている住宅が多く見られます。特に、耐震性に影響する欠陥は、居住者の生命を脅かす可能性があるため注意が必要です。
代表的な内部構造の欠陥としては、以下の例が挙げられます。
- 水増ししたコンクリートを使用することによる強度不足
- 鉄筋の本数不足
- 壁の防音性能の低下
一般の方が内部構造の欠陥を見抜くことは難しいため、専門性を持つ第三者による検査が必要です。また、築年数の長い中古マンションであれば、不具合が明確になっているケースがあります。実際に住んでいる方や管理担当者に問い合わせ、欠陥の有無を確認しましょう。
・工事の「カンリ者」の不足による不具合
建設現場には「監理者」と「管理者」の2種類の「カンリ者」が必要です。監理者や管理者の不足が原因となり、住宅の欠陥が発生するケースがあります。
「工事監理者」は、一般的に設計事務所の職員が担当します。建築主の代理人として「工事を監督する立場」であり、主な業務は以下のとおりです。
- 設計図どおりに施工が進行しているかのチェック
- 図面だけでは伝わらない内容の伝達
- 工事現場との打合せ・指示・報告
「工事管理者」は、施工会社の現場監督を指します。建設会社の一員として「工事現場を動かす責任者の立場」であり、主な業務は以下のとおりです。
- 工事全体の工程管理
- 使用する材料の発注や管理
- 安全管理
- 金銭管理(請負額内での材料費や人件費など)
監理者と管理者ではそれぞれ立場が異なり、本来であれば別々の会社が担当する役職です。しかし、マンションを建設する際は、設計と施工を同じ会社が担当することがあります。
1つの会社が担当する場合は、建設作業におけるチェックが甘くなる可能性があり、住宅の欠陥が発生するリスクが高くなるのです。
・不同沈下による不具合
「不同沈下」とは、地盤や建物が不揃いに沈むことです。建物全体が均等に沈下せず、特定の方向にのみ傾斜すると、住宅の欠陥につながるため注意しましょう。不同沈下が起こると、建物が斜めに傾くことでひび割れや歪みが生じ、以下のようにさまざまな不具合が発生します。
- ドアの開け閉めが困難になる
- 雨漏りが起きる
- すきま風が入る
さらに、地盤への荷重のバランスが崩れると大きな負荷がかかり、建物自体が倒壊するリスクがあるため注意が必要です。不同沈下の主な原因としては、以下のような理由が考えられます。
- 基礎の地盤固めがきちんとされていない
- 盛土や埋立地の締め固めが不十分である
- 盛土などの軟弱基盤に対して十分な地盤補強工事を行っていない
- 地中の土塊や有機物の腐食で空洞ができ圧密沈下している
不同沈下による欠陥を避けるには、事前にハザードマップなどで地盤の強度を調べることが大切です。軟弱な地盤や高低差のある土地に建っている場合は、より詳細に工法などを確認する必要があります。
6. 欠陥住宅の購入を避ける5つのポイント

欠陥住宅によるトラブルを避けるには、物件の内見時や契約の際に入念にチェックを行うことが大切です。ここでは、欠陥のあるマンションの購入を回避するために確認すべきポイントを5つ解説します。
・契約内容を入念に確認する
住宅購入時の契約書には見慣れない用語が並んでいたり、細かい注釈が付けられていたりと、理解するのが難しいと感じる方は多いでしょう。契約書類には重要な内容が含まれているため、疑問があれば担当者へ質問することが大切です。
また、契約書だけでなく、以下のような添付書類も入念に確認しましょう。
- 添付されている図面
- 仕様書
- 見積書
- 告知書(中古マンションの場合)
- 修繕履歴書(中古マンションの場合)
- 管理規約書(中古マンションの場合)
将来的なトラブルを防止するために、各書類は保管することをおすすめします。契約書に各書類が添付されていない場合は、必ず売主へ問い合わせましょう。
・住宅性能評価書を取得している物件を選ぶ
マンションを購入する際には「品質確保に基づく設計住宅性能評価書」および「建設住宅性能評価書」を取得している物件を選ぶと安心です。2種類の評価書には「住宅性能表示制度」にもとづき、以下の10項目における等級が記載されています。
- 構造の安定
- 火災時の安全
- 劣化の軽減
- 維持管理・更新への配慮
- 温熱環境・エネルギー消費量
- 空気環境
- 光・視環境
- 音環境
- 高齢者への配慮
- 防犯
等級が高いほど優れた住宅と判断できるため、事前に評価書を確認しましょう。
・重要事項説明書を確認する
マンションの売買契約の際には「重要事項説明書」が交付され、宅地建物取引士によって内容の解説が行われます。重要事項説明書は契約当日にわたされることが多く、不動産や法律の専門用語が並ぶため、理解が難しい書類です。
可能であれば事前にコピーを入手し、細部まで目を通すことをおすすめします。また、重要事項の説明時に不明点があれば、遠慮なく質問をしましょう。担当者から回答をもらい、自分が納得してから売買契約へ進むことが大切です。
・専有部分の「傾き」「建て付け」「床の浮き沈み」をチェックする
マンションの専有部分に関しては、実際に住むことを考慮し、細部をチェックすることが大切です。マンションを内見する際は、専有部分における以下のポイントに着目しましょう。
- 窓や扉がスムーズに開閉できるか
- 床の上を歩いたとき浮き沈みがないか
- ビー玉やピンポン玉を置いて転がらないか
- 室内に異臭を感じる場所はないか
- エレベーターや配管の音や振動がしないか
音や振動の問題は住み始めてから気づくことが多いため、事前に図面でエレベーターや配管の位置の確認をおすすめします。
・共用部の「ひび割れ」「汚れ」「破損」をチェックする
マンションの共用部に関しては、以下のような項目をチェックしましょう。
- ひび割れ、さび、汚れはないか
- ゴミや破損物が放置されていないか
- 掲示板が機能しているか
建物のひび割れやさびなどの表面上の不具合は、内部の劣化につながっているケースがあるため注意が必要です。また、ゴミの有無や掲示板の状況を確認することにより、マンションの管理が行き届いているかを判断できます。
7. 購入後に欠陥住宅と気づいた場合の対処法

住宅の欠陥に対処するためには、以下のような項目を明らかにする必要があります。
- 欠陥の種類
- 欠陥のある箇所
- 欠陥が及ぼす損失
購入したマンションに欠陥が見つかったら、専門性を持つ第三者に相談しましょう。近年では、ホームインスペクター(住宅診断士)によって調査が行われるケースがあります。「内装の傷み」「配管の状態」「バルコニーの現状」など、マンションの専有部分を中心に共用部分も目視可能な範囲でチェックを依頼できることが特徴です。
なお、以下の記事では、資産価値の落ちにくいマンション選びのポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
8. まとめ|購入前に入念にチェックして欠陥住宅を避けよう

購入したマンションが欠陥住宅であった場合、定められた期間内であれば、売主への修理依頼や損害賠償の請求が可能です。しかし、なかには売主が欠陥を認めないケースや、裁判が長期化するなどの問題が発生する場合があり、手間や時間がかかります。
欠陥住宅によるトラブルを避けるためには、物件を購入する前に入念にチェックを行うことが重要です。契約書や各種書類に記載されている内容を理解することはもちろん、不明点があれば担当者へ質問し、納得してから締結しましょう。
また、マンションの内見時には、専有部分や共用部分における不具合の有無をチェックすることが大切です。購入後に欠陥住宅と気づいた場合は、専門性を持つ第三者に相談することをおすすめします。
※2025年9月時点での情報です。
※記事内で使用している写真、図等はイメージです。





