最終確認! マンション内覧会でのチェックマニュアル

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新しい香りに包まれたマイホームと初対面できる瞬間が待ち遠しい!そんなワクワクしたイメージが内覧会にはあります。「どんなインテリアにしようかな」と新生活への期待に胸を膨らませて、内覧会の日を迎えると思います。

しかし同時に、内覧会当日は、引渡前に自分の部屋を最終確認できる最後のチャンスでもあります。「何を持っていけばいいの?」「どこをチェックすればいいの?」と少し不安な気持ちも入り混じっている方もいるかもしれません。
部屋に入った瞬間、初めて目にするマイホームに気持ちが高ぶってしまい、不具合箇所を見過ごしてしまった…なんていうことにならないように注意しましょう。図面との違いはないか、不具合箇所はないかなど、しっかりとチェックした上で引渡をしてもらうためにも、内覧会での確認は大切なことなのです。

そこでこの記事では、マンション内覧会でチェックしたいポイントについて分かりやすく解説していきます。

内覧会直前で不安な方やどんなことをすればいいのか知りたい方は、是非参考にしてくださいね。

 

目次

 内覧会とは?|不具合をチェックできる最初で最後の機会!

 内覧会で必要な持ち物とは?

 所要時間はどれくらい?

 内覧会で不具合を指摘しなかったら、一体どうなるの?

 内覧会のその前に! 後悔しないために注意したいこと

 遠慮せずに気になる箇所はなんでも聞こう

 気が済むまで、きちんとチェック!

 あまり神経質になりすぎないようにしよう!

 内覧会と引渡のスケジュールにも注意

 内覧会ではここを見よう! チェックリスト

 床は傾いていないか? 壁は垂直か?

 間取り図・設計図通りの設計か?

 内装の施工はきちんとしているか?

 建具や水栓などの動作をチェック!

 水まわり・設備器具に不具合はないか?

 まとめ|内覧会は最終チェックの場! 時間をかけて慎重に行いましょう

 

内覧会とは?|不具合をチェックできる最初で最後の機会!

工事中のマンションはとても危険なので、施工途中では部屋の状態を確認することができません。マンションが未完成の時点で購入を決めた方にとって、引渡直前に初めて実際の部屋の確認を行えるのが、内覧会です。

新しい生活に期待を持ってマイホームを購入するなら「建物内部をしっかりと見たい」という気持ちがあるものです。ただ、新しいマンションでは未完成の状態で販売が開始されることが多いもの。購入の決め手として参考にできるのは、カタログ、完成予想図、モデルルームなどでしょう。実際の住まいは、完成するまで見ることができないはずです。

初めてマイホームを見る日なので、内覧会は完成披露会のようなイメージもありますよね。実際には「購入者が入居前に最終チェックする日」という検査や確認の意味も大きく含まれています。

内覧会の日にチェック不足で入居後に見つけても、後から対応してもらえないこともあるので当日はしっかりとチェックしましょう。

内覧会で必要な持ち物とは?

内覧会の主な目的は、あくまで部屋の最終確認です。確認をするために、次のようなものを持っていくととても便利です。

  • メジャー

部屋のサイズを測ったり、家具の配置のシミュレーションをしたりなど、メジャーを持っていくことをおすすめします。家具の位置決めに用いる程度なら2~3mのメジャーでもよいですが、部屋のサイズを全体的に測ることもあるので、どちらも測れるように5.5mほどの長さが理想です。内覧会のためにメジャーを購入する際は、長さを確認するようにしましょう。
また、測っているときに巻き上がってしまうと危ないので、伸ばした状態でロックできる機能があるものが便利です。

  • 間取り図のコピー

配置や間取りに間違った箇所がないか、間取り図を見ながらチェックしてきましょう。マーカーやペンなどで記入しながらチェックしておくとスムーズです。内覧会の担当者が持っている場合もありますので、事前に確認するとよいでしょう。

  • 水平器

水平器は、建物が水平かどうかを知ることができるツールです。内覧会ではそれほど本格的なものでなくても大丈夫です。1000円前後で購入できる簡易なものでも、持っていくと便利でしょう。

  • スリッパ

完了したばかりの物件のため、資材によるホコリなどで床がまだ汚れていることもあります。物件によって状況が異なりますが、持参して、必要があれば履くようにしましょう。

  • デジカメ

内覧会のチェック時に気になる箇所があれば撮影しておくといいでしょう。もし、修繕してもらえることになれば、修繕前の状態をカメラで撮影しておきます。後から修繕後と比較すれば、きちんと直ったかの確認ができます。

  • ライト(懐中電灯)

当日の天候具合によっては、部屋の中が暗く見えにくい箇所もあります。例えば、収納内部や押入れの中、床下、天井などはもともと薄暗い部分です。明かりがあると見えやすくなり、確認もしやすくなるはずです。

  • タオル

キッチンや浴室などの水回りは、実際に水を流して確認してみましょう。周囲が水で濡れたときに、すぐに拭けるように持参していくことをおすすめします。何枚か予備を持っていくと便利です。

所要時間はどれくらい?

内覧会にかかる所要時間は、だいたい1世帯あたり「1~2時間程度」と言われています。2時間前後かかると見積もっておくといいでしょう。

ただ、「中古と違って、新築のマンションなら何も問題ないのでは?」という軽い気持ちで内覧会に臨み、時間をあまりかけない人もいるかもしれません。でも、それでは内覧会の大きな目的である不具合チェックがおろそかになってしまうため、時間をかけて見るようにしましょう。

また、内覧会に出向く時間帯にも注意が必要です。所要時間が1~2時間程度かかってしまうことを考えると、できるだけ明るい日中の早めの時間帯を希望するとよいでしょう。遅い時間から内覧会をスタートすると、チェックしている間に周りが暗くなってしまい、不具合箇所が発見しにくくなることもあります。

内覧会で不具合を指摘しなかったら、一体どうなるの?

内覧会での確認が一通り終わると、最終的に「確認しました」という書面に購入者自身がサインをします。そのため、入居してから何かの不具合に気づいても、それが居住中に発生したものなのかそれとも居住前のものなのかの責任があいまいになり、業者側に強く言えないこともあります。また、居住中による不具合と判断されてしまうと修繕が無料で行われないケースもあるかもしれません。

それに、入居後に修繕が発生すると、荷物を寄せたり、設備が使えなかったりなど、生活をしていく上で不便に感じられます。さらに、工事が混んでいるなどスケジュールがつまっていることを理由に、業者側の対応が遅くなってしまう可能性もあるのです。

このように、内覧会で指摘できずに後から悩みの種になってしまうかもしれません。気になった点は、内覧会で質問や指摘をしていく姿勢が重要なのです。

内覧会のその前に! 後悔しないために注意したいこと

ようやく実際にマイホームと対面できる内覧会。「不具合をチェックしよう」という気持ちよりも、ワクワク感が大きいかもしれません。新築だから不具合がないだろうと、ざっくりした感覚で内覧会のチェックを終えると入居後に後悔することもあるのです。

そこで、後悔しないために内覧会の前に注意したいポイントについて知っておきましょう。

遠慮せずに気になる箇所はなんでも聞こう

内覧会でよくある失敗が「遠慮し過ぎてしまう」ということです。例えば、ちょっとした傷が見えても「このくらいは仕方がないのかな?」、図面と違う場所に気づいても「事情があって変更したのかな」などと、立ち会いの業者に指摘をためらう方もいます。

しかし、こんな疑問を抱いたまま内覧会を終えるのはおすすめしません。そのままモヤモヤとした気分で入居することになるからです。気になる点は、どんな小さなことでも質問してみましょう。
質問して実際に口に出してみると、何らかの回答や対応が得られてスッキリできるかもしれませんね。

また、購入者側にとっては不具合があったら指摘して直してもらうのは当然の権利です。遠慮せずに質問をするというスタンスで内覧会に出向きましょう。

気が済むまで、きちんとチェック!

内覧会では、「あまり時間をかけてはいけないのではないか?」と所要時間を気にし過ぎてチェックが甘くなってしまうことがあります。時間設定をしている内覧会もありますが、気が済むまでチェックするようにしましょう。

また、内覧会は確認しなければならない箇所も多いので、夫婦二人などの少人数で出向くとチェック漏れが起こってしまうこともあります。人数制限がないなら、両親や友人なども誘って行ってみるのもおすすめです。一人では気づけなくても、人数が多くなることで見逃さないで済む場合もあります。また、専門知識を持った人に一緒に同行してもらうという人も中にはいます。

あまり神経質になりすぎないようにしよう!

「不具合を見つけよう」と神経質になり過ぎると、そればかりに集中してせっかくの内覧会の実感がわかずに終わってしまうこともあります。

傷や不具合の基準は人それぞれ異なります。住まいは人の手で作られていくものなので、細心の注意を払っていたとしても、全く傷がない状態で引き渡すのは困難でしょう。

不具合探しというよりも、「完成度を楽しみながらチェックし、気になった点を聞いてみる」という気持ちの方がいいかもしれませんね。

内覧会と引渡のスケジュールにも注意

工期の延長により完成が遅くなった物件は、当然ながら内覧会も急いで行われます。このような全体的に急がれた物件は、質がよくない可能性もあるので、内覧会ではしっかりとチェックしましょう。

また、内覧会と引渡の間隔があまりにも短い場合は、万が一不具合が見つかると修繕を急ごうとします。施工業者も購入者側のスケジュールもお互いに急いでしまって、あまりいい状態での引渡ができませんよね。できるだけ引渡日まで余裕を持って内覧会を行えることが理想的です。

内覧会ではここを見よう! チェックリスト

内覧会当日は時間設定があることもありますが、一般的には1~2時間程度の時間が設けられます。その限られた時間で効率的にチェックするためには、事前に「どんな箇所を見るべき?」を自分なりにまとめておき、チェックリストにして持っていくようにしてもいいでしょう。

 

内覧会のチェックポイント

 

また、内覧会当日は「床や壁の具合」「間取り図との違いがないか」「内装状態はよいか」「建具や水栓の動作状況」「水回り、設備機器は大丈夫か」など、以上のようなポイントを重視してチェックしてみることをおすすめします。

床は傾いていないか? 壁は垂直か?

床が水平か、壁が垂直かという基本的な精度をチェックします。そこで便利なツールが水平器です。一般的な簡易水平器を持っていくと便利です。しかし、精度が若干弱いので一ヵ所だけでなく何ヵ所かで確認してみることが大切です。壁にも水平器をあてて、垂直かどうかのチェックをしてみましょう。水平器の中央部分の液体にある気泡の位置で、「水平」「傾いている」ということが確認できるのです。

また、床については歩いたときに「ミシミシ」「ギーギー」と気になる異音がないかも確認したいポイントです。

間取り図・設計図通りの設計か?

内覧会では、間取り図や設計図面のコピーをもとにひとつずつ確認していきましょう。間取り図・設計図面と違う箇所があるかもしれません。コンセントの位置がずれていないか、個数は違っていないか…など図面との違いについてチェックしましょう。

終わったところにマーカーなどでしるしをつけながら行うと、チェックがスムーズに進んでいきます。

内装の施工はきちんとしているか?

クロスはパッと見ただけでは、不具合に気づきにくいかもしれませんね。近くまで寄ってじっくり確認しましょう。特に重点的に見たいのが、クロスとクロスの継ぎ目です。剥がれている箇所や隙間がないかを確認しましょう。

また、トイレや洗面室など水を多く使うところのクロスは、剥がれや隙間に気づかずに入居すると、湿気が原因となり時間の経過とともに剥がれが大きくなることもあります。小さな剥がれでも、気になる箇所があれば指摘しましょう。

建具や水栓などの動作をチェック!

建具や水栓などは見た目だけでは分からないので、動作確認をすることが大切です。

室内ドアや収納扉、窓は開けたり閉めたりを何度か繰り返してみましょう。開閉時にスムーズさがなければ、建付けが悪い証拠です。ドアは開けたときに床に擦れたりしていないかも確認してみましょう。

収納の扉も、ネジの調整が悪いとスムーズに開け閉めができません。何度か開閉をしてチェックしてみてください。

キッチンや洗面所などの水まわりでは水が出るか、水栓から水漏れがないかなどもチェックしておきましょう。

水まわり・設備器具に不具合はないか?

水回りに関しては、実際に水を出して確認することが大切です。浴室では、実際に浴槽に水を溜めてから排水をしてみましょう。水がしっかりと流れていくか、排水がスムーズかは重要なポイントです。キッチンや洗面室の水栓も水の出方と排水の流れをしっかり見てみましょう。トイレでは、床と便器がしっかりと取り付けられているかのチェックも重要です。

また、換気扇や換気システムや電気設備のスイッチなどを入れ、きちんと動くかどうかの動作状態をチェックしてみましょう。

ただ、キッチンやお風呂の設備機器については、実際に暮らして使用をしていく上で初期不良が発覚することもあります。内覧会だけで分からないような不具合については、入居してから一定の期限を設けて無料で修理をしてもらえるものもあります。事前にどんなものがアフターサービスの無償対象になるかなどの確認をしておくといいでしょう。

まとめ|内覧会は最終チェックの場! 時間をかけて慎重に行いましょう

内覧会は、今までカタログやモデルルームしか見てこなかったマンションが実際に目にできる初めての日。楽しみであると同時に、とても重要な一日でもあります。
引渡前に、購入者自身がチェックできる機会なので、事前に知識と準備をして内覧会に向かいましょう。

絶対に不具合を見つけようと神経質になり過ぎてもあまりよくありませんが、ちょっとでも気になる点があれば、施工業者に話してみる心構えが大切です。内覧会を終えた後に後悔したり、入居をしてからがっかりしたりすることのないよう、当日は遠慮せずにどんどん質問や指摘を申し出ることをおすすめします。

これから自分が住んでいく住まいなのですから、ひとつひとつ細かくチェックしていきたいですね。

2017/04/20時点での情報です。