【不動産会社の選び方ガイド】失敗しない不動産会社選びの考え方と5つのポイントを解説

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不動産の売却をしたい場合、まず考えるのは「どこの不動産会社に依頼をするか?」ということではないでしょうか。不動産会社選びは、売却の成否を左右すると言っても過言ではない、重要な第一歩です。

しかし、何を基準に選べば良いかわからず、悩む方も多いです。そこでこの記事では、不動産会社選びで後悔しないための「判断基準」と「具体的なチェックポイント」を、わかりやすく解説します。

それぞれのシチュエーションに合った不動産会社を選び、納得のできる売却を行いましょう。

1. 2種類の不動産売却の方法

不動産を売却するには、不動産会社による「仲介」か「買取」のいずれかの方法によって行います。売却する不動産の状態や売り手がどのような売り出し方をしたいのかによって、適した売却の方法が異なります。自分の不動産の種類・売却する状況を把握して、不動産会社としっかり相談しながら決めていきましょう。仲介と買取のそれぞれの売却方法について、詳しく解説します。

・仲介

不動産における仲介とは、売買や賃貸借の際に売り手と買い手、あるいは貸し手と借り手との間に立ち、その契約を成立させることです。仲介のメリットと売却に適したパターンを詳しく解説します。

仲介のメリット

仲介のメリットは、不動産会社が専門家として売主をトータルサポートし、売却活動全般を任せながら、より良い条件での売却を目指せることです。具体的には、主に以下のような業務を担当します。

  • 物件の査定、売買価格の決定
  • チラシやインターネットなどによる物件の宣伝
  • 物件販売のプラン提案
  • 物件下見の調整や現地案内
  • 物件の権利関係や規制などの法律、物件の地域に関する情報の調査
  • 契約書の作成
  • 売買契約の締結や決済、不動産の引き渡し

「仲介」と一口に言っても、さまざまな業務があることがわかります。これらの専門的なサポートこそが、買取よりも高い価格での売却を実現する仲介の強みと言えるでしょう。

仲介による売却が適したパターン

仲介による売却が適したパターンには、主に以下の2つがあります。

  • 急いでなく、高い価格で売却することを優先したい
  • 売却する不動産の希少価値が高く人気である

仲介による不動産の売却を依頼すると、不動産会社は売り手の不動産を少しでも高い価格で買ってくれる買い手を見つけようと努力します。

したがって、時間に余裕があり少しでも高い価格で売却することを重視したい方には、仲介による売却がおすすめです。売却を急いでいない売り手の不動産については、不動産会社も時間に余裕を持って対応できます。そのため、より綿密な売却活動が行いやすくなるのです。

また、希少価値が高く人気がある不動産は、多くの購入希望者を集められる見込みがあります。高い価格でも購入したいというポテンシャルの高い購入希望者が集まりやすい傾向があります。家を売却する際の基礎知識や手順に関しては、以下の記事で詳しく解説しているので併せてご覧ください。

 【不動産売却ガイド】家を売るために必要な基礎知識と手順総まとめ 家を売るなら、できるだけ高く、早く、手間なく売りたいですよね。 そのためには、事前にある程度の基礎知識を勉強しておくことが重要です。 損をせずに賢く売却するために、まずは不動産売却の大まかな流れと、最低限の基礎知識を学んでいきましょう。 コスモスイニシアの暮らしメディア「kurashiba」

・買取

買取とは、不動産会社が売り手から直接不動産を買い取る方法です。買い取った不動産は、不動産会社がリフォームや建て替えなどを施し、付加価値を付けて再販売がなされます。買取のメリットと売却に適したパターンを詳しく解説します。

買取のメリット

買取による売却には、メリットが主に2つあります。

  • 仲介手数料が発生しない
  • 契約不適合責任を負う必要がない

買取では不動産会社が直接の買主となるため、仲介手数料は発生しません。例えば、仲介で500万円で売却できた場合、23万1000円(税込、消費税10%の場合)の仲介手数料がかかりますが、買取ではこれが不要になります(※仲介手数料の計算法と手数料の上限は、宅地建物取引業法で定められている)。

ただし注意点として、買取価格は市場価格よりも低く設定されるのが一般的で、市場価格の6〜8割程度になることが多いです。 仲介手数料の節約分以上に、売却価格そのものが低くなる可能性を十分に考慮しておくことが重要です。

契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)とは、売却した物件が、契約書に記載された内容(種類、品質、数量など)と異なっていた場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。例えば、契約書に記載のない雨漏りやシロアリの害などが見つかった場合、売主は修繕や代金減額などを請求される可能性があります。

しかし、買主が不動産会社となる買取の場合、この契約不適合責任を「免除」する特約を付けて契約するのが一般的です。そのため、特に築年数が古い物件や状態に不安がある物件でも、将来的なトラブルの心配をせずに安心して売却できます。

買取による売却が適したパターン

買取による売却は、主に次の3つのパターンが適します。

  • 早急に売却をしたい
  • 売却する不動産の反響がなく売れにくい
  • 周囲に売却のことを知られたくない

買取による売却の場合、不動産を購入するのは不動産会社自身であるため「仲介」という工程がありません。つまり、買い手を見つける作業がなく、不動産会社が不動産を買い取れば売却は完了します。買取による売却であれば、反響がなく売れにくい不動産でも条件次第で買い取ってくれます。仲介による売却の場合は、反響がない不動産には買い手が集まりにくく、売却するまでに時間がかかるケースが多いです。

また、買取は不動産会社が直接の買主となるため、買い手を探すためのチラシやインターネット広告といった宣伝活動が一切行われません。したがって、ご近所に知られることなく売却を進められます。

2. 不動産会社の規模|大手と地域密着型

不動産会社には、大手と地域密着型の会社があります。「大手のほうが知名度もあるし信頼できそうだけど、地域密着型のほうがその土地の不動産に関して詳しそうだし……」と考えて迷う方も多いでしょう。さらに、売却する地域や不動産の状態によって、どの規模の不動産会社に行けばよいかも変わります。

大手にも地域密着型にも、互いに優れている特徴があります。この章では、両方の特徴とそれぞれの規模の会社に適した売却のシチュエーションを紹介していきますので、自分のニーズに合った方の会社を選んでいきましょう。

・大手の不動産会社の特徴

大手の会社は、地域密着型の会社より多くの物件情報を所有しているのが、大きな特徴です。ある大手不動産サイトには、賃貸物件保有数が600万件以上、中古マンション物件保有数が10万件以上あるというデータがあります。

また、大手の会社は全国各地に支店があるので、住みたい地域の物件を幅広く探すことも可能です。例えば、九州在住の人が東京の物件を探すとき、わざわざ東京に行かずに九州にある支店で見つけられるでしょう。ただし、あまりに膨大な不動産の情報を持っているので、販売担当が全ての不動産の特徴を完全には把握しきれていないこともあります。

・大手の不動産会社が適したパターン

次に、不動産売却の依頼を大手の会社にするべきパターンをあげていきます。

  • 早急に売却したい
  • 売却する不動産が人気で希少価値が高い
  • 広い土地を売りたい

1つずつ内容を見ていきましょう。

早急に売却したい

大手の会社は見込み顧客リストを多く抱えています。そのため、地域密着型の会社よりも高い確率で買い手が見つかる可能性が高いです。また、大手にはネームバリューとブランド力があり、全国に支店があるので販売力が高いこともあげられます。

売却する不動産が人気で希少価値が高い

大手の会社は全国に支店があり保有する顧客情報量も多いので、全国から買い手が集まりやすく売却価格をより高く設定しやすいです。例えば、都心のタワーマンションやデザイン性の高い物件などは、購入希望者が必ずしも近隣住民とは限りません。全国規模の広告展開によって、そうした遠方の有力な購入希望者にも情報を届け、物件の価値を最大限に引き出すこともできるでしょう。

広い土地を売りたい

広い土地の売却では、個人の買主ではなく、マンションデベロッパーや事業会社といった法人が買主となるケースがほとんどです。大手の不動産会社は地域密着型の会社に比べて、こうした法人顧客との幅広いネットワークや取引実績が豊富です。そのため、開発用地や事業用地を探している企業に対して的確にアプローチし、好条件での売却を実現できる可能性が高まります。

・地域密着型の不動産会社の特徴

地域密着型の会社は、担当する地域に特化して営業活動を行います。そのため、担当する地域に関しては大手の会社よりも熟知し、さまざまな不動産情報を把握しています。さらに、地域密着型の会社は大手よりも融通が利きやすいのも特徴の一つです。

大手は、会社が決めたマニュアルに沿って営業することを遵守します。そのため、売り手からの売却価格値上げの要望にも、マニュアルに従って断るというケースもあります。

しかし、地域密着型の会社は大手に比べて従業員が少ないことから、上席の責任者に業務上の決裁を得るまでの時間が短いケースが多いです。そのため、地域密着型の会社は大手に比べて売り手の要望に対して柔軟に対応してくれる可能性があります。

ただし、地域密着型の会社は大手に比べると担当する地域が狭いです。そのため、担当する地域以外の不動産情報に疎い場合があります。また、会社の担当地域外では系列の店舗数も大手の会社より劣るため、なかなか購入希望者が集まりづらいこともあります。

・地域密着型の不動産会社が適したパターン

地域密着型の不動産会社に依頼すべきパターンは、主に以下の2つです。

  • 早急に売却したい
  • 狭い、郊外の土地の売却

1つずつ内容を見ていきましょう。

早急に売却したい

地域密着型の会社は、担当する地域については大手よりも精通しています。そのため、築年数が古い不動産に対しても精度の高い査定を行ってくれるので、納得できる売却価格を算出してくれるでしょう。また、担当する営業エリアも限定しているため、たとえ築年数が古い不動産でも売却活動に大手よりも多く時間を割いてくれます。

狭い、郊外の土地の売却

狭い土地や郊外の土地の買い手は「この地域で住宅・事業所を建てたい」と、地域にこだわりをもつ人が多いです。そのため、地域性を重視する買い手は、特定の地域について精通した地域密着型の会社に集まりやすい傾向があります。

3. 不動産会社を選ぶ際の4つのポイント

不動産会社の種類を踏まえたうえで、数ある不動産会社のなかから売却を円滑に進めてくれる会社を選ぶ必要があります。現在はインターネットで不動産会社を調べることが増えてきています。

しかし、不動産会社のホームページを見ても、どの箇所に焦点を当てて会社の良し悪しを判断すればよいかが分かりづらいでしょう。そこで、不動産会社を選ぶ際のポイントとして、以下の内容を解説します。

  • 宅地建物取引業の免許があるか確認する
  • 不動産会社の得意な事業を調べる
  • 複数の不動産会社に査定を依頼する

1つずつ内容を見ていきましょう。

・宅地建物取引業の免許があるか確認する

国土交通省が定める宅地建物取引業とは、以下の行為を業として行うものを指しています。

  • 宅地または建物の売買
  • 宅地または建物の交換
  • 宅地または建物の売買、交換または賃借の代理
  • 宅地または建物の売買、交換または賃借の媒介

宅地建物取引業を行うには、「宅地建物取引業法」という法律に基づき、国土交通大臣または都道府県知事の免許が必須です。物件の仲介業であれば、宅地建物取引業法に基づく免許が必要です。つまり、仲介・買取業務を行う不動産会社は、免許がなければ違法となります。

不動産会社が宅地建物取引業法に基づく免許を持っているかの確認をするには、不動産会社のホームページを見ます。会社概要ページに以下のように記載があるかを確認しましょう。

(例)国土交通大臣(1)第1234号
  東京都知事(3)第5678号

※上記の番号はあくまで例です。実際に存在する不動産会社の免許番号ではありません。

大臣許可と都道府県知事の違いは、主に営業範囲です。2つ以上の都道府県を営業範囲としている不動産会社には大臣の許可が、1つの都道府県を営業範囲としている不動産会社には都道府県知事の許可が与えられます。

上記の例の「国土交通大臣(1)第1234号」の(1)とは、免許の更新回数を表します。免許は5年の期限があり、初めて免許を交付されれば(1)と免許上に表示されるのです。したがって、(2)の表示であれば、初めての免許交付から5年は経過していて1回更新しているということになります。

免許の更新回数が多いほど、宅地建物取引業を長く行っている不動産会社であるとわかります。事業年数が長いというだけで、優れた不動産会社であるかを判断するのは得策ではありません。

しかし、事業年数が長い不動産会社のほうが事業についてのキャリアは長く、事業のスキルも事業年数が少ない会社より高い可能性があることは、不動産会社を選ぶ際の基準のなかに入れてもよいでしょう。

・不動産会社の得意な事業を調べる

不動産会社によって、以下のように事業の得意分野が異なります。

  • 賃貸物件の取り扱いが得意な不動産会社
  • 売買業務が得意な不動産会社
  • 開発業務が得意な不動産会社 など

不動産会社の得意な事業を特定する1つの指標として、まず不動産会社のホームページを見てみましょう。もし、不動産会社のトップページの冒頭に仲介についての記載があれば、売買事業をメインとして行っていると考えられます。得意ではない事業をトップページの冒頭に載せる不動産会社はいないはずです。

賃貸物件をメインとして事業を行う会社に一戸建ての売却を依頼しても、購入希望者をすぐに見つけてくれたり、積極的に買い取ったりしてくれるとはあまり考えられません。不動産会社が取り扱う不動産事業のなかで、最も業績のよい事業が何かを調べてみるのもいいでしょう。その不動産会社がどのような事業に力を入れているのかを知ることも大切です。

・複数の不動産会社に査定を依頼する

1社だけではなく、複数の不動産会社へ査定を依頼することもおすすめです。不動産会社によっては、査定額に10%以上の差異が生じることもあります。1社のみに査定の依頼をしてしまうと、ほかの不動産会社の査定額と比較ができません。

複数の不動産会社に査定してもらえば、それぞれの査定報告書を比較でき、相場をつかみやすくなります。また、査定額を算出した根拠を聞いてみることも有効です。

コスモスイニシアでは、オンラインでの売却査定の申し込みを受け付けています。

簡易査定も訪問査定も可能ですので、ぜひ一度試してみてください。

4. 不動産会社に行く際の注意事項

実際に不動産会社に行くときにも注意するべきことがあります。スムーズに、そして確実な売却を行うためには、以下のことに気をつけましょう。

  • 不動産会社に行くタイミングに気をつける
  • 不動産会社の店頭の張り紙に気をつける
  • 似たような不動産の取り扱い経験の有無を確認する
  • 売却希望時期を不動産会社に伝えておく

それぞれ詳しく解説します。

・不動産会社に行くタイミングに気をつける

まず、不動産会社に行く前には、あらかじめ不動産会社に電話して予約を取りましょう。多くの不動産会社では電話での予約に加えて、公式サイトやWebフォームからオンライン予約も可能です。予約の際、不動産会社に行く日にちと時間帯・売却予定の不動産の情報などを事前に伝えておくべきです。不動産会社はアポイントの時間帯までに、売却予定の不動産情報や査定の準備などを整えてくれて、相談の時間をスムーズに過ごせるでしょう。

また、不動産会社への訪問は平日の午前中がおすすめです。土日や平日夕方以降は来店客が多く混雑するため、じっくりと相談しにくい場合があります。平日の都合がつかない場合は、土曜日の午前中を選ぶとよいでしょう。ただし、水曜日を定休日とする会社が多いので注意してください。

・不動産会社の店頭の貼り紙に気をつける

「激安!」「お求めの物件は全てあります!」など、過剰な宣伝をする広告や貼り紙がある不動産会社は避けましょう。過剰な宣伝をする会社は利益至上主義である場合が多く、不当な情報操作をする可能性があります。宅地建物取引業法第32条には「誇大広告等の禁止」と定められています。

国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」より引用)

以下のような用語が記載されている不動産会社には注意が必要です。

  • 完全、完ぺき、絶対など100%をほのめかす用語
  • 日本一、抜群、当社のみ、特選、厳選など限定させるような用語
  • 最高、格安など消費者の購買意欲を煽る用語
  • 完売など著しく人気が高く、売行きがよいことを意味する用語

・似た条件の不動産の取引実績を確認する

売却予定の不動産と似た案件を、過去に取り扱ったことがあるかを聞いてみるべきです。やはり、経験に勝るものはないでしょう。また、売却予定の不動産と似た案件が「過去にどのような査定額で実際の売却価格はいくらであったのか」「どのような売却方法でどのくらいの期間を要したのか」実績を紹介してもらうとよいでしょう。それによって、売却の見通しや計画が立てやすくなります。

・売却希望時期を不動産会社に伝えておく

不動産会社の担当者には、売却を希望するおおよその時期を必ず伝えましょう。「いつかは売却したい」といった時期が不明な依頼は、どうしても後回しになってしまいます。

売却する時期が明確なお客さんの方が、不動産会社にとっても目標を明確に定めることができ、売却活動をしやすいのです。売却時期が具体的に決まっていなくても、まずは査定を依頼して相場を把握しておくことが重要です。

5. まとめ

不動産会社選びは、売却価格やスピードに直結する重要な要素です。この記事で紹介したように、どの不動産会社にも得意・不得意の分野があります。所有する不動産の売却をどのように進めていきたいか?を考えつつ、適切な会社を選択することが、スムーズに高く売れるポイントになるでしょう。

たとえば、コスモスイニシアは「住み替え」を得意としています。

担当者に実績を尋ねてみたり、Webサイトを見て傾向を調べてみたりして、自分が売りたい物件の売却を得意とする不動産会社を選んでくださいね。

2025/09時点での情報です。

※記事内で使用している写真、図等はイメージです。