今すぐ実行できるマンションを早く売るコツ5選|売れない原因と注意点を網羅的に解説

自身のマンションを売却するにあたって、なかなか売れずに悩む方は多いでしょう。中古マンションの資産価値は、時間が経つほど下がる可能性があるため、早期に売却することが大切です。

今回の記事では、中古マンションの売却について以下の内容を解説します。

  • 中古マンションを売却する施策
  • 早く確実に売却する方法
  • 買取りを依頼すべき物件の特徴
  • 長期間経っても売れない物件への対応

中古マンションを確実に売却するコツを紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

1. マンション売却の価格やタイミングを見極める3つのポイント

マンションをできるだけ早く、そして高く売るためには「いつ売るか」と「どのような状態で売るか」の見極めが欠かせません。ここでは、売却の判断材料となる3つの重要なポイントを解説します。

・マンションの価格は上昇傾向にある

マンションの価格は現在、全国的に上昇傾向にあります。国土交通省が公表している「不動産価格指数(令和6年第4四半期分)」では、マンションの価格指数は2010年以降上昇を続けており、戸建てよりも伸び率が高いです。

価格上昇の理由の1つは、長く続いた低金利政策です。住宅ローン金利が低い状態が続いたことで購入希望者が増え、住宅の需要が価格を押し上げました。また、円安によって日本の不動産が海外投資家にとって割安に映り、購入されやすい状況となっています。

都市部では新たにマンションを建てられる土地が不足しており、中古マンションへの需要が高まっています。不動産の価格は金利や景気の変化に大きく左右されるため、価格が上昇傾向にある間は買い手が見つかりやすく有利な時期といえるでしょう。

・築年数が古いほど売却価格は下がりやすい

マンションの売却価格は、築年数によって大きく変わります。一般的に築年数が浅いほど需要が高く、価格も成約率も上がる傾向にあります。たとえば、築10年以内のマンションであれば売却価格の下落率は10%以下に抑えられ、比較的スムーズに売れることが多いです。

一方で、築25年を超えると不動産価格の値下がり幅が大きくなり、売却は難しくなります。公益財団法人 東日本不動産流通機構の「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2025年04~06月】」によれば、首都圏の中古マンションでは築25年を過ぎると1平方メートルあたりの価格は20万円以上さがります。

買い手が築古物件を敬遠する主な理由は、修繕費の負担が増えるからです。築年数が経つほど共用部分の老朽化が進み、管理費や修繕積立金が高くなる傾向があります。

・大規模修繕の後は高値での売却が期待できる

大規模修繕は外壁の塗り替えやエントランスの改修など、建物全体の安全性や快適さを維持するために行われる大掛かりな工事です。一般的には12~15年の周期で実施されるケースが多く、修繕直後は物件の価値や住みやすさが向上します。

買い手にとっては、修繕が済んでいるマンションは管理がしっかりしている物件として受け止められます。管理状態が良い物件として信頼度が高まり、買い手の評価が上がりやすいタイミングと言えるでしょう。実際に売却チラシでも「〇年大規模修繕済み」といった表記がアピールポイントとして使われています。

また、大規模修繕によって外観や共用部分がきれいになるだけでなく、エントランスのオートロックや防犯カメラの設置など、利便性や安全性が向上するケースがあります。修繕が買い手の好印象につながり、結果的に内覧を増やす効果があります。

2. マンションを早く売ることができない7つの原因

売却が長引く背景には複数の要因が関係し、売主自身が気づかないまま見落としていることも多いです。ここでは、マンションがなかなか売れないケースにおける7つの理由を解説します。

・相場より価格設定が高い

購入希望者の多くは、同じエリアや似た条件の物件を比較します。周辺の相場と比べて割高な価格を設定すると、候補から外されてしまい内覧の申し込みに繋がりません。そのため、売却までに時間がかかります。

また、高い価格を設定したことで売却期間が長くなると「売れ残っている物件」という印象を与えるため、早い段階で適正な価格に見直すことが重要です。出来る限り高く売りたくても現実的な相場と合っていなければ、購入希望者に選ばれにくいです。売却をスムーズに進めるには、周辺の成約事例や売り出し中の物件価格を確認し、不動産会社とも相談しながら価格設定を見直すことが重要です。

・物件があるエリアで需要が少ない

地域によっては人口減少や高齢化が進み、購入希望者自体が少ないため、売却活動を行っても問い合わせが集まりにくい傾向があります。「駅から遠い」「商業施設や病院が近くにない」など、生活の利便性が低いエリアはどうしても敬遠されやすくなります。たとえば、子育て世帯や共働き世帯にとって、通勤・通学や日常の買い物が不便だと購入候補から外されてしまうでしょう。

ただし、立地に不利な条件があるからといって、必ずしも売れないわけではありません。「静かな環境で落ち着いて暮らせる」「公園が多く子育て向き」など、地域ならではの魅力をしっかりと伝えることで、購入希望者に暮らしやすさをアピールできます。売却活動を行う際は、不動産会社とも協力して、地域の魅力が伝わるよう販売戦略を立てることが大切です。

・良い条件の競合物件が多い

購入希望者は同時に複数の物件を検討するため、同じ価格帯で築年数や設備を比較します。同じエリアの同じ価格帯であれば、築浅で最新の設備が整った物件に目が向きます。

また、駅に近く共用施設が充実しているなど、条件の整った物件が同じエリアにあると比較した結果不利になりやすいです。新築マンションが近隣に販売されると、設備やデザインの新しさが評価され、中古物件が選ばれにくくなる傾向があります。

競合物件が多いエリアで売却するには、単に価格を下げるのではなく、立地や建物の特徴を見極めてアピールする戦略が欠かせません。管理状態の良さや周辺環境の静かさなど、マンションの魅力を強調することで競合との差別化が図れます。

・設備が古く劣化している

購入希望者は、内覧の際に設備や内装を細かくチェックします。設備が古びていたり、カビやサビが目立ったりする状態だと「入居後に修繕費がかかりそう」と敬遠されやすくなります。特に状態により印象が悪くなりやすい設備や内装は、以下のとおりです。

  • キッチン
  • 浴室
  • トイレ
  • フローリングや畳
  • 壁紙
  • エアコン
  • 給湯器

ペットやたばこの臭いが残っているとマイナス要因になるため、換気や消臭も必要です。ただし、すべてを修繕する必要はありません。少額のリフォームや専門業者によるハウスクリーニングで、見た目の印象は大きく改善できます。たとえば壁紙の張り替えや床の補修、水回りのクリーニングは比較的低コストで実施可能です。劣化が目立つ部分だけでも修繕することで、内覧時に好印象を与えられます。

・間取りや仕様がニーズに合っていない

部屋数が多すぎたり少なすぎたりすると、対象となる購入層が限られてしまい、結果として内覧や成約につながりにくくなります。たとえば、単身者や共働き世帯の多いエリアで広い4LDKを売りに出しても、求める層が少なく売却までに時間がかかります。

近年の購入希望者は、オープンキッチンや大容量の収納、ワークスペースにも使えるフリールームといった使い勝手の良さを重視する傾向が強いです。売却を考える際は、周辺で売りに出されている物件を調査し、どの間取りや仕様が選ばれやすいかを把握することが欠かせません。

自分の物件が現状のニーズに合っていない場合は、収納の追加や間取り変更を前提としたリフォームを行ったり、リノベーションを希望する層に訴求する方法も有効です。

・管理費・修繕積立金が高い

マンションを購入する際、多くの買い手は物件価格だけでなく、購入後に継続して発生するランニングコストを重視します。管理費や修繕積立金が高額だと、毎月の家計に与える負担が大きくなり、敬遠されやすいです。

築年数が古いマンションでは、建物の劣化に伴い修繕積立金が引き上げられるケースが少なくありません。管理費や修繕積立金に加えて、駐車場代や共益費も負担するため出費が増えます。購入後の維持費が大きいと、不安に感じ購入を決断できません。

売却を検討する場合は、維持費がどのような理由で設定されているのかを説明することが大切です。たとえば「将来の大規模修繕に備えるため」「共用部分のセキュリティや清掃体制を維持するため」といった理由を伝えることで、買主は維持費を必要な支出として理解しやすくなります。

・仲介する不動産会社が販売活動に積極的でない

仲介を依頼した不動産会社が販売活動に積極的でないと、どれほど良い条件のマンションでも売却は長引く可能性があります。広告の掲載メディアが少なかったり、内覧案内の回数が少なかったりすると、購入希望者の目に触れる機会が減ります。

担当者の対応が遅く、問い合わせへの説明が不十分であれば、買い手の信頼を得られません。不動産取引は金額が大きいため、少しでも不安を抱かせる対応は、契約につながるチャンスを逃す原因です。

売却活動が思うように進まないと感じたときは、物件がどの媒体に掲載されているか、広告内容や写真の質は十分であるかを確認しましょう。信頼できる仲介先を選ぶことが、早期売却に直結します。

3. 中古マンションを早く売却する5つの施策

中古マンションがなかなか売れない場合は、売却条件の見直しが必要です。ここでは、中古マンションをできるだけ早く売却するための施策を5つ解説します。

・価格を見直す

中古マンションの買い手が見つからない場合は、価格を下げる施策が有効です。一般的に、中古マンションの資産価値は、時間の経過とともに下がる傾向にあります。売却のタイミングを逃すと、買い手が見つかるまでに長い時間がかかり、結果的に当初の予定よりも価格が下がる可能性があります。

ここでは、中古マンションの価格を見直す際の注意点を3つ紹介します。利益を最大化するために、適切な価格を設定しましょう。

不動産の値段は変動的

中古マンションの価格は需要と供給の兼ね合いで決まるため、適正な値段は設定されていません。なかなか売れない中古マンションの場合、買い手は「現在の価格は妥当でない」と考えている可能性があります。

将来的に資産価値が下がることを見越して高い価格を設定した場合、買い手だけでなく内覧希望者も見つからずに苦労するでしょう。中古マンションの価格を設定する際は、似た条件の物件の値段を参考にすることをおすすめします。

値下げのタイミングに注意

中古マンションを1日でも早く売却するためには、価格を下げるタイミングを見極めることが大切です。不動産市場において、中古マンションの売れ行きは時期によって異なります。

販売される物件数や成約数は、新生活の始まる3~4月に向けて増加し、夏には減少することが一般的です。物件の需要は秋には少し回復し、年末に向けて徐々に減少すると言われています。

買い手がなかなか見つからない場合は、中古マンションの購入者希望者自体が少ない時期である可能性があります。価格を下げるタイミングは、物件の需要が増加する時期に合わせるとよいでしょう。

値下げの前には販売の停止を検討

一度売却を停止し、タイミングを見計らいつつ価格を下げて再び販売する施策があります。特に、同じ中古マンションを販売している競合がいる場合に有効な施策です。

長期間販売されている中古マンションの場合、買い手は「売れ残っている理由がある」と考える傾向にあります。価格を下げる際は一度売却を停止し、少し期間を空けてから再度販売するとよいでしょう。

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・媒介契約を変更する

中古マンションがなかなか売れないと感じたら、仲介を依頼している不動産会社との媒介契約を見直しましょう。媒介契約には3種類あり、それぞれで「早期に売れやすい」「売却価格が高くなる」などのメリットが異なります。自身の希望に応じて、適切な媒介契約に変更するとよいでしょう。

ただし、媒介契約の有効期間中であれば、内容の変更は難しいため注意が必要です。一般的に「専任媒介契約」や「専属専任媒介契約」では、有効期間は3カ月と定められています。媒介契約の内容によっては、有効期間中であっても解除できるケースがあるため、不動産会社へ問い合わせましょう。

また、仲介を依頼している不動産会社に不満がある場合に、取引先を変更する施策が挙げられます。実際に「不動産会社を変えたらすぐに中古マンションが売れた」というケースがあるため、なかなか売れない場合は他社に仲介を依頼することを検討しましょう。

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・室内クリーニングを行う

物件の商品価値を高めることにより、早期に売却しやすくなります。内覧を実施する前に、目に付く箇所は綺麗に清掃しましょう。特に、水回りは気にする方が多い箇所です。水回りの清掃は、状況に応じてクリーニング業者を利用することをおすすめします。

クリーニング業者を利用した場合は、不動産会社へ「クリーニング済」であることを宣伝するように依頼しましょう。その他に、室内の綺麗さをアピールする方法として「クロスや破れた障子の張りかえ」「フローリングの傷の補修」などもおすすめです。

・リフォームする

中古マンションの商品価値を高める施策として、リフォームをして内装を一新する方法が知られています。ただし、リフォームには費用がかかるため、売却価格や利益に影響することには注意が必要です。

また、中古マンションの内覧希望者の中には、購入後に自分の好みに合わせてリフォーム・リノベーションをしたいと考える方がいます。リフォームをする場合は規模の小さい工事に留め、清掃に注力しましょう。

・魅力的な写真を撮る

インターネットを経由する不動産の問い合わせは、写真で興味を引くことが重要です。画像が充実している物件は閲覧されやすく、清潔感や日当たりなど文字では伝わりにくい情報をイメージで伝えられます。間取り図や所在地だけの情報だけではわからない「実際に住んだときの雰囲気」を想像してもらいやすくなるため、内覧の申込みにつながりやすくなります。写真の撮り方のコツは、以下のとおりです。

  • 部屋の対角から引きで撮り、広さを見せる
  • 同じ場所でも「全体」と「寄り」で部屋の特徴を伝える
  • 露出の設定を調整して、明るさを伝える
  • 写真ごとに簡単な説明を加える

撮影に自信がなければ、不動産会社やプロカメラマンへ依頼することも検討しましょう。費用はかかったとしても、反響数が増えて早期の売却に繋がるケースが多いです。

4. 中古マンションを早く売却したいなら「買取り」を検討

中古マンションを早く確実に売却したい方は、不動産会社へ買取りを依頼するのがおすすめです。ここでは、中古マンションの買取りにおけるメリットやデメリットを解説します。

・メリット|確実かつ内密に売却できる

中古マンションの買取りとは、不動産会社へ直接物件を売る方法です。購入希望者を探す必要がないため、手間をかけず確実に売却できます。ここでは、不動産会社による買取りのメリットを3つ紹介します。

早急に現金化できる

不動産会社へ中古マンションの即時買取りを依頼すれば、早急に現金化が可能です。すぐに現金が必要な方や、確実にマンションを売りたい場合は、買取りの依頼をおすすめします。

内覧対応の手間を省ける

中古マンションの買取りを不動産会社へ依頼した場合は、内覧の対応は不要です。通常の仲介によってマンションを売却する場合は、内覧希望者へ対応する必要があります。

内覧の際は長時間の対応が必要のため、手間に感じる方は多いでしょう。買取りを依頼した場合は、不動産会社の担当者に一度室内を見せるだけでよく、大幅に手間を省けることが特徴です。

近隣住民や同僚に知られずに家を売れる

仲介により中古マンションを売却する場合は、大手不動産会社のホームページや雑誌などに物件情報が掲載されます。中には、現在住んでいる地域の折り込みチラシに掲載されるケースがあるでしょう。

そのため、近隣住民や同僚に家を売却していることを知られる可能性があります。買取りを依頼した物件であれば、広告には掲載されないため、周囲に知られずに家の売却が可能です。

・デメリット|価格が安くなる

買取りを依頼した際は、通常の売却時と比べて価格が安くなることがデメリットです。一般的には、仲介による売却時の70~80%程度の価格になると言われています。

中古マンションを手放す際は、利益が下がることを理由に、買取りではなく売却を選ぶ方が多いのが現状です。

5. 買取りの依頼が必要な中古マンションの3つの特徴

不動産会社の仲介による通常の売却を行い、できるだけ高値で中古マンションを売りたい方は多いでしょう。しかし、中古マンションの中には、買取りを依頼しないと売りづらい物件があります。ここでは、不動産会社へ買取りを依頼すべき中古マンションの特徴を3つ解説します。

・築年数が30年以上経過している物件

築年数が30年以上経過した中古マンションを手放す際は、売った後の出費を避けるために、仲介による売却よりも買取りが選ばれるケースが多いです。中古マンションの売却後に不具合や欠陥が見つかった場合は「契約不適合責任」にもとづいて修繕の義務が発生します。

例えば、水道などの給水管や排水管の寿命は25年程度のため、築年数が30年以上経過した中古マンションでは配管に不具合が生じている可能性があります。建物の構造によっては、100万円以上の修繕費がかかるケースがあるため注意が必要です。築年数が30年以上経過した中古マンションであれば、買取りを依頼することで高額な出費を避けられるでしょう。

・過去に事件や事故が起きた物件

火災や自殺など、過去に事件や事故が起きた中古マンションは、買い手が見つかりにくいでしょう。売却できた場合であっても、価格は相場に比べて大幅に安くなる可能性が高いです。

過去に事件や事故が起きた中古マンションを売る際は、多少価格が下がっても買取りを選ぶことをおすすめします。

・室内の状態が悪い物件

「内装が汚い」「設備の状態が劣化している」など、室内の状態が悪い中古マンションは買取りの依頼を検討しましょう。買取り後にリフォームやリノベーションを実施して販売する不動産会社は多く、その場合は内装の状態は問われないためです。

自分でリフォームやリノベーションを実施するには高額な費用がかかるうえ、必ず買い手が見つかるとは限りません。内装の状態や設備の古さに不安がある場合は、買取りを依頼した方が安心です。

  【不動産買取ガイド】すぐに売りたい! 買取の基礎知識と手順の総まとめ 「事情があって、不動産を売りたい」「現金化したい」と所有している不動産を「買取」で売却することをお考えの方がいませんか?「仲介」よりも値段が下がってしまうことを知っていてもメリット・デメリットをしっかり知って納得のいく買取を行いましょう。 コスモスイニシアの暮らしメディア「kurashiba」

6. 仲介で売却できない中古マンションは「賃貸に出すこと」を検討

仲介でなかなか売れない中古マンションは、賃貸に出す方法があります。賃貸に出すことで安定収入が得られる一方、維持や管理にはコストがかかるため、事前に十分に検討することが大切です。ここでは、中古マンションを賃貸に出すメリットとデメリットについて解説します。

・メリット|安定収入の獲得や資産の維持が可能

自身の中古マンションを賃貸に出せば、金銭的な安心感を得られるでしょう。ここでは、中古マンションを賃貸に出すメリットを2つ紹介します。

家賃収入を得られる

賃貸に出すことにより、毎月決まった家賃収入を得られる点が魅力です。特に、分譲マンションであれば、通常よりも高い賃料に設定できる可能性があります。分譲マンションは通常の賃貸用物件よりも構造や設備がしっかりしており、比較的人気があるためです。

資産として保有し続けられる

中古マンションを売却せず賃貸に出すことにより、資産として物件を保有し続けられます。また、賃貸に出す期限を決めておけば、将来的にその中古マンションに戻って住めることがメリットです。

・デメリット|維持や管理にコストを要する

賃貸に出すことを検討している方は、維持や管理にかかるコストを考慮することが大切です。ここでは、中古マンションを賃貸に出す場合の3つのデメリットを紹介します。

空室の期間は家賃収入を得られない

賃貸に出した中古マンションの入居希望者が見つからなければ、空室の期間が発生するリスクがあります。空室の期間は、家賃収入は見込めません。

また、賃貸に出した中古マンションの住宅ローンの支払いが残っている場合、新居と合わせて2つの住まいの借入を返済する必要があります。

初期費用がかかる

自身の中古マンションを賃貸に出すにあたって、内装などを綺麗にするための初期費用が必要です。「壁紙の張り替え」「ハウスクリーニング業者の利用」などを行う場合は、出費がかさむでしょう。

また、入居者が変わるごとに部屋の修繕費や清掃代がかかります。

入居者とのトラブルが発生するリスクがある

自身が家主になる場合、入居者とのトラブルが発生するリスクに注意が必要です。例えば「上階の子どもの足音が気になる」「隣の部屋の生活音がうるさい」のような苦情を受けるケースがあります。また、入居者が家賃を払わないなどのトラブルが起こり得るでしょう。

自力でトラブルに対処するのは難しいため、不動産会社へ管理を依頼するのが一般的です。ただし、賃貸の管理を依頼する場合は、毎月の手数料がかかります。

7. マンションを売却する際の4つの注意点

マンション売却は、契約や税金に関する細かなルールを理解していないと、思わぬ損失やトラブルにつながる可能性があります。ここでは、売却を検討する際に押さえておきたい4つの注意点を解説します。

・査定額がそのまま売却額にはならない

マンション売却で混同しやすいのが「査定額」と「売却額」の違いです。査定はあくまで不動産会社が周辺相場や成約事例を参考に算出した目安であり、必ず売れる金額ではありません。売却価格は、景気動向や購入希望者との交渉に加え「売主がどの程度の期間で売却したいか」といった事情に左右されます。

同じマンションでも売却時期や売主の状況によって、数百万円単位の差が出ることがあります。複数会社の査定を比較し、周辺相場から大きく外れていない金額を提示する会社を選ぶことが大切です。査定額は相場を知るための参考価格であり、確実に売れる金額ではないことを理解しておきましょう。

・瑕疵や不具合は隠してはいけない

住戸内に不具合があるのに「見つからなければ大丈夫」と考えてはいけません。引き渡し後に欠陥が発覚すると、契約不適合責任を問われ、損害賠償や契約解除につながる恐れがあります。契約不適合責任とは、契約時に説明された内容や状態と異なっていた場合に売主が負う義務です。たとえば、以下のようなケースが対象になります。

  • 給湯器からお湯が出ない
  • 排水管がつまっている
  • シロアリ被害がある
  • 雨漏りしている

契約書に記載されていなかった不具合が発見されると、損害賠償や契約解除といった対応を迫られる可能性があります。トラブルを避けるためには、査定時や契約前に不具合を正直に伝えることが大切です。売主には付帯設備表や告知書などで、設備の状態や劣化の有無を買主へ知らせる義務があります。

・媒介契約の内容を理解すること

不動産会社と結ぶ媒介契約によって販売活動の範囲や報告義務が異なるため、自身に合った方法を選びましょう。契約内容を理解していないと、売却が長期化し不満が残る結果に繋がります。媒介契約には、以下の3つの形態があります。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
契約できる数 複数社可能 1社のみ 1社のみ
自身で買主を見つけた 仲介なし可能 仲介なし可能 不動産会社の仲介が必要
契約期間 規定なし 最長3ヶ月 最長3ヶ月
状況報告 規定なし 14日に1回以上 7日に1回以上

媒介契約を結ぶ前に、以下の内容を確認しておくことが大切です。

  • 販売活動の内容
  • 報告の頻度と方法
  • 契約期間

契約書は専門用語が多く、初めての方にはわかりにくい部分が多いです。理解できないまま契約してしまうと、後にトラブルへつながる恐れがあります。不安や疑問点があれば、担当者に質問して解消しておきましょう。

・活用できる節税や控除制度を事前に確認する

マンションを売却し利益が発生すると、譲渡所得税や住民税が課されます。しかし、一定の条件を満たせば税負担を減らせる制度が用意されています。売却益や売却損の内容によって、以下の特例を利用できる可能性があります。

  • 居住用財産の3,000万円特別控除
  • 居住用財産売却の軽減税率の特例
  • 居住用財産の買換え特例

特例を受けるためには確定申告が必須です。申告の期限は売却した翌年の2月16日から3月15日までです。適用条件や必要書類は事前に確認しておきましょう。

マンション売却で損をしないためには、制度の有無と適用条件を事前に把握しておくことをおすすめします。売却を決めたら早い段階で制度を確認して、必要に応じて専門家へも相談しましょう。

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8. まとめ|中古マンションを早く売却するには状況に応じた施策を実施しよう

中古マンションがなかなか売れないと悩む方は、状況に応じた施策を実施しましょう。内覧希望者が見つからなければ、価格や媒介契約を見直すのがおすすめです。内覧から契約につながらない場合は、室内の清掃や小規模なリフォームを行い、物件の価値を高めるとよいでしょう。

できるだけ早期に中古マンションを売却したい方は、不動産会社へ買取りを依頼する方法があります。築年数が古かったり、室内の状態が悪かったりする物件は売れづらいため、買取りに向いています。また、中古マンションの維持や管理をする余力がある方は、賃貸に出すことで家賃収入を得られるでしょう。

コスモスイニシアでは、中古マンションを売却する際の「仲介」や「買取り」のサービスを扱っています。7つの価値基準にもとづき、物件の状況やお客さまの希望に合わせた売却方法を提案できることが特徴です。中古マンションを早期に売却したい方は、お気軽にお問い合わせください。

※2025年9月時点での情報です。
※記事内で使用している写真、図等はイメージです。