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2014.10.20

コスモスイニシア創業40周年記念イベント
柳家花緑 × コスモスイニシア 「すごしかた落語会」レポート

去る9月9日コスモスイニシア創業40周年記念イベント
「すごしかた落語会」を開催しました。
場所は、六本木のアクシスギャラリー。出演は柳家花緑さん。
100名を超えるお客さまを前にしての大熱演。
落語を聞くのは初めてというお客さまも多数いらっしゃいましたが、
落語の楽しさを知っていただけたことと思います。

一席目の演目は「宮戸川」。宮戸川とは隅田川のある一画の呼び名のこと。将棋にうつつを抜かして帰りが遅くなった半七。親から閉め出しをくらい、同じく閉め出しをくらったお花とともに、叔父の家に泊めてもらうことに。叔父はふたりを良い仲だと勘違いし……。

中入り後は、花緑さん、AXIS編集長・石橋勝利さん、コスモスイニシア マンション事業部の髙田綾子によるトークショー。髙田より「イニシア武蔵新城ハウス」(販売済)とそのコンセプトである「やさしいシカク」についてのご紹介。「やさしいシカク」とは、住む人のすごしかたに合った空間を、大切にする考え方。凸凹がなくて、自由で、フラットで、伸びやかな、空間づくり。シンプルで、やさしくて、あたたかい、居心地のいい住まいのカタチです。

そして、「落語に出てくる長屋はマンションのはしりではないかと思います」と花緑さん。話題は、かつての長屋の暮らしぶりとともに、現代の家族やコミュニティのあり方・くらし方へと移りました。

長屋はマンションのはしり?

花緑

落語に出てくる長屋というのは、今のマンションのはしりではないかと思います。長屋が現代に進化したのがマンションだと。建物との付き合いで現代の最先端のものがマンションだとすると、今日はその元である長屋の話を聞いていただいています。

石橋

落語から受けるイメージでは、長屋というのは、コミュニティのつながりがとても強かったんでしょうね。

花緑

長屋は、1つの長い建物があって、それを縦横に薄い壁で割ってくらしています。なんちゃっての壁があると思ってもらえればいいです。だから、ヒソヒソ話まで聞こえる。現在のマンションはそんなことはないですよね。

髙田

そうですね。普通、上の階の床と下の階の天井がコンクリートでつながっているのですが、私たちの物件では、二重床・二重天井といって、フローリングと天井が直接接しないようにして、音に配慮しています。

花緑

それはすごいですね。長屋の場合は筒抜けですから、隣近所と関わらざるを得ない。夫婦喧嘩になると、周りは皆聞いていて、『これはほっといてもいいかな』『これは止めなきゃいけない』という違いまでわかる。良い意味でも悪い意味でもコミュニティが強いんです。

石橋

そういう意味では今はマンションに限らず、町内などの人間関係そのものが希薄になっています。長屋のつきあいをそのまま現代に取り入れるのは難しいでしょうが、今のマンションも各戸ごとに完結するのではなくて、家の外や建物の外、街とゆるやかにつながるようなことができるかもしれませんね。

髙田

マンションという建物だけではなく、周囲の環境や新しいコミュニティのあり方なども、今後ご提案できればと考えています。

花緑

だんだん壁を厚くして個で生きたいと思ってきたのが、今ではシェアハウスなんていうのもありますから。新しい動きなんでしょうね。

髙田

はい、同じようなことが家の中にも言えて、家族が個々の部屋に閉じこもるのではなく、リビングを広くとり、そこで家族が一緒にすごす、というような提案をしています。プライバシーを高めた個室で用途を限定するのではなくて、もっとオープンな空間が必要とされているのではないかと私たちは考えているのです。

花緑

確かに以前のマンションって細かい部屋に区切るのが多いですよね。日本人は区切るのが好きなんですかね。うちにも客間や仏間がありました。客間といってもお客さんを通さなかったりするんだけど(笑)。

石橋

実際のところ、例えば、子供部屋をつくっても、小さいときは親と一緒に寝ていたりするので、あまり子供部屋の意味がないんです。物置きになっていたりする。だから、自由な間取りで、リビングを広くとって、そんなに頻繁な会話はなくても、同じ空間で家族がすごすというのは、ありかなと思います。

花緑

皆が集える場所というのは魅力に感じます。広い部屋を1つ持つというのは、風通しが良かったり、人の心理にも関わってきますよね。家って壁で成り立っているけれど、その壁がいかに大事かってことですよね。隣と隔てる壁だったり、空と隔てる壁だったり、そのありようによって、人は影響を受ける。だから家って面白い。少し前は核家族で、家族の絆も何となく薄れていったような感じがありましたが、また昔のような感じに戻ってきているんですかね。やはりひとりでは生きていけませんからね。落語もそうです。ふたり以上いないと会話になりません。長屋の人たちはあの中でいろんなドラマを生みましたが、それは人と人とが関わっていたから。現代の落語でも、今の暮らしを舞台に、新たな人の関わりのドラマが語られると面白いと思います。……うまくまとまりましたでしょうか(笑)。

二席目は「井戸の茶碗」。正直者のくず屋の清兵衛が、とある長屋に住む頑固者の貧乏浪人から買い取った仏像。それを気に入った細川家の若い侍が買い上げてくれたのだが、なんと仏の中から小判で50両が出てきた。さあこのお金はいったい誰のものになるのか。正直者同士が「受け取れ」「いや受け取れぬ」とやりとりを繰り返すうちに、ホロリとさせられる結末へ……。

爆笑だけでなく、ホロリともさせられる。花緑さんの熱演とともに落語の奥深さにも触れた秋の一夜でした。

ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

柳家花緑 (やなぎやかろく)

Profile

柳家花緑/1987年3月中学卒業後、祖父・故五代目柳家小さんに入門。前座名九太郎。89年9月二ツ目昇進。小緑と改名。94年戦後最年少の22歳で真打昇進。柳家花緑と改名する。古典落語はもとより、新作落語にも意欲的に取り組んでいる。着物と座布団という古典落語の伝統を守りつつも、近年では新作落語を洋服と椅子という現代スタイルで口演する同時代落語にも挑戦し、落語の新しい未来を切り拓く旗手として注目の存在である。他ジャンルからのオファーも多く、番組の司会やナビゲーター・俳優としても活躍中。