大月:加藤さんが一般の方に向けて農業体験をはじめようと思われたのはどういった想いがあったんですか。
加藤:自分がつくった野菜を実際に食べられているみなさんとの交流を深めたい、という想いがはじめにありました。仕事としてスーパーマーケットなどに野菜を届けているんですが、野菜を食べていただく消費者の方との接点がなかったんです。人と人との触れあいをともにしながら、もっともっと一般の方に近い農業を考えていく必要があると思いました。あと、生産者である農家として地産地消を広めていくために何かできることはないか、という想いもそのひとつですね。
大月:農業体験はどのような様子で行われているんですか。
加藤:まずは、体験農園をきっかけに人との交流を深める場になればと考えています。参加されている方のほとんどが農業未体験、初対面の方々です。ここでは仕事の関係で仲良くなるのとは違い、野菜づくりという共通の話題や体験からコミュニケーションが広がり、自然と交流が深まっている感じがしますね。
大月:今、イニシア練馬のマンションギャラリーでも「+GREEN CLUB」に先駆けて野菜づくりに取り組んでいて、トマト用に支柱と櫓(やぐら)まで組んで育てているんです。はじめは不安でしたね。土に触れる経験と言えば、プチトマトを育てるとか、朝顔を育てるといった経験はありますが、野菜を育てるなんて小学校を卒業して以来でしたから。そういった意味で、土に触れるという体験自体が久しぶりでした。実際育ててみると普段食べているトマトを育てるのが、こんなに大変だとは思っていなかったです。でも、はじめて花が咲いたり実がなっているのを見つけたときは本当にうれしくて、自分の手で育てたからうれしさも一段と違いましたね。はじめは他のスタッフたちも野菜を育ててるらしいよ、くらいの感じだったんですが、野菜づくりを加藤さんからレクチャーしていただいたときには自ら積極的に参加していました。マンションギャラリーでの野菜づくりを通じて、スタッフみんなのコミュニケーションも深まっていった気がします。
加藤:実際に食べてみて味の方はいかがでした。
大月:はじめて食べたのがカブの間引き菜だったんですが、味が濃くて、野菜本来の味がしたんです。普段食べている野菜と同じはずなのにこんなにも味が違うのはなぜですか。
加藤:そのおいしさの違いというのは実際に野菜をつくって食べる体験であるとか、大月さんのように野菜をつくってすぐに食べるという時間としての早さだと思いますね。自分の手で愛着をもって野菜を育てる。そして、できた野菜を新鮮な状態で食べる。この2つがおいしさの秘密だと思いますし、「+GREEN CLUB」で体験していただきたいことでもありますね。
大月:実体験として感じた野菜づくりの良さを「+GREEN ?CLUB」を通じてみなさんにも伝えていければと改めて思いますね。自然の恵みを身近に実感することが、環境を大切にする気持ちにつながればよいと思います。
※上記3点の写真はイニシア練馬マンションギャラリーで栽培しているものです。
ゴーヤのグリーンカーテン(平成22年8月31日撮影)
開花時のキュウリ(平成22年8月31日撮影)
すくすく成長したキュウリ(平成22年8月31日撮影)