住まいの見栄えが変わる! 理想のマンション収納を考えよう!

マンションの購入を検討する際、備え付けの収納に不安を抱く方は多いでしょう。収納スペースの容量は、片付けやすさに大きく影響し、住まいの見栄えを左右する重要な要素です。
ただし、収納が多ければ家が片付くとは限らず、ライフスタイルに合った使い方をすることが大切です。今回の記事では、マンションの収納について以下の内容を解説します。
- 収納スペースの役割
- マンションにおける収納率
- 収納が足りずに悩む理由
- 理想の収納を得るポイント
- 部屋ごとの収納のコツ
- 便利な収納のあるマンションの例
すっきりと片付いた家で快適に暮らすヒントを紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
1. 収納スペースの役割

一般的な住宅には、物を片付けるための収納スペースが設けられています。使わない物をしまって部屋全体をすっきり見せるのが、収納スペースの役割です。
マンションには用途の異なる以下のような収納スペースがあり、それぞれが使いやすい空間や形に工夫されています。
- 押入れ
- クローゼット
- 戸棚
- 下駄箱
- パントリー
「クローゼットには衣類や寝具」「戸棚には書籍」「パントリーには食品」のように、収納スペースに合わせて物をしまえることが特徴です。
2. マンションにおける一般的な収納率は約8%

住宅の収納量を考える目安となるのが「収納率」です。収納率は、住宅の総面積に対する収納スペースの割合を示しています。
収納率を算出する対象のスペースは、床から天井付近まである押入れやクローゼットなどです。腰高の下駄箱や床下収納など、高さの限られたスペースは含まれません。
一般的に、マンションの収納率は8%が理想とされています。実際に売りに出ているマンションは、ほとんどが収納率8%を目安に設計されています。また、一戸建ての場合は、収納率は12〜15%が基本的な値です。
3. マンションで収納が足りずに悩む3つの理由

ここでは、マンションの収納が足りずに悩む3つの理由を解説します。収納スペースが不足している場合は、片付け方の工夫で改善できることがあるため、家をすっきりと整えたい方は参考にしましょう。
・物の量が多すぎる
収納が足りないと感じる主な原因は、所有している物の量が多すぎることが挙げられます。「大切な物だから」「必ずまた使うから」と言いながら、1年以上全く手をつけずにしまっているアイテムがあるのではないでしょうか。
使わない物は風景と一体化し、普段はほとんど目に留まらなくなります。そのため、収納スペースを圧迫していることになかなか気が付きません。
収納スペースの狭さを感じたときは、それぞれの持ち物が本当に必要かを見極めることが大切です。判断が難しければ「2年間使わなかったら処分する」などのルールを作るとよいでしょう。
・置き場所に偏りがある
大きな収納スペースがあったとしても、物の場所が適切でなければ片付けにくいでしょう。例えば、食器棚がキッチンから少し離れた場所に置かれていれば、調理を中断して遠くまでお皿を取りに行く必要があります。
また、住んでいる間取りと居住者のライフスタイルが合わなければ、不便に感じることがたびたび起こります。居住者にとって使いやすい場所とは異なる位置にしまう必要がある住まいでは、収納に対する不満が生まれやすいのです。
・置き方やしまい方が悪い
収納スペースの位置は適切であっても、物をしまいきれなかったり、出しにくかったりすることがあるでしょう。単純に物の量が多すぎるだけでなく、置き方やしまい方に問題があるケースも考えられます。
例えば、お皿を食器棚にしまうとき「並べて置くか」「重ねて置くか」で収納量は異なります。書籍であれば「重ねて置くか」「立てて置くか」によって取り出しやすさが変わり、収納方法によっては不便に感じるでしょう。
衣類は「ハンガーに掛けるか」「畳んで衣装ケースにしまうか」によって、出し入れの手間が左右されます。適切な片付け方になるよう工夫すれば、収納性は向上するでしょう。
4. マンションで理想の収納を得る3つのポイント

限られた広さのマンションをすっきりと片付けるには「使うための収納」を心がけましょう。各アイテムの使用頻度を考慮し、取り出しやすい収納スペースを作ることが大切です。
ここでは、マンションにおいて理想の収納を得るポイントを3つ解説します。
・スペースの多さや広さで決めない
広い収納スペースが多くある間取りであれば、物を片付けやすいと考える方は多いでしょう。しかし、生活動線やライフスタイルを考慮した収納でなければ、多くのスペースがあっても片付けづらいため注意が必要です。
収納スペースの使いやすさを見極めるには、毎日の生活における家族の動線を細かく把握することが大切です。生活の様子を把握することで、適切な収納スペースの「場所」「広さ」「種類」が分かります。
・アイテムごとに置き場所を決める
理想の収納とは、よく使う物と普段は使わないアイテムの両方を出し入れしやすい状態を指します。理想の収納を叶えるには、適材適所の収納スペースを選ぶことが大切です。
例えば、書籍はそれぞれで所有する目的が異なり、適した場所に収納する必要があります。書籍の目的別におすすめの収納場所は、以下のとおりです。
- 読み終わった本:本棚の奥や手の届きにくい上段
- これから読む本:ソファの横などの目につく場所
- 寝る前に読みたい本:枕元のローテーブル
- 飾っておきたい本:表紙が見えるように立て掛けられる棚
同様に「衣類」「食器」「洗面グッズ」「トイレの備品」などは、出し入れしやすいよう置き場所を決めて収納しましょう。アイテムごとに適切な収納場所を考えることで、家の中がすっきりと整います。
・「隠す収納」と「見せる収納」を使い分ける
「隠す収納」は、普段は使わない物や見せたくないアイテムが見えないように片付ける方法です。隠す収納は「量」に重点を置く片付け方であり、押入れやクローゼットなどにしまうことが一般的です。例えば、夏には使わない「ストーブ」「冬用の布団」「こたつ」「冬服」などは、隠す収納が適しています。
「見せる収納」は、目につきやすい場所に物を置く片付け方です。見せる収納では「質」が重視され、置くアイテムはディスプレイの役割を担います。
見える場所にあるためすぐに取り出しやすく、空間の雰囲気づくりに役立つ収納方法です。例えば「ティーカップ」「帽子」「カバン」「ウイスキー」など、デザインにこだわりのあるアイテムは見せる収納に向いています。


引用:リノベーションマンションにお住まいのオーナーさま 暮らしごこちインタビュー。一目ぼれした“わが家”です。
アイテムの量と質に着目し、隠す収納と見せる収納を使い分けることで、片付けやすい家を実現できるでしょう。
5. マンションにおける部屋ごとの収納のコツ

ここでは、マンションの各部屋における収納のコツを解説します。収納スペースの活用方法だけでなく、内見やリノベーションの際に着目したいポイントについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
・リビング
家族でくつろいだり友人を呼んで集まったりなど、リビングはさまざまな方が過ごす空間です。私物を置くよりも、家族やお客様が使うアイテムを収納することが多いでしょう。
リビングは家の雰囲気を表現する空間のため「質」を重視した「見せる収納」が適しています。例えば、壁の一面に棚を設け「書籍」「観葉植物」「小物」などを飾れば、リビング全体の雰囲気が温かくなります。

引用:空間設計
また、収納棚の中にテレビやスピーカーなどを設置すれば、部屋がすっきりと片付いて見えるでしょう。
・寝室
寝室は、リビング・ダイニングやキッチンとは異なり、よりプライベートな空間です。一般的に、寝室には「押し入れ」「クローゼット」「ウォークインクローゼット」などが設置されています。
寝室の収納は、家の中で一番容量が多く、核となる収納スペースです。「衣類」「寝具」「季節家電」「アウトドア用品」など、たくさんのアイテムを収納できます。
寝室の収納を活用するには、無駄なスペースを省き、効率よく物を収めることが重要です。
引用:彩り収納
収納スペースの奥行きが90センチメートルあれば、三つ折りにした布団や衣装ケースを収められます。また、収納の扉を天井の高さまで確保すれば、上部に置いた物を出し入れしやすいでしょう。
以下の図のように、収納スペースの奥行きが90センチメートル以上の場合は、ハンガーパイプを上下二段に設置することでより多くの衣類をかけられます。すぐ使う衣類は手前に、使わない物は奥に収納すれば出し入れが容易です。

また、ウォークインクローゼットは広さのある収納スペースであり、大量のアイテムを収められます。しかし、収納場所には歩く分のスペースが追加されているため、居室空間が狭くなることには注意が必要です。
中途半端な広さのウォークインクローゼットであれば、窮屈で使い勝手が悪いと感じやすいでしょう。マンションを購入する際は、寝室の収納と自分たちが片付けたい物の量を比較し、十分なスペースがあるかを確認することが大切です。
・洗面所
洗面所は家族だけでなくお客様も使用するため、整理整頓を心がけましょう。洗面台によっては全く収納スペースのない種類があるため、マンションを選ぶ際には必ず確認したい箇所です。

引用:スムースドレッサー
特に「洗面台の正面に設置された鏡の裏」「洗面台の下」「洗濯機置き場の上部」などの収納スペースの容量をチェックしましょう。洗面所は、日用品を中心としてたくさんの物を置く必要があるため、十分な収納スペースが確保されているかが大切です。

洗面所がすっきり整っていれば、より一層部屋が片付いている印象を与えられます。
・キッチン
食器棚やパントリーなど、キッチンにはさまざまな収納スペースがあります。キッチンの物が出しっぱなしであれば、空間的につながるリビング・ダイニングも片付いていない印象を与えるため注意しましょう。
特に「シンク下」「コンロ下」「吊り戸棚」の収納を有効活用することが大切です。食器や鍋の片付け方を工夫することにより、収納できる物の量は増え、出し入れがしやすくなります。
マンションを選ぶ際は、持っている調理器具や食器の量を把握し、必要なキッチンの広さや収納スペースの大きさを検討しましょう。
・玄関
玄関には靴や傘を収納するだけでなく、花やアートを飾りお客様を出迎えるスペースを設置したいと考える方はいるでしょう。家に帰ってきたときにホッとする温かい空間を作るには「隠す収納」と「見せる収納」のバランスが大切です。
「普段は使わない靴やブーツ」「靴磨き」「掃除用具」などは隠す収納の中にしまうことで、整った玄関に見せられます。玄関を彩る置物や絵などは、棚の上に並べたり壁に掛けたりして、素敵な空間を演出しましょう。

引用:ウェルカムホール
また、ベビーカーやアウトドア用品を収納するスペースや、コート掛けを設置すると便利です。

その他に「傘立て」「スリッパ置き」「靴べら」などは、すぐ取り出せる場所に収納することをおすすめします。
6. 便利な収納を備えたマンションの間取り例

マンションの中には、居住者のライフスタイルを考慮した収納スペースが設置されている物件があります。ここでは、以下の間取り図をもとに、各部屋における便利な収納スペースの例を紹介します。

・玄関
カウンターと玄関収納が設置されており「隠す収納」と「見せる収納」の使い分けが可能です。
・廊下
廊下にはストレージが設置されており、扇風機や加湿器などの季節家電を収納できます。また、掃除機やホコリ取りなどの掃除用具を収納すれば、ストレージを中心にさまざまな家事を行いやすいでしょう。
・トイレ
トイレの上部には、収納スペースが設置されています。「トイレットペーパー」「タオル」「掃除用具」などの備品を置けるスペースです。
・リビング・ダイニング・キッチン横
リビング・ダイニング・キッチンの横には、ファミリークローゼットが設置されています。ファミリークローゼットは、出かける際に家族が「使いそうな物」を置き、外出前や帰宅時に出し入れできる収納です。
例えば、季節の変わり目には、玄関近くでコートやマフラーを選べるように衣類を収納する使い方があります。また「子どもの外遊びのおもちゃ」「スノーボード」「テント」など趣味の道具を収納でき、家族によってさまざまな用途で活用できるスペースです。
・洗面室
洗面室には、リネン庫や上部の棚などの収納スペースが設置されています。それぞれの収納スペースを「どんなときに、どのように使うか」を考えることにより、欲しい空間をイメージできるでしょう。
7. まとめ|快適に暮らせるマンションを選ぶには収納に着目しよう

すっきりと片付いた住まいで快適に暮らすためには、収納に着目してマンションを選ぶことが大切です。十分な収納スペースが備わっていることはもちろん、生活動線を考慮した使いやすい場所に設置されている必要があります。
また、片付け方を工夫することにより、収納スペースの有効活用が可能です。「物を処分する条件を作る」「アイテムの置き場所を決める」などのルールを設定し、整った住まいを維持しましょう。
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※2025年7月時点での情報です。
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