【原因別】もう悩まない!マンションでの騒音・防音対策を徹底解説

【原因別】もう悩まない!マンションでの騒音・防音対策を徹底解説アイキャッチ画像

マンションに住む場合は、近隣住民の生活音が聞こえることがあります。生活音の中には、騒音と感じるほど大きな音であるケースがあり、日常的に続くとストレスが溜まります。

また、自分の家の生活音が気になり「近隣住民に騒がしいと思われていないか」と心配する方は多いでしょう。騒音は隣人・近隣トラブルに発展するリスクがあるため、家の内外から聞こえる生活音に対する防音対策が重要です。

今回の記事では、マンションにおける騒音問題について以下の内容を解説します。

  • 住宅地域における騒音の基準
  • マンションにおける生活音の大きさ
  • 騒音の原因・種類別の対策法
  • 騒音問題の少ないマンションの選び方

騒音に悩まされることなく心地よく暮らすコツを紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

1. 住宅地域における騒音の基準

住宅地域における騒音の基準は、環境省が定める「環境基準」によって定義されています。一般的な住宅地域における生活音は、昼間では55デシベル以下が基本です。また、夜間では45デシベル以下が理想とされています。

しかし、騒がしいと感じる音量や不快に感じる音の種類には個人差があります。以下のような生活音は日常的に発生しており、基準値以下であってもうるさいと感じる近隣住民がいるでしょう。

  • 動いたときに出る足音
  • 家族との会話
  • ドアを開閉する音
  • 家電の機械音

また、ペットの飼い主であれば鳴き声は気になりづらいですが、近隣住民によっては不快な音と感じる可能性があります。

2. マンションにおける騒音の大きさ

以下の図は「生活騒音」(東京都環境局、2022年11月)を参考に作成した、生活音の種類と大きさに関する表です。

日常生活音の騒音レベルについて

一般的な住宅地域における昼間の音量基準は55デシベルとされていることから、生活音の中には「騒音」と呼ばれるような音がたくさんあることが分かります。ただし、住んでいる環境や時間帯によって、騒音とされる音の聞こえ方は異なります。

例えば、賑やかな住宅街であれば昼夜問わずさまざまな音が聞こえるため、生活音は気になりにくいでしょう。一方で、閑静な住宅街では、日中窓やドアを開けたときに隣の住宅から聞こえる些細な生活音が気になるケースは多いです。

また、一般的には夜になると周囲が静かになり、昼間には気にならない小さな音が目立って聞こえます。周囲の音が気になるだけでなく、自分が出している音が近隣住民にとって耳障りに感じる場合があるため、周りの居住者に配慮しながら暮らすことが大切です。

3. マンションにおける5つの騒音の原因と対策

騒音にはさまざまな種類があり、音の特性に合わせた対策を取ることが大切です。ここでは、それぞれの騒音の原因と対策方法を解説します。

・足音

マンションの騒音問題で多くの人々を悩ませているのが、足音です。小さな子どもが住んでいる家庭では、バタバタと走り回る音やジャンプしている音が発生しやすいでしょう。

また、大人であっても歩き方によっては足音がうるさく聞こえることがあります。多くの人が寝ている深夜や早朝の時間帯に大きな足音が聞こえると、迷惑になるため注意が必要です。

足音に困ったときの対処法

集合住宅では、近隣住民の生活音が聞こえてしまうのは仕方のないことかもしれません。しかし、我慢できないほど大きな足音に悩んでいる場合は、管理会社に相談するのがおすすめです。

また、上の階の足音が気になる方は、少しでも軽減するために自分でできる対策を取りましょう。グラスウールや発砲ウレタンなど、軽量で柔らかい素材の吸音材を天井に貼り付ける方法があります。これらの吸音材は、ホームセンターやインターネット通販などで購入できます。

ただし、吸音効果は素材や室内環境によって異なるため、事前に防音性を確認してから設置するのがおすすめです。自分で天井に貼り付ける場合は、高所での作業になるため、安全に留意しましょう。

下階に足音を響かせないための防音対策

自宅からの足音が気になる方は、防音マットや防音カーペットを敷く対策がおすすめです。防音マットや防音カーペットはクッション性が高く、足が床に着くときの衝撃を吸収して音の伝達を和らげる働きをします。「防音マット+防音カーペット」のように両方とも設置すれば、より高い防音効果が期待できるでしょう。

特に、小さな子どもを持つ世帯におすすめなのは「ジョイントタイプの防音カーペット」です。ジュースをこぼしたりクレヨンや絵の具で汚したりしたときには、その部分だけ外して洗濯できます。

また、フローリングを遮音性の高い素材へリフォームすることで、下階へ響く足音の軽減が可能です。フローリングの遮音性は「L値」という数値で表され、L値が小さいほど遮音性は高くなります。多くのマンションでは、階下への配慮として「L45」より低い数値のフローリングが推奨されています。

ただし、マンションのフローリングのリフォームは、管理規約で規制されていることが一般的です。また、実際にリフォームするときには、上下階や周囲の部屋の人から承諾を得ることを条件にしている場合があります。管理規約は各マンションによって異なるため、事前に確認しましょう。

・上下左右の部屋からの生活音

上下左右の部屋から、テレビ・ステレオなどの音や大きな話し声が聞こえるケースがあります。お互いがテレビをつけるなどで音を出している状況ではそれほど気になりませんが、片方が静かな状態であればより聞こえやすく、騒音と感じる場合があるでしょう。

周囲の生活音に困ったときの対処法

周辺の部屋の音が気になるときには、壁側に家具を設置する防音対策がおすすめです。本棚やタンスなど大型の家具であれば厚みがあり、音を遮る効果が期待できます。

家具の配置を変えても音が気になる場合は、天井や壁に吸音材を貼り付ける方法があります。簡単に貼り付けられるタイプの「遮音シート」や、何枚も貼り付けていく「パネルタイプ」があり、音を遮って聞こえにくくできるでしょう。

ただし、天井や壁一面に貼り付ける場合は費用が高くなるため、事前に予算を考えて設置を検討することをおすすめします。

周囲に生活音を漏らさないための防音対策

家具の配置変更や吸音材の貼り付けは、自分の家の生活音を周囲に漏らさないための対策としても効果があります。テレビの音は壁伝いに聞こえるため、リビングの中央に置くなど壁から離して設置するのがおすすめです。

また、夜の遅い時間帯にテレビを見るときには、音量を下げるかイヤホンやヘッドホンを使用して周囲に配慮しましょう。

・家庭用機器、設備からの騒音

冷蔵庫や洗濯機などのモーター音は、小さくても気になりやすい音のひとつです。振動が床や壁を伝わって聞こえたり、機器や設備の劣化によって音が大きくなったりすることが騒音の原因とされています。

また、携帯電話を床に置いたままにして、受信やアラームの際に発する振動が下階に伝わるケースがあります。

冷蔵庫、掃除機、ドアの開閉の音に困ったときの対処法

家電のモーター音やドアの開閉音は、注意しても抑えきれないことがあります。足音や生活音が聞こえる際の対策と同様に、天井や壁に遮音シートや吸音材などを貼り付けるとよいでしょう。

各種機器や設備からの音を遮断するための防音対策

冷蔵庫や洗濯機などは、モーターが振動することで音を出します。稼働している家電と床が触れあうと、共に振動する「共振音」が発生します。

家電のモーター音を軽減するためには、振動を抑えるグッズが効果的です。冷蔵庫や洗濯機を設置するときに、床との間に「防振ゴム」や「防振シート」を敷くことでモーター音を防げます。

また、洗濯機や掃除機を使用する時間帯には注意しましょう。できるだけ日中に洗濯や掃除を行うようにすれば、騒音による近隣トラブルを避けられるでしょう。

・ペットの鳴き声や足音

ペット可のマンションの場合、動物の鳴き声や足音が騒音トラブルの原因になることがあります。特に、犬の無駄吠えや夜鳴きは、周囲にとっては騒音と捉えられやすいため注意しましょう。マンションにはペットを飼っていない方も住んでいるため、周囲への配慮が必要です。

鳴き声に困ったときの対処法

ペット可のマンションであれば「犬の鳴き声は仕方がない」と諦めている方は多いかもしれません。ときどき吠える声が聞こえる程度であれば、自宅の窓を閉めるなどして聞こえないようにできます。

しかし中には、飼い主が留守にしているときに犬が鳴き続けたり、夜鳴きがひどかったりする場合があります。あまりにも鳴き声が続く場合は管理会社に連絡して、飼い主に伝えてもらう方法がおすすめです。

鳴き声の防音対策

自分がペットを飼っている側であれば、近隣住民への配慮が必要になります。犬の吠える声や猫のうなり声などは、窓を開けているときに周囲に伝わることが多いため、窓への防音対策を行いましょう。音を吸収する防音カーテンなら、室内の音が窓から漏れることを防ぎ、夜泣き対策の効果が期待できます。

また、ペットを飼うスペースに防音マットやカーペットを敷く方法がおすすめです。敷くだけで防音できるという手軽さのほか、ペットの足腰への負担を軽減する効果があります。

最も重要な防音対策は、無駄吠えを防ぐためのしつけです。飼い主が上手くコントロールすることにより、無駄吠えによる騒音を軽減できます。

・車、電車、トラックなどのマンション外からの騒音

マンションの中だけでなく、外からの音に悩むケースもあります。立地環境によって音の大きさや聞こえてくる頻度は異なりますが、車や電車、トラックが通るときの騒音は気になりやすいでしょう。周囲の居住者が出している音ではないため、管理会社に相談しても解決には結びつきにくい問題です。

マンションの近くを通る乗り物の音は、窓の外から聞こえてきます。そのため、窓側にできる騒音対策として防音カーテンを設置するのがおすすめです。

一般的なカーテンよりも厚い生地のため、音を遮る効果があります。また、音だけでなく熱も遮るため、冷暖房費の節減効果が期待できます。外からの音をすべて遮断できるわけではありませんが、不快な騒音は軽減できるでしょう。

4. 騒音問題の起こりにくいマンションを選ぶ3つのポイント

一般的なマンションの構造としては、以下の3種類が挙げられます。

  • RC造(鉄筋コンクリート造)
  • SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)
  • S造(鉄骨造)

コンクリートは空洞がなく厚みがあるため、音を通しにくい素材として知られています。木造建築が主流である一戸建て住宅と比較すると、マンションはコンクリート構造のため、防音性が高いことが魅力です。

ただし、コンクリート構造であっても、窓から音が漏れる場合や、足音が響いて騒音問題に発展することがあるため注意しましょう。ここでは、騒音問題が起こりにくいマンションを選ぶポイントを3つ紹介します。

・静かな立地を選ぶ

静かな地域に立地するマンションを選ぶことで、外からの騒音トラブルを避けられます。地域の静かさは、マンションの新築・中古に関係なく購入前に確認できるポイントです。

「周辺に幹線道路や線路がない」「繁華街から離れている」など、静かに過ごせる場所であるかをチェックすることをおすすめします。昼夜など異なる時間帯にマンション周辺を散策したり、不動産会社に確認したりするとよいでしょう。

・角部屋や最上階を選ぶ

マンションの最上階に住めば、上からの足音が気になることはないでしょう。左右の部屋からの音を緩和したいなら、角部屋がおすすめです。隣に面している壁が少ないため、周囲から音が聞こえる機会は減ります。

・周辺の住人の状況を把握する

子どもやペットがいる家が身近にあると、周囲から音が聞こえる頻度は高くなります。また、家族が多い住戸の近くに住むと、気になる生活音は増えるでしょう。

中古マンションの場合であれば、実物見学の際に周辺に住む方の様子を確認できます。見学時の担当者に、隣や上下の部屋の居住者について「子どもが住んでいるか」「ペットを飼っているか」「家族が多いか」などの情報を聞くとよいでしょう。

5. 自分たちが騒音トラブルの原因にならないための対策

マンションは集合住宅であるため、騒音問題が起こりやすい環境です。近隣住民との友好な関係を保つために、自分たちが騒音トラブルのもとにならないよう心掛けましょう。

例えば、小さな子どもの足音が気になる方は、1階の住戸を購入すれば下階を気にせずに生活できます。その他に「夜に大きな音が出る行動は避ける」「掃除・洗濯を日中に行う」など、近隣の方々に配慮して生活しましょう。

また、ご近所付き合いは騒音トラブルを深刻化させないために重要です。お互いが顔見知りであり、挨拶をするような関係であれば、深刻なトラブルへの発展は避けられるでしょう。

  あなたならどうする? 隣人・近隣トラブルの事例と正しい対処法 近隣・騒音トラブルでよく起こる事例を紹介し、どうすれば解決できるのか?トラブルを防ぐためには住む前・購入前に何ができるのか?を解説します。現在、隣人・近隣トラブルで困っている方も、これからマンションを購入される方も参考にしてみてくださいね。 コスモスイニシアの暮らしメディア「kurashiba」

6. まとめ|マンションで暮らすなら騒音対策は重要

マンションは集合住宅であり、お互いの生活音が聞こえやすい環境です。また、音の感じ方には個人差があり、不快に感じる音量や音の種類は異なるため、近隣住民へ十分に配慮して生活しましょう。

効果的な騒音・防音対策は、音の種類によって異なります。吸音材や遮音シートなど、手軽に取り付けられる防音グッズは多いため、騒音の悩みに応じて使い分けるのがおすすめです。

近隣住民の騒音が気になる方や自分の家からの音漏れを防ぎたい人は、今回の記事で解説した対策を実施し、快適な暮らしを実現してみてはいかがでしょうか。

隣人・近隣トラブルに関してはこちら:あなたならどうする?隣人・近隣トラブルの事例と正しい対処法

※2025年4月時点での情報です。
※記事内で使用している写真、図等はイメージです。