コスモスイニシア INITIA GREEN 環境への取り組み

トークセッションその1その2その3

環境と住宅
日本の気候に住むことが、地球環境をまもること。
難波:ヨーロッパでは特にそうなんですが、環境保護を大きな基準として仕事をしなければいけない、という状況になってきています。例えばドイツはすごく厳しくて、環境に配慮しないと、仕事がこない。最近では、アメリカもそういう状態になってきている。その点、まだ日本は本気じゃないと感じます。政策的にやらないと日本ではなかなか難しいのかもしれません。
:先生がおっしゃっている外国の事例をみても、日本人の「社会のため」という意識は薄れているのではないかと思っています。たとえば、電気料金が安くなりますとか、おトクで自分に還元できる活動に対しては抵抗感がないんですけどね。環境へのとりくみというのは、快適性だとか利便性がセットでないと、広まるのが難しいのではないかと思います。家計にもよく、かつ環境にもよいというような感じが必要だと思います。
難波:実際にそうですよね。南さんが言った通りで、コストだとか快適さにつながってくればいいんだけど、そうでないと無関心になってしまう。車なんかはわかりやすいですが、住宅ももちろん同じ目線になってきてますよね。
:木造に限らず日本の住宅はハードの性能はものすごく向上していて、新築ですきま風が吹く家はほとんどないです。家電製品でもいま、人のいるところを狙って空調したりとか、そういうすごいものが発売されたりしている。家を閉め切った中で、「何もしなくて快適」っていうことが、世の中の方向になっている面もあると思うんです。
今回、先生と環境共生住宅の開発をして、大きな吹き抜けを設けたりして、風をとりこんでいくというのと、密封度・間仕切り度が高い住宅との対比については、すごく考えさせられました。朝起きて、この時期だったらエアコンつけたりすることはあると思うんですけど、朝起きたときに家の窓を開けて外の新鮮な空気を入れる習慣ってほとんどなくなってきていますよね。
実は、地球環境について考える入り口として、本来の日本の気候の中で住む、ということが非常に大切なんだと思います。技術が発展することにより無くなってきているシーンだとか、忘れられようとしているシーンを取り戻すこと。機械に頼らない気候を上手く活用した、生活の中の快適な瞬間を取り戻していくことの方が、本当の意味で人間の五感を戻していき、それが家族の中にもいい相乗効果が出てくる。そういう可能性を先生に教えていただいたということを実感しています。
難波:結局、環境の問題を突き詰めて取り組んでいくと、ライフスタイルを変えないといけなくなってくるんですよ。家族環境も変わりますから、それを理解しないで家族の1人が勝手きままな生活をするともう大変です。そうすると環境共生型の住宅をつくっても、単に住みにくいっていうクレームがくるだけ。だからそれを理解して説明して承認してもらいたい。それがないとやはりうまくいきません。

第1回へ
第3回へ

>>ページの先頭へ