なにげない一言から始まったバンド結成
社内クラブ活動のひとつとして誕生した「COSMOSOUNDS(コスモサウンズ)」。部署や職位を超えて集まったメンバーたちは、普段の練習やライブ活動に加えて、創立50周年という記念すべき年に特別なミッションに挑戦することになりました。 わずか1か月という短い期間で記念ソングを制作するという前例のない試み。真摯に音楽と向き合い、ときに笑顔で、ときに真剣な表情で取り組んだその過程には、コスモスイニシアならではの組織文化が映し出されていました。
PROFILE
名前
酒井 健太郎
部署
企画開発本部 企画開発三部
コスモスイニシア歴
3年
経歴
岐阜県出身。大手不動産仲介会社を経て、2022年に中途入社。入社より事業用地仕入れの部署に配属され現在に至る。メイン業務以外に、DE&Iの更なる推進を目指す「ジェンダーフリープロジェクト」を推進中、またドラム歴22年の経験を活かし社内軽音楽部「COSMOSOUNDS」にてドラムを担当中。
PROFILE
名前
小倉 沙織
部署
総務人事部門 総務部
コスモスイニシア歴
3年
経歴
北海道出身。2019年弁護士登録。横浜市内の法律事務所勤務を経て2021年10月にインハウスローヤーとして中途入社。入社より法務相談、契約書審査コンプライアンス研修等、法務全般を行う。社内軽音楽部「COSMOSOUNDS」では主にキーボードを担当。
コロナ禍で一時途絶えていた社内の部活動。その再開に向けた動きのなかで生まれたのが、コスモサウンズでした。
入社後の飲み会で酒井とご一緒した際に、酒井から『社内バンドを作りたい』というお話を聞いて、『やりたいね』という話をしたのが最初です。そこから社内のコミュニティ活動でバンドを組まないかとお声がかかり、同好会のようなかたちで始まって部活へと展開していきました。
そうそう、人事主催の中途入社の懇親会みたいなので、私と小倉が会ったのがいまのきっかけで。そこでぽろっと話したことをちゃんと人事が覚えてくれていて。
さまざまな部署からメンバーは徐々に集まっていきました。ギター、ベース、ドラム、キーボードに加え、3名のボーカリストという編成です。なかでもサックス演奏は、バンドに彩りを加えることになりました。
個人的に驚いたのは、北川さん!経営企画部長で結構普通に会社ではえらい方なんですけど、サックスちょっとやってましたぐらいなことをおっしゃるんで、どんなもんかなと思ってたらめちゃくちゃうまかったんです!
大学時代にビッグバンドやってたらしく、いまでも公園で吹いてるとか。
突然の依頼、50周年記念ソング制作への挑戦
練習を重ね、全社キックオフでの演奏や定期的なライブ活動を行うようになったコスモサウンズ。そんな彼らに思いがけない依頼が舞い込みます。
50周年プロジェクトチームから突然連絡が来たんです。確認してみると、会社の50周年記念の趣意文に曲をつけてほしいという依頼でした。私一人では判断できない重要な案件だったので、すぐにバンドのメンバーに相談しました。
正直、最初は戸惑いましたね。作曲経験があるのは私だけで、他のメンバーはオリジナル曲を作ったことがない。でも会社の50周年という大切な節目ということで半ば使命感のようなものから、やってみようということになりました。
しかし、制作期間はわずか1か月。本格的な楽曲制作やレコーディングの経験がないメンバーがほとんどでした。
時間との戦いでしたが、以前音楽活動をしていた時期の人脈を活かして、プロの作曲家の方に協力をお願いすることにしました。趣意文の言葉を曲にのせるというミッションでしたから、慎重に人選を進めました。
作曲家の方には『社員全員で歌える、心に残る曲に』とお願いをしました。この曲がこれから歌い継がれていってほしいという思いを込めたんです。
普段の練習とはまったく異なる緊張感のなか、メンバーたちはレコーディングに臨みます。
20時間の思い出のレコーディング
たった4分の楽曲の収録のために費やした時間は、2日間で延べ20時間に及びました。
ドラムのセッティングから始まって、1人ひとりの演奏をていねいに録音していきました。1フレーズを20回以上録り直したかと思えば、演奏しながら『このフレーズのほうがいいかも』って新しいアイデアが生まれて、また録り直す……気づいたら20時間くらい掛かっていました。
私は初めてのレコーディング体験でした。作曲家の方のご自宅がスタジオになっているんですが、こんなにセッティングや収録に時間がかかるものなんだと驚きました。でも、ドラム、ギター、ベースと音が重なっていくたびに、デモ音源とは違う、私たちの曲ができあがっていく過程がとても感動的でした。
歌詞やメロディは、レコーディング当日まで改良が重ねられました。特に「LaLaLa」と歌う中間の部分は、メンバー全員で作り上げた思い入れの深いパートです。
歌詞は趣意文を意識しながらも語呂を合わせて、かつメッセージもしっかり伝えたい。経営企画の北川さんは特に歌詞へのこだわりが強くて。
私が別室でキーボードを録音して戻ってきたら新しい歌詞ができていて、『できたんですね!』って。ほんとうにギリギリまでいいものをつくろうと、みんなで知恵を出し合いました。
すべての録音を終え、完成した楽曲を初めて通して聴いた瞬間、スタジオは感動に包まれました。
全パートそろって聴かせてもらったとき、泣きそうになりました。みんなの思いが詰まった曲ができたんだなって……
レコーディングが終わって、まだミックスする前の段階でしたが、初めから通して聴いてみると意外にいいものができたなって。頑張ったなって。
社内バンドの音楽で心の垣根をこえていく
50周年を記念する社内イベント「コスモスフェスティバル」で、ついに楽曲が披露される日を迎えました。
後ろにいた方が『めっちゃいい曲じゃん』と呟いていたり、終わってすぐに人事の方が駆け寄ってきて『本格的にMV作りませんか?』と声をかけていただいたり。自己満足ではなく、本当によいものができたんだなと実感しました。
音楽への想いと真摯な取り組みが、確かな手応えとなって返ってきた瞬間です。
ポップな曲調にしたからか社員のお子さんが口ずさんでくれているって聞いて。世代を超えて愛される曲になったのかなって、うれしくなりました。
バンド活動を通じて、メンバーたちは予想していなかった発見もありました。それは、コスモスイニシアという会社の特徴が、音楽活動にも表れているということでした。
練習のときいつも『みんな真面目だね』って話題になりますよね。個人練習もちゃんとしてくるし、合わせも休憩なしでずっとやる。その地道な真面目さがあるからこそ、新しいことにチャレンジできる雰囲気を全社的に感じます。
普段仕事で接する機会がない人とか、接する機会があっても堅い話しかできない場合でも、音楽という共通項があることでその垣根を完全にこえられるんです。この前のライブでも、いろんな部署から人が来てくれて、その後の二次会まで盛り上がって。そういう横のつながりができるのは、ほんとうにありがたいですね。
さらなる展開について聞くと、次々と目標が飛び出してきました。
バンドが増えて、対バン形式でライブができたらおもしろそうですよね。他の会社にもバンドがあると思うので、そういう交流の場も作りたいな。
まずはApple Musicでの配信が決まっています。そして、日経新聞社の社歌コンテストにも挑戦したいと考えているんです。優勝するとカラオケ配信もできるみたいで。
コスモサウンズのメンバーたちは今日も、仕事と音楽の両立を楽しみながら、新たな一歩を踏み出そうとしています。
コピー曲の練習とは違って、曲を一から作り上げる過程をメンバーと一緒に経験したことで、より仲が深まった気がします。もともと仲はよかったんですけど、なんだか青春を取り戻したような、そんな気持ちです。音楽を通じて新しいつながりが生まれました。