社内公募の審査は「優劣」「合否」ではなく「推しか否か」——「役員もぬるい」と刺激した若手プレゼンの狙い

社内公募の審査は「優劣」「合否」ではなく「推しか否か」——「役員もぬるい」と刺激した若手プレゼンの狙い

2024年、創業50周年を迎えたコスモスイニシア。 これまでの歩みをふりかえり、現在地を見つめたいま、「新しいあたりまえ」をつくりだす企業になるため、コスモスイニシアは「第二の創業」に向けて動き始めました。 自分たちに必要な“変化”とはなんだろう。この大きな問いに対する答えのカギを握るのは、700人を超える従業員たちです。コスモスイニシアの未来をつくる「MIRAI (ミライ)会議~激動の 50 年、それを超える未来へ~」に、社内公募で集まった世代代表9チーム49名が未来を描きます。 プロジェクトで垣間見たのは、50年かけて育ててきた企業文化。ただ意見を「出し合う」にとどまらず、アイデアを「実行にうつす」ために世代を超えておもしろがるオトナたちの姿がありました。

PROFILE

大野 将隆/Masataka Ono

名前

大野 将隆/Masataka Ono

部署

賃貸事業部 コンテンツ運営部

コスモスイニシア歴

8年

経歴

2017年新卒入社。分譲事業部にて新築住宅の販売、人事部にて新卒/キャリア採用・研修・組織開発業務を経験し、2024年6月現部署へ異動。シェアレジデンス事業「nears」のグロース担当として働いている。

PROFILE

中村 貢三/Kozo Nakamura

名前

中村 貢三/Kozo Nakamura

部署

総務人事部門 人事部

コスモスイニシア歴

31年

経歴

栃木県出身。1991年入社。2015年退職し、2019年再入社。主なキャリアは人事、経営企画、総務。システムベンチャー管理部門への転職、研修トレーナーでのフリーランスを経て、再入社。GCDFキャリアカウンセラー、プロコーチ(CPCC)の資格を持つ。

世代別チームだからこそ、率直に言える

「MIRAI会議」に参加するメンバーは社内公募で集められ、「コスモスイニシアの組織をよりよくしたい」49名が集まりました。

大野

2018年に実施した同様の目的のイベントでは、一部の職種に限定して公募を行い、役員間のみで内容を協議・決定する形式でした。 しかし、今回は職種を限定せず全従業員対象の公募を行い、参加した従業員と役員が一緒に「当社の未来」について協議を進めていきました。

大野さんが、この「MIRAI 会議」の発案者。普段はシェアレジデンス事業とR&D部門を兼任していますが、「10年後の当社をよりよくしたい」という思いからプロジェクトを提案。集まった49名は世代ごと全 9 チームに分かれ、活動が始まりました。

大野

同世代だからこそ率直に意見交換ができるし、問題の着眼点も近い。それが世代ごとのチームにした理由です。

プロジェクトは、会社のミッションとしても掲げる「Next GOOD」の実現に向けて、いまの会社にどのような変化を起こしていくのかを議論するもの。参加者全員が目指すビジョンを固める目的で、3名の外部講師によるセミナー聴講からスタートしました。

大野

社内の現状を批判したり、不満をぶちまけるような内向きな議論になることを避け、より建設的な提案がなされることを狙いました。

このセミナーを、当プロジェクトへの参加者だけでなく、従業員は誰でも聴講可能にした点も見逃せません。

大野

ライブ配信した最終プレゼンでは、最大同時視聴が100名を超えました。

約700名の従業員に対し100名が視聴したことで、社内に大きなインパクトを与えました。

大野

『提案を本気で実現していくこと』を大事にしたかったため、審査方式にしました。

チームごとのプレゼンテーションに対し、問題提起の内容に共感したり、自身も当事者となって提案内容を実現していきたい!と判断した役員が「推し札」をあげる「審査」方式に。札を上げた役員はそのチームの担当役員となり、提案内容の実現に向けて責任をもって伴走します。

中村

役員陣を巻き込むことの難しさもありましたが、なんとか引っ張り、審査の基準や方法を共通認識化することにつとめました。

大野

提案して終わり、ではなく、その提案の実現のために担当役員が就き、経営層とともに会社をいい方向へ動かしている感覚を持つことにこだわりました。

現在では審査までが終了。「推し」札をもらったアイデアに対して協議が進められ、3月末に執行役員セッションにかけられ、もう一度プレゼン。その上で4月以降に運用という運びとなります。

若い尖ったアイデアが役員を刺激!

大野

役員から『推し』札が上がったのが、9チーム中5チーム。その内訳は、40代チームが1チーム、30代チームが2チーム、20代チームが2チームでした

参加したのは、50代以上チームが2チーム、40代チームが2チーム、30代チームが3チーム、20代チームが2チーム。ピックアップされたのは若手が圧倒的に多かったということがわかります。 9チームを『競争』させるだけでなく『共創』することにも重きを置きました。

中村

当プロジェクトでは、事前ワークなどについて一人ひとりの意見や情報を共有。オープンにしたからこそ出た意見もあって、おもしろかったですね。

審査をした役員は10名。「推し」札を上げられるのは、1チームのみ。共感するアイデアがなければ「上げない」という選択肢もありました。 結果として一番多くの「推し札」を獲得したのは、20代チームの案で、役員4名が札を上げました。しかも発表は最後。このチームの発表は、かなりインパクトがありました。

大野

『ぬるい!!』とプレゼンターが叫ぶところからはじまり……

20代社員が会社に対して感じている「ぬるい!」という気持ちを、37℃というお湯の温度にかけて表現し、キャッチーにプレゼンテーションがはじまりました。「Next GOOD」を追求する以前に、「挑戦を歓迎する文化はあるが、挑戦する文化がない」ことを指摘し、「ぬるい」状態の若手の士気を高めていこうという内容の提案でした。その提案に、役員陣の闘志にボッと火が灯りました。

中村

私が感化されたのは、30代チームの提案。『Next GOODは好きから生まれる』という主張。若手らしい、柔軟な発想でした。

A面=「本業」、B面=「本業とは別に熱量を傾けられる好きなもの」と定義。B面をA面に裏返す事業づくり、つまり、「すまう」「はたらく」だけでなく、「あそび」領域からも事業を強化できるという内容の提案でした。

中村

ほかに採用されたアイデアも、世代色が色濃く出た提案でした。

事業を3つのフェーズに分けて効果的に施策を進めるもの、30代がもっと輝ける会社にするよう提案するもの、社内上下感のコミュニケーションコストを指摘するものなど、さまざまな案が出ました。

ジャストアイデアを「次のあたりまえ」に

中村

これからは、どう実現していくかを協議するフェーズです。主管部署に落とす際の課題はたくさんあるでしょうけど……

ボトムアップで意見を吸い上げつつも、実行は役員を起点にしたトップダウン方式。そんなハイブリッド方式だからこそ、「単なるアイデアの発散」では終わらない。

中村

今回は良かったのは、審査の際に、完成度を度外視したことです。出来のよしあしを判断するのが審査ですが、今回はそうではなく、『考え』、『思い』、『課題』について、役員が『これは実現したい』と思えるかどうかを判断軸にしました。

審査基準は”優劣”でもなく、”合否”でもなく、”推しか否か”。合議ではなく、それぞれの役員が単独で決める方式に。

中村

『多くの賛成を得られたらもう新しくない』、っていうじゃないですか。だからこそ、役員からの質問や率直な意見が出やすかったのではないでしょうか。

コスモスイニシアでは、これまでにボトムアップで実施にいたった制度がいくつもあります。20代女性の声で導入された「ライフサポート休暇」、役員と社員のコミュニケーションをもっと充実させる「役員のつぶやき」などです。

大野

社長から発令されずとも『こういうことがやりたい』という人同士が集まって何かをやるのが、基本的に好きな会社なんです

一方で、新規事業の提案を募る『高木塾』や『GOOD INNOVATION AWARD』(通称:GI賞)など、社長発令の意見交換の場も。

中村

役員が社員のチカラを大事にしているのが、当社の強みです。

提案の実現に向けて、「MIRAI会議」はこれから本番を迎えます。

大野

「役員に向かって『いまの会社はぬるい!』と言うのが許される会社って、なかなかないと思うんです(笑)。一人ひとりの思いを周囲に発信しながら働いていけることこそが、コスモスイニシアらしさだと思います。通常業務においても、もっといろいろなことをおもしろがりながら働いていきたいですね。それが日常で続けば、もっと会社は盛り上がると思います。

中村

ものすごい熱量のプロジェクトでした。若手と役員の距離がとても近い会社なので、いろんなコミュニケーションパスを作っていくことで、さらにおもしろい発想が生まれる気がします

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