持ち家を売る際は、不動産会社に査定を依頼して売却見込み価格を見積もってもらうのが一般的です。できるだけ高く売るために、複数の会社で見積もりを取ってから売却先を選びたい方は多いでしょう。

しかし、売却査定を行う不動産会社の中には、悪徳業者が含まれているケースがあるため注意が必要です。今回の記事では、不動産売却時の査定について以下の内容を解説します。

• 査定額に影響する要素
• 2種類の査定方法
• 一括査定サービスのメリット・デメリット
• 信頼できる不動産会社を選ぶポイント

家を売却する際に損をしないためのポイントを紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

1. 売却査定で信頼できる不動産会社を選ぶ4つのポイント

売却査定や取引の仲介を依頼する不動産会社を選ぶ際は、信頼できる相手かを慎重に吟味することが大切です。ここでは、売却査定を依頼する不動産会社選びで大切な4つのポイントを解説します。

・事前に自分で相場を調べる

売却査定を依頼する際は、事前に近隣物件の相場を調査しましょう。近隣の取引実績は自分で調べられる情報であり、査定額が適切かを判断する指標の1つです。

たとえば、不動産ポータルサイトで築年数や間取りなどを条件に絞り込み、自身の不動産と似た条件の物件がいくらで売りに出されているか確認してみましょう。広さが異なる場合は、平米単価や坪単価で比較すると相場感をつかみやすくなります。

過去の取引実績を知りたい場合は、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」の公的データが役立ちます。実際に成約した事例が掲載されているため、実勢価格に近い数値の把握が可能です。

実際に取引されている近隣物件の価格を把握し、査定額と照らし合わせて不動産会社の信頼性をチェックしましょう。

・近隣物件の販売状況を把握しているか確認する

一般的に、簡易査定や訪問査定では、営業担当者と電話や対面で相談する機会があります。営業担当者の話を聞く際は、販売されている近隣物件の有無や価格を把握しているかを尋ねましょう。

近隣物件の販売状況は、査定額を決める際に必ず考慮される要素の1つです。売られている近隣の物件は競合となり得るため、査定額は販売状況を考慮して算出されます。

競合となる近隣物件の状況を把握せず査定額を算出する会社は、信頼性に欠けるため注意しましょう。

・近隣の販売実績の提示を依頼する

一般的に、不動産会社は「特定のエリアに詳しい」「マンションの売買を強化している」などの得意分野を持っています。反対に「賃貸には詳しいが売買の実績は少ない」のように苦手分野のある不動産会社は多いでしょう。

売却したい物件の条件を得意とする不動産会社を選ぶためには、近隣における販売実績を尋ねるのがおすすめです。なお、販売実績の問い合わせにあたって、営業担当者は事前に資料を用意する必要があります。訪問査定を依頼する際に、近隣の販売実績の提示を求める場合は、事前に問い合わせましょう。

・査定額の根拠を確認する

査定額を提示された際は、必ず金額の根拠を確認しましょう。査定額が高くても、納得できる根拠の説明がない不動産会社に依頼するのは危険です。

不動産を売却する場合、査定額と実際の販売価格は異なるケースが多くあります。例えば車の売却時は、見積もりを取った会社が買い取るため、査定額と販売価格は同じになります。

しかし、物件を売却する場合、購入するのは不動産会社ではなく一般の方です。不動産会社の役割はあくまで仲介であるため、買主から価格交渉をされた場合は値下げをするケースがあります。

また、後に値引きすることを前提として、明らかに高い査定額を提示する悪質な不動産会社があるため注意が必要です。高い査定額を提示されたときは、安易にその会社へ依頼をするのではなく、算出金額の根拠を尋ねましょう。

納得のいく説明が得られれば、査定額の高い会社を選んで問題ありません。しかし、説明に納得できない場合は、契約を避ける方が賢明です。

2. 不動産売却における3種類の査定方法

不動産の売却査定には「簡易査定」と「訪問査定」に加え、近年利用されるようになった「AI査定」の3種類があります。ここでは、それぞれの特徴や査定の依頼方法について解説します。

・簡易査定（机上査定）｜手軽に評価額を調べられる

簡易査定（机上査定）は、物件の「種別」「築年数」「立地条件」などのデータから、大まかな売却価格を算出する方法です。

基本的な評価方法

不動産会社が運営するWebページや一括査定サイトでは、簡易査定を行っています。入力フォームに必要事項を記入するだけで、手軽に査定額の確認が可能です。査定を行っても契約する必要はないため、売却するかを悩んでいる方におすすめします。

ただし、簡易査定はデータのみで買取価格を算出する方法であり、内装や設備の現状は加味されません。あくまで目安の買取価格であり、実際の査定額とは異なる場合があります。

申し込む際の必要事項

簡易査定を申し込むときには、主に以下のような事項を入力します。

• 物件の住所
• 物件の種別（一戸建てやマンションなど）
• 物件の現状（居住中や空室など）
• 物件との関係（名義人か否か）
• 専有面積
• 間取り
• 築年数

自分の不動産の価格と比較するために、さまざまなマンションの査定額や相場を知りたい方は、ビッグデータを使ったサービスを利用しましょう。

※入力フォームの項目は、不動産会社やサービスごとに異なります。必ずしも上記データが必要とは限りません。また、その他の情報が必要な場合があります。

・訪問査定（実査定）｜実際の状態から詳細な評価額が分かる

訪問査定は、営業担当者が実際に物件を見て買取価格を算出する方法です。データだけではなく、目で見なければ分からない情報をもとに算出するため、簡易査定より詳細な買取価格を得られます。

不動産を売却するときは、簡易査定だけではなく、必ず訪問査定を行います。「簡易査定で複数社の買取価格や対応を比較し、訪問査定を受ける会社を選ぶ」という手順が一般的です。

ただし、訪問査定には時間と手間がかかります。不動産を売却するか悩んでいる方は、売ることを決定してから依頼するのがおすすめです。

売却することを決めていれば、簡易査定を省いて訪問査定を行う方法があります。最初に訪問査定を行うことで、売却にかかる期間を短縮できるでしょう。

・AI査定

AI査定とは、過去に取引された物件のデータをAIが分析し、査定対象と似ている条件の物件を照らし合わせて価格を算定する方法です。築年数や面積などの基本情報を入力するだけで、数分以内に概算価格を確認できます。

不動産会社の社員が直接現地を訪れて確認するわけではないため、査定の精度は低めです。たとえば、室内のリフォーム状況や管理状態は反映されず、実際の売却価格と差が出ることがあります。一方で個人情報の入力が不要なケースが多く、不動産会社からの営業電話を避けたい方にとっては利用しやすい査定方法です。

AI査定は、概算価格だけ確認したい方に向いています。データが豊富なマンションなどは比較的精度が高い傾向がありますが、一戸建ては物件ごとの差が大きくなります。そのため、あくまで参考値として活用するのがおすすめです。

3. 不動産売却時の査定額に影響する4つの要素

不動産会社には、大手の企業から地元密着型の小さな業者まで数多くありますが、売却査定の際に重視されるポイントはおおむね共通しています。査定額に影響する要素を把握すれば、仮に不当な買取価格を提示されても、自力で気づけるでしょう。

ここでは、不動産会社が売却査定の際に着目する主なポイントを4つ紹介します。

・近隣物件の取引事例

近隣物件の取引価格は、査定額を決める重要な要素の1つです。不動産会社は、査定額を算出する際の参考にするために、近隣で取引されている物件の相場をチェックしています。

売却査定を依頼する際は、事前に近隣物件の相場を調べましょう。物件の取引価格を調べるには、店舗に掲示された広告一覧や、不動産会社のWebサイトの公開情報をチェックする方法が挙げられます。

また、国土交通省の「不動産情報ライブラリ」を使えば、信頼できる情報の入手が可能です。リンク先ページの左上にある「不動産取引価格情報検索」をクリックし、売りたい家の地域を選択すると、任意の期間における実際の販売価格が一覧で表示されます。

売却したい家があるエリアの最新の相場を把握し、査定額が妥当かを判断できるようにしましょう。

・公示価格、路線価

日本では、土地や道路の標準価格として「公示価格」と「路線価」を定めています。公示価格は土地に対して毎年1月1日時点における全国約2万6千地点の標準地の価格であり、3月に国土交通省が発表します。路線価は道路に対して標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額で、7月1日に国税庁が発表する標準価格です。

これらの公的な評価は、物件の売却価格を決める際の参考にされています。実際の取引価格とは異なるケースがありますが、近隣に売却事例がない場合には1つの指標として活用が可能です。土地の売却を検討している方は、国土交通省や国税庁が公開しているデータを事前に確認しておくことで、査定結果の妥当性を判断しやすくなるでしょう。

公示価格の詳細はこちら：国土交通省地価公示・都道府県地価調査
路線価の詳細はこちら：財産評価基準書路線価図・評価倍率表

・立地条件

立地条件は、不動産の価値を大きく左右する要素の1つです。立地条件の具体例としては、以下のような項目が挙げられます。

• 公共交通機関との距離、アプローチ（駅やバス停など）
• 公共施設との距離（役所や学校など）
• 金融機関との距離（銀行や郵便局など）
• 店舗・商業施設との距離、アプローチ（スーパーマーケットなど）
• 生活に車が必要か、必要なら駐車場との距離
• 周囲の治安状況
• 住環境（周辺の緑の多さや静かさなど）

一般的に、利便性の高い立地や閑静な住環境は、査定額が上がりやすい条件です。

・物件の条件

外観や設備などの物件の条件は、査定額に大きく影響する要素です。売却査定の際は、具体的に以下のような物件の条件がチェックされます。

• 住宅の外観（外壁・屋根などの状況）
• 住宅の設備（収納・床暖房などの有無）
• 間取り、生活動線
• 防犯対策の有無
• 快適さを左右する要素（日当たりや風通しなど）
• 付加価値を持つ要素（窓からの眺望や広い庭など）

また、マンションであれば管理状況を考慮されるケースがあります。エントランスや自転車置き場などの共用部分の管理状況は、訪問査定の際に確認されやすいポイントです。

4. 訪問査定でチェックされる9つのポイント

不動産会社の担当者が現地に足を運んで行う訪問査定では、建物の状態から周辺環境まで確認されます。どこを見られるのかを事前に理解しておけば、準備や対策がしやすくなり、マイナスの評価を防ぐことにもつながります。ここでは、実際に査定で注目される9つのポイントを解説します。

・建物：築年数と構造

築年数は不動産の価値に直結する要素で、特に木造の一戸建ては年数が経つにつれて価格が下がる傾向があります。しかし、築年数が古いからといって必ずしも売れないわけではありません。設備のグレードやメンテナンスの状態によっては築年数が経過していてもプラス評価を受ける場合があります。

また、構造の種類や用途によって法定耐用年数が決められています。たとえば、住宅用の木造は22年、鉄筋コンクリート造は47年です。法定耐用年数は、会計処理における減価償却を計算するものですが、査定額を算出する際に参考にする数値です。

築年数が経っていても、定期的に修繕やリフォームを行っていれば査定がプラス評価につながる可能性があります。リフォーム前提で購入する買主がいるため、査定の際には修繕の記録を用意して使用状況を説明するとよいでしょう。

・建物：屋根や外壁などの外装

「外壁の塗装が剥がれていないか」「ひび割れが生じていないか」は査定の際に確認されます。外壁の劣化は雨漏りや建物内部の腐食につながるため、査定額に影響するからです。屋根の破損や劣化も雨漏りにつながるため、外壁とあわせて確認する必要があります。

一般的に外壁の塗装は、10～15年ごとに実施するのが良いと言われています。「屋根裏や押し入れの天井部分に雨漏り跡やシミがないか」「木部の腐食がないか」をチェックされるため、事前に確認しておくと安心です。売却前に外装の状態を見直し、必要であれば補修や塗装を検討するとよいでしょう。

過去に実施した工事や修繕内容を担当者に伝えることで、適切に評価されやすくなります。高額な費用をかけて修繕しなくても、適切に手入れしてきたことを伝えるだけで評価が上がる場合があります。

・建物：キッチン・浴室・トイレの水回り

キッチンや浴室、トイレなどの水回りは日常的に使用頻度が高いため、査定で重視される部分です。設備のグレードや保存状態が良ければ評価が上がり、劣化や不具合が見られると査定額が下がります。

プラス査定に働く要素は、システムキッチンやオール電化、省エネ性能の高い給湯器などの設備です。快適性だけでなく光熱費の削減にもつながるため、買い手にとって魅力的であり、査定の際にアピールできます。

一方で水回りは劣化しやすく、清潔さを保ちにくい場所です。売却前に水漏れや動作不良がないかを点検し、不具合があれば修理やリフォームを行うことで、評価が下がることを防げます。水回りは家の印象を左右するため、普段の手入れを怠らず、査定の際にはしっかりアピールしましょう。

・建物：床や壁などの内装

床や壁などの内装は、見た目だけでなく建物の健全性を示す重要な部分です。雨漏りや床の傾きといった重大な欠陥がある場合、査定額の大幅な減額要因となるだけでなく、売主には契約不適合責任（建物に欠陥などがあった際に売主が負う責任）が生じる可能性があります。そのため欠陥がある場合は事前に把握し、不動産会社へ伝えておくことが重要です。

また、壁紙の剥がれや内部の腐食跡、天井のシミなどもマイナス評価につながるため、自身でもチェックしておきましょう。買主の不安を招きやすく、購入をためらう可能性があります。

床や壁は部屋の雰囲気を決める大きな要素であるため、汚れや日焼けによる色あせが目立つと印象が悪くなります。クロスの張り替えや簡単な補修を行うことで、査定額の減額を回避できるでしょう。

・建物：リフォームや修繕履歴

リフォームや修繕を行い手入れされてきた住宅であれば、査定のアピールポイントとなり評価が下がりにくくなります。修繕履歴は、以下の内容を確認しておきましょう。

• 修繕した部分
• 修繕した時期
• 修繕した内容
• 修繕前後の写真
• 施工業者の見積書や領収書

建物の状態に不安がある場合は、不動産会社に相談することをおすすめします。「売却前に修繕やリフォームを行うべきか」「現状のまま販売しても問題ないか」をプロの視点から判断してもらえます。必要以上に高額な工事をする必要はありませんが、生活に支障をきたす不具合を事前に直しておきましょう。買主の安心感にもつながり、スムーズな売却を期待できます。

・土地：面積や接道状況

一般的に面積が広く、前面道路に面した間口が長い土地は建物を建てやすいため、高く評価されやすいです。一方、道路に接する部分が建築基準法で定められた「幅員4ｍ以上の道路に2m以上接道」の条件を満たさない場合は、再建築ができない可能性があり査定額が低くなってしまうケースがあります。

また、敷地と道路の間に他人の土地や水路が入り込んでいる場合も注意が必要です。建て替えや利用に制約が生じる可能性があり、査定でマイナス評価となることがあります。売却前には、土地が法律上の条件を満たしているかを確認しておくと安心です。

・土地：形状や境界の状況

整った形の土地は使い勝手が良いため評価が高くなりますが、以下のケースでは注意が必要です。

• 不整形地
• 進入路が細い通路になっている旗竿地
• 周囲を他人の土地に囲まれて道路に直接接していない袋地

面積が広くても建物の設計や利便性に制限が出やすく、査定額が下がる傾向にあります。また、傾斜地では土砂崩れを防ぐ擁壁の安全性も査定の対象です。擁壁に劣化や不具合があると補修費用がかかるため、評価が下がる可能性があります。

隣地との境界は杭や境界標が設置されているか「塀や植栽が越境していないか」が確認されます。境界が不明確なまま売却を進めるとトラブルになりやすいため、事前に確認しておくと安心です。

・周辺環境：日当たり眺望

査定では「室内に十分な採光が確保できているか」「風通しが良いか」といった点が確認されます。特に南向きの住宅は日照時間が長いため人気が高く、より高い評価を受けやすいです。

一方で、隣接地にマンションやビルなどの高層建物があると、日当たりや眺望が妨げられ査定額に影響する可能性があります。査定時には現在の状況だけでなく、近隣で新しい建物の建築計画があるかどうかも確認されます。将来的に景観や採光条件が変わる見込みがある場合は、不動産会社へ事前に伝えておきましょう。

また、眺望の良さは住まいの魅力を高める要素です。公園や緑地を望める物件、開放感のある景色が広がる立地は買主にとって大きな魅力となり、プラス査定につながることがあります。

・周辺環境：騒音・振動・臭気などの状況

近隣にゴミ置き場や工場があると、臭いや騒音の問題が懸念され評価が下がる傾向にあります。主要な道路や幹線道路に近い住宅は、トラックの騒音や振動の影響があり買主に敬遠されやすいです。

公害の発生や不快感、危険感を与えるなど周囲から敬遠されるものは、嫌悪施設とみなされます。嫌悪施設とは、たとえば以下の施設です。

• 墓地
• 高圧線鉄塔
• ごみ焼却場
• パチンコ店

直接的に音や臭いがない場合でも、嫌悪施設が近隣にあると心理的なマイナス要因として査定に反映されることがあります。環境要因は自分では変えられない部分ですが、査定前に把握しておくことで、不動産会社とのやり取りがスムーズになります。

5. 不動産売却における「一括査定サイト」の3つのメリット

物件の売却査定額は、依頼する不動産会社によって異なります。そのため、売却査定は1社だけに依頼するのではなく、複数社から見積もりを取るのがおすすめです。

「一括査定サイト」を利用すれば、一度に複数の不動産会社の簡易査定を受けられます。ただし、詳しい特徴を理解しないまま一括査定サービスを利用すると、後悔する可能性があるため注意が必要です。

ここでは、一括査定サービスのメリットを解説します。

・複数の業者を一気に比較できる

一括査定サイトでは、一度情報を入力すれば複数の不動産会社から査定額を得られることがメリットです。売却査定額は不動産会社によってばらつきがあり、1社の見積もりだけでは提示価格が妥当かを判断できないケースがあります。

複数社からの見積もりを比較すれば、不当な査定額を提示された際に気づけるでしょう。複数の不動産会社に査定を依頼するのは大変ですが、一括査定サイトであれば手間をかけず相見積もりを取れます。また、中には無料の一括査定サービスがあり、手軽に受けられて便利です。

・時間を短縮して比較できる

不動産会社に査定を依頼する場合、通常は各社へ個別に連絡し、資料を準備して訪問する必要があります。従来の方法は時間も労力もかかりましたが、一括査定サイトを使えば手間を大きく減らせます。

また、サイト上で物件情報を一度入力するだけで、複数の不動産会社にまとめて査定依頼が可能です。パソコンやスマートフォンから24時間いつでも申し込めるため、忙しい方でも勤務中の合間や夜の空き時間で手軽に利用できます。

さらに、電話や来店をしないで査定が進むので、移動ややり取りにかかる時間や労力がかかりません。効率的に複数の結果を比較できるため、査定の負担が少なく済みます。

・適正価格を把握できる

一括査定サイトを利用すると、複数の不動産会社から提示された査定額を比較できるため、自分の物件のおおよその適正価格を把握できます。1社だけに依頼した場合、価格が妥当であるかを判断するのは難しいです。しかし、複数の査定結果を比べると相場感をつかみやすくなります。

また、各社に価格の根拠を聞くことで、査定の考え方の違いを比較可能です。査定根拠を整理しておけば、売り出し価格を決める際に役立つだけでなく、価格交渉になっても安易に安く売ってしまうリスクも避けられます。

適正価格を知ることは、売却期間の見通しや資金計画を立てるうえでも欠かせないポイントです。

6. 一括査定サイトを利用する3つのデメリット

一括査定サイトは査定額を簡単に比較できる一方で、営業の対応や個人情報の取り扱いなど、思わぬストレスにつながるケースも少なくありません。デメリットを理解せずに使うと、便利なはずがかえって手間が増えたと感じる可能性もあります。ここでは、利用者が気をつける3つのデメリットを解説します。

・大量の電話やメール営業を受ける場合がある

一括査定サイトを利用して複数の不動産会社に見積もりを取ると、熱心な営業を受ける場合があります。競合よりも早くお客様にアプローチしたいと考える不動産会社は多く、査定後すぐに連絡を取る傾向にあります。

一斉に電話やメールが届くため、対応には時間と手間がかかるでしょう。一括査定サイトによっては、電話による営業を禁止していたり、過度な対応へのクレームを受け付けていたりする場合があります。一括査定サイトを利用する際は、事前に規約を確認するのがおすすめです。

・悪質な業者が含まれるケースがある

不動産会社の中には、高い査定額を提示して契約を取ろうとする業者がいます。査定額は高くても、実際に売却するときは大幅に値下げをする悪質な業者がいるため注意が必要です。

一括査定サイトの利用時に、他社より明らかに高い査定額を出す会社がある場合は、金額の根拠を確認しましょう。また、悪質な業者に騙されないためには、査定額の高さだけで不動産会社を選ばないようにすることが大切です。

・個人情報を入力しなくてはいけない

一括査定サイトを利用する際は、匿名で依頼することはできません。査定を申し込むには、物件の情報に加えて氏名やメールアドレスなどの個人情報を入力する必要があります。そのため、依頼先の不動産会社には見込み客の情報として共有されます。情報の管理体制が整っているか、サイトのプライバシーポリシーや利用規約を事前に確認しておきましょう。

どうしても個人情報を開示したくない場合は、物件情報だけで概算額を算出する匿名査定を提供しているサイトがあります。ただし、AIや過去の取引データをもとに算出されるため、精度は訪問査定や簡易査定に比べて低くなる点に注意が必要です。

7. まとめ｜適切に売却査定をする不動産会社に依頼しよう

売却査定を行う不動産会社の中には、見積もりの際には高額を提示し、実際には大幅に値下げをする悪質業者がいるため注意しましょう。不当な査定額を提示されるケースに備えて、物件の価格に影響する要素を事前に把握することが大切です。

売却査定の方法としては、手軽に評価額を調べられる「簡易査定」と、物件の状態を加味して算出される「訪問査定」、数分で概算がわかる「AI査定」の3種類があります。また、査定額は不動産会社によって異なるため、複数社から見積もりを取り比較するのがおすすめです。一括査定サイトを利用すれば、複数の不動産会社からの見積もりを一挙に得られます。

信頼できる不動産会社を選ぶためには、近隣物件の相場を自分で調べたり、疑問点があれば積極的に質問したりすることが大切です。不動産売却に関する知識や情報を入手し、安心して取引できるように備えましょう。

コスモスイニシアでは、オンラインでの売却査定の申し込みを受け付けています。簡易査定だけでなく訪問査定にも対応しているため、お気軽にお問い合わせください。

当サイトでは、不動産の売却に役立つさまざまなコラム記事を掲載しています。不動産の売却を考えている方は、こちらの記事がおすすめです。

※2025年9月時点での情報です。
※記事内で使用している写真、図等はイメージです。