従業員の温度感を重視したプロジェクト
PROFILE

名前
萩尾 友樹/Tomoki Hagio
経歴
株式会社オレンジ・アンド・パートナーズ 取締役
福岡県出身。ITコンテンツベンチャー等を経て、2006年にオレンジ・アンド・パートナーズに入社。企業、地域、ホテル等、ジャンルを越えたさまざまなブランディングプロジェクトに従事。直近では大阪・関西万博シグネチャーパビリオン「EARTH MART」(テーマ事業プロデューサー:小山薫堂)の計画統括ディレクターを務める。
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名前
中村 貢三/Kozo Nakamura
経歴
総務人事部門 人事部/コスモスイニシア歴 通算31年
栃木県出身。1991年入社。2015年退職し、2019年再入社。主なキャリアは人事、経営企画、総務。システムベンチャー管理部門への転職、研修トレーナーでのフリーランスを経て、再入社。GCDFキャリアカウンセラー、プロコーチ(CPCC)の資格を持つ。
PROFILE

名前
北川 立也/Ryuya Kitagawa
経歴
経営企画部門 経営企画部 兼 経営管理本部 サステナビリティ推進室 兼 株式会社GOOD PLACE 取締役/コスモスイニシア歴 21年
東京都出身。2005年に大学院を修了し当社へ新卒入社。新築マンション営業・建設工事の施工管理(建設会社へ1年間出向)・建築監理を経て、2008年に新卒採用担当として人事部へ異動後、教育研修・労務・人事制度・組織人事など人事全般業務に10年程従事する傍らでMBAを取得。2019年に経営企画部へ異動。2022年4月から経営企画部部長として経営企画全般業務に携わる。2025年6月から株式会社GOOD PLACEへ取締役として出向。趣味はランニングと楽器演奏。一級建築士の資格を持つ。
実はこれまでこうしたプロジェクトに携わったことがなかったんです。本来の業務に上乗せした業務というネガティブなイメージがあって……正直に言うと消極的でした。
そう語りながらも、50周年プロジェクトのリーダーを務める中村の顔には、笑みがこぼれます。
事務局の立ち上げ当初から携わっている北川も、50周年プロジェクトを笑顔で振り返ります。
経営企画部部長でもあって、会社経営とプロジェクトの橋渡しをする役目でした。ただ当初から熱が入っていたかと言えば、決してそうではなくて。互いの思いを重ねあうことで徐々に熱が入っていったという感じだと思います。とにかく将来のことを考えるために、まずは一回、過去のことを掘り返すことから始めました。
そんな50周年プロジェクトチームの伴走役となったのが、株式会社オレンジ・アンド・パートナーズ。
同郷の友人がコスモスイニシアにいたのが縁で、ちょうどコスモスイニシアさんがパートナーを選んでいるところだったのもあり、プロジェクトメンバーとお話をさせていただいたのが、このプロジェクトに携わるきっかけでした。
協働の決め手となったのは、シンプルに「相性」。
やはり一緒に汗をかけるパートナーで、相性が合うことが大事だったと思います。
オレンジさんは、少しの情報を提供しただけで、踏み込んだご提案をいただけます。プロジェクトの開始当初に当社の役員全員と面談してもらい、じっくり理解していただいたことで、一緒に走ってもらえるという感覚がありましたね。
褒めていただけるなら、もっと早く言ってくださいよ!(笑) このプロジェクトを進めるに当たっては、物事をロジカルに進めることよりも、従業員の方一人ひとりの温度感、中にいる方の意思を尊重することに重きを置いていました。役員の方にインタビューして会社のDNAを受け継ぐとともに、組織作りには若手従業員に多く参加してもらいたいとお伝えしました。
若手もベテランもフラットに意見する
「50周年合宿」
両社の相性はよくても、プロジェクト開始当初から順風満帆とはいきませんでした。
立ち上げ初期、方向性について協議や調整していた頃は、なかなか意見が統合されずに苦労しましたね。
組織全体がひとつの方向に向かうことの難しさを感じました。それを解決するには、泥臭いコミュニケーションによって伝播させていくほかに近道はないとも感じました。
そのために行ったのが、通称「50周年合宿」。
それぞれのプロジェクトの各リーダーを集め、情報交換を行いながら連携したのが「合宿」です。日中に時間がとれない場合には、18時ごろから会議室にこもって、さまざまなディスカッションを重ねていきました。
さらに、節目節目では慰労会や決起会も開催しました。
一人ひとりが楽しみながら行っていったので、たとえば50周年記念ソングをつくることになったりと、想像以上の展開がありました。
みんなが当事者意識をもって取り組んでいけたと思います。後半になるにつれてさまざまなチームが派生していきました。最後は全体を把握・コントロールすることが難しいほどにそれぞれの思いや熱量があふれていましたが、そうした熱量の集合体こそがコスモスイニシアなんだと感じました。
コスモスイニシアは、ベテランの方々から若手従業員まで、フラットに意見交換ができる企業です。さらに年次に関係なく、任せるところは任せるという文化がある。このプロジェクトで意見を言い合えて信頼関係が築けたことは、若手従業員の方にとっても自信になったのではないでしょうか。
「不動産を、動かそう」は企業プライド

50周年プロジェクトの方向性を定めたエポックメイキングな企画が、スローガンの策定。そこで「不動産を、動かそう。」というインパクトあるコピーが誕生し、このコピーを使った広告がコスモスイニシアがある田町駅のほか、各メディアで展開されていきました。
最初に聞いたときに、率直にいいなと感じました。実はこれまで弊社は“不動産”を前面に出してこなかったのですが、そこを含めて、我々の思いが言葉になっていると感じました。
当社の思いや背景をくみ取って、うまく言葉に落とし込んでくれました。

そのほか従業員の手によって企画・実施されたコスモスフェスティバルなどのイベントも50周年イヤーを盛り立てました。多岐にわたったこの50周年プロジェクトは、どんな成果をもたらしたのでしょうか。
社内アンケートの結果、「当社の歴史や理念について理解することができた」という項目のポイントがアップしました。会社や事業に誇りを感じられるようになったことも大きいのではないでしょうか。コロナのあと、久しぶりにリアルな社内コミュニケーションで、それぞれが感じていることを言い合えたのも成果です。
これで何かをやり切った!という達成感というよりは、むしろじんわりと温まったな、という感覚です。プロジェクトがスタートした当初からこの活動だけで会社そのものが変わるというよりも、ひとつの変化のきっかけと捉えていまして、これはこれからも続けていくべき、絶えることのない永久運動なのだろうと思っています。
パートナー企業である萩尾さんも、「達成感が出てくるのはこれからでは」と同調します。
50周年プロジェクトで行ったことが、今後のコスモスイニシアの企業文化の熟成、従業員の方々の意識改革のきっかけになったらと思っています。

事業とブランドパーソナリティのはざまに
足掛け3年、50周年プロジェクトをつくり上げてきたからこそ見えてきた、次なるミッションは?
コスモスイニシアという会社のブランドパーソナリティと実際の事業が一致しているかが重要だと感じています。ステークホルダーの方々に「応援したい」と思ってもらえるように、まだまだやれることはあると思っています。
確かにブランドパーソナリティを実際の事業のなかで体現していくにはまだまだ工夫や努力の余地があることも感じます。それをどう実現していくのかを考えるのは難しくもあり、楽しくもあります。トップダウンの会社ではないので、われわれのやり方で社会や業界に存在感を表していきたいですね。
コスモスイニシアのこれからを語る2人だが、もちろん自身も50周年プロジェクトを楽しんでいる。
北川さんと一緒に 50周年記念ソングをつくったのは楽しかったですね。
実はその50周年記念ソングをきっかけに、昔やっていた音楽活動を再開することになったんです。次回のライブも控えていて、楽しみにしています!
