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コスモスイニシアのESGというよりesgのコト

作り方よりも、たたみ方

『館謝の会』
なにを作るかだけでなく、
どうやって壊すか/仕舞うか。
より良いものをつくるために、
建物の最後を考える。

-----向山さんには、祖師谷のお話をお伺いしたいなと思っています。まずは、ざっくり概要を教えていただけますか?

はい。分譲マンションを建てるプロジェクトで、以前そこにあった銭湯を閉めるにあたって、「館謝の会」というイベントを実施しました。「館謝の会」とは、すなわち、従業員の方や地元の方が参加できる形で建物に感謝を伝える、最後のお披露目会ですね。
大本のプロジェクト自体は、分譲マンション開発と同時に、50周年記念プロジェクトも兼ねてフラッグシップにしていきたいという方針だったんです。物件の販売戦略や商品性に長けている建築担当や分譲事業部と一緒のチームで動く中で、僕の役割は「祖師谷のプロジェクトを通じて、今後10年参照されるような問題定義をやることだろうな」と思って、広く視野を持ちながら取り組めればというところから始まりました。

-----その中で、何か大事にしていた視点はありますか?

最初はハードをどうするかを考える中で、行き詰まってしまって。例えば銭湯を残すというアイデアもあったのですが、現実的には維持管理が難しそうで。ともするとありきたりな商品になりそうな中で、着眼点を変えてみたところ、地元の方が本当に求めるものって、実はハードとは別のところにあるんじゃない?と思ったんですよね。

-----地元の人の目線に。

元々育ったのが、同じ世田谷区内でした。祖師谷は自転車で20分あれば行ける場所で、実際友達もたくさん住んでいるので、なんとなく地元の雰囲気もわかっていて。

-----実は、あの銭湯、私も通ってましたw。

そうなんですね!結構通われている人が多くて、僕も何度か行ったことがあったので、「地元にすごく大事にされているな」とか、「周辺住民から反発の声は上がらずとも、みんな悲しい気持ちはあって黙ってなくなっていくのを見届けることになるのだろうな」、とすごくリアルに感じている部分があったので。

-----その人たちに対して、できることは?と

はい。跡地にいいもの作るだけじゃなくて、「そもそも、なんでこの銭湯はなくなるのか」という話からちゃんと伝えないと、良い悪い以前に失礼だなと思ったことがスタートです。

-----実際に、「館謝の会」での来場者の反応はいかがでしたか?

来場者は、多くても100人ぐらいだろうと想定していたのですが、実際は400人ぐらいいらっしゃって。始まる2時間も前から、もう、ダーと、並んじゃって大行列で。時間がないから急げ急げと、次から次へとみんな入ってくる状態でした。

予想外の人の集まりに驚きつつ、常連さんとか、あとおばあちゃんとかが疲れちゃって、暑いから会場のすみっこに最後まで座っていたりして。それで、集まった人が帰りはじめた頃に、まだ会場に残っていた常連だった方たちが「ここはね、昔はああでこうでね」みたいな思い出話をし始めました。そのうちに、多分直接知り合いではないけれど会ったことはある人みたいな人同士で、気づけば新たなコミュニケーションが始まっていたんです。

-----いつもいるけど別にきっかけがないから喋らない人っていますよね。でもたまたま喋る機会があると、そこからまた始まる縁みたいなものがある気がします。

まさに、そういう感じです。当日は一般の方とは別で、従業員や関係者の方たちだけで集う時間も作っていて。風呂桶に寄せ書きしたり、みんなで写真を撮ったり。お年を召した方から若い方まで、普段は担当の違いとかで集まらない関係者が一堂に会して、久しぶりの再会も多くて。

-----きっと素敵な時間だったのだろうなと想像します。

確かに濃密な時間でした。まだ一回のイベントしか実現できていないですが、これを何回か継続してできると、銭湯自体はなくなっちゃったとしても、結果として新しい友達付き合いもできたよねとなるかなと。トレードオフというわけではないですが、失われただけじゃないというリアルな体感を生み出せたら、地元の人にとっていいだろうなと。

実は当初から、「館謝の会」だけで終えるのではなくて、仮囲い時に地元住民とコミュニケーションの機会を設けて、仮囲いが外れたらお披露目会をして、その後はモデルルームを現地につくって、物件が完成したら銭湯関係者内でお披露目会までしてと、ひととおりやれたらいいなと思っていました。

-----ということは、「館謝の会」はまだその一つにすぎない?

そうですね。なので、まだまだ頑張らねばという感じです。制約はいろいろありますが、全部やりきりたいですし、今後は他の物件にも広げていこうと画策しているところです。

向山 直登

建築本部統括部商品企画課<一級建築士事務所>

2018年コスモスイニシア入社。当社一級建築士事務所での設計監理業務を経て、2021年から新築分譲マンション・ホテル事業の商品企画や、グッドデザイン賞応募チームリーダーを担当。建築本部内の組織改善・ESGプロジェクト等の取り組みも幅広く推進中。

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