工事現場の目隠しにヘラルボニー契約作家のアート作品を起用「工事の過程にも価値を」

工事現場の目隠しにヘラルボニー契約作家のアート作品を起用「工事の過程にも価値を」

工事現場の白い仮囲いは、街の景観を一時的に損なう存在となりがちです。とりわけ複数の建設現場が並ぶエリアでは、殺風景な景色が街の印象を大きく左右することに。そんな仮囲いの可能性に着目し、新しい価値を見出そうとする取り組みが始まっています。 ソリューション事業部の黒田理紗さんが立ち上げたのは、仮囲いをアートで彩るプロジェクト。個人的に魅力を感じていたクリエイティブカンパニー「HERALBONY(ヘラルボニー)」とのコラボレーションにより、仮囲いを鮮やかな表現の場へと変えていきます。「工事期間中も、その場所に価値を生み出せるはず」という言葉には、前職での経験と、新しい街づくりへの情熱が込められていました。

PROFILE

黒田 理紗/Risa Kuroda

名前

黒田 理紗/Risa Kuroda

部署

ソリューション事業部 投資用不動産推進部

コスモスイニシア歴

3年

経歴

長野県出身。 新卒で学生マンション運営会社に入社し、首都圏・東北エリアでの勤務を経て2022年キャリア入社。 入社後はソリューション事業部にて投資用不動産の商品化・期中管理を担当。 現在は猫を飼っている方向け等、コンセプト賃貸に興味あり。

"好き"でつながるキャリア

すべては前職で送別品としてもらったハンカチとの出会いから始まりました。

前職で岩手県の開発案件を担当していた際、建設会社の方から「東京だと今、これがとても注目されているんですよ」とヘラルボニーさんのハンカチをいただいたんです。カラフルで個性的なデザインに魅了されて、ずっと印象に残っていました。

その後、コスモスイニシアに転職。賃貸マンションの開発に携わるなか、ある課題に直面します。東京都台東区三ノ輪エリアで4棟の開発計画を進めるにあたり、建設期間中の白い仮囲いが街の景観に与える影響が気になっていました。

三ノ輪は歴史と下町文化のある趣深いエリアです。この場所の景観を一時的にでも損ねてしまうのは避けたい。 なにか新しい形での解決策がないだろうか。そう考えたとき真っ先に思い浮かんだのが、かつて出会ったヘラルボニーの鮮やかなデザインでした。

前職でお世話になった建設会社を通じてヘラルボニーに相談を持ちかけると、担当者から積極的な提案が。

本当に前向きにいろいろとご提案くださって。私たちの事業だけでなく、ホームページまで読み込んでくださり、「こんなことができますよ」と具体的なアイデアまでいただきました

企画から実現まで。若手キャリア社員の挑戦

社内での企画提案では、プロジェクトメンバーや建築部門の方々が一緒になって考えてくださり、どのような作品が三ノ輪のまち、当社の物件にふさわしいか、工事現場の状況を踏まえた具体的なアドバイスをいただけたのが、とても心強かったです。

実は黒田さん、このプロジェクトが企画から実現まで関わった初めての取り組みでした。

最初は何をするかというところから、取り組みの実施に向けた社内承認を得るための準備や説明の仕方、広報関係にいたるまで、本当に学びが多かったです。

そんな手探りの挑戦のなかで、強く共感したのがヘラルボニーの担当者の言葉でした。

「いま私たちがやっていることが特別ではなく、あたりまえになることを目指して活動している」という言葉は、不動産開発を通じて新しい価値を創造しようとするコスモスイニシアの考え方とも重なり合いました。

アートでまちづくりの過程に価値を

2024年9月、三ノ輪の建設現場に鮮やかな色彩が登場します。ヘラルボニーから提案された6名の契約アーティストの作品のなかから、衣笠泰介さんの作品を選定しました。

それぞれの作家さんに個性があって、どの作品も魅力的でした。そのなかで衣笠泰介さんの作品を選ばせていただいたのは、鮮やかな色彩に惹かれたことに加え、個性あふれる作風に当社の社風との共通点を感じたからです。

作家・衣笠泰介氏との出会いは、プロジェクトに新たな展開をもたらします。

衣笠さんのお母さまが壁一面に貼ったコスモグラシアの画像や企画書を見て、すぐに色鉛筆を手にして、10分ほどで構図とスケッチを一気に描き上げられたとおっしゃっていて驚きました。夢と未来の街の風景を、鮮やかな色彩で表現していただき、私たちの想いを見事に形にしていただけました。

コスモスイニシアの賃貸マンションは、どちらかというと落ち着いた高級感のあるデザインが特徴です。そんな従来のイメージとはあえて異なる鮮やかな表現方法を選んだ背景には、新たな挑戦への想いが込められています。

まずは自分たちのことを知ってもらいたくて、目を引く作品の先に、作品と異なる印象の物件が建つ。このギャップがおもしろいと感じたんです。

2026年まで続くこのプロジェクトは、第1弾の「コスモグラシア三ノ輪スクエア」を皮切りに、計4棟の建設現場で展開予定。

現場ごとに違う作品を展開することで、まるでアートギャラリーのようにまちを歩いて楽しんでいただけたら。そして竣工後は、仮囲いをアップサイクルしてエントランスに展示する計画も進行中です。一時的な取り組みとして廃棄するのではなく 、まちに残る価値を生み出したい。そんな思いを込めています。それぞれの建物のエントランスで作品の新しい魅力を発見していただける。そんなまちの物語を作っていきたいですね。

異業界との出会いが広げた可能性

プロジェクトの立ち上げから実現まで初めて経験することばかりでしたが、これまでのキャリアで培った経験が活きる場面もありました。

新卒から4年間、学生マンションのサブリース受託営業と期中管理を担当していました。施主や建設会社、デザイナーとともに限られた条件のなかで、どのような特徴を物件に持たせるか。その経験が、今回のプロジェクトでも活きていると感じています。

異業界との協業は、新たな視点との出会いの機会となりました。

これまでは不動産業界のなかだけで物事を考えがちでしたが、ヘラルボニーさんの「当たり前」を変えていこうとする姿勢には、多くの学びがありました。

このプロジェクトは、不動産開発における新たな可能性も示唆しています。

建設現場はどうしてもマイナスのイメージを持たれがちですが、まちづくりの過程そのものを魅力的なものに変えていける。そんな可能性を感じています。

実際、プロジェクトの評判は社内で広がりを見せています。

プロジェクトに関わった人や取り組みを知った人がヘラルボニーやアート、障害を持った方への親しみや興味関心を持つようになったことが一番うれしかったです。ほかの部署からも「うちでやってみたい」という声をいただくようになりました。

そしていま、次なる展開へ向けた準備も始まっています。

竣工時には近隣住民の方々も招いて、アップサイクルしたアートパネルと物件のお披露目会を開催したいと考えています。このプロジェクトを通じて、コスモスイニシアの賃貸マンションブランドの存在や、私たちのまちづくりの想いをもっと多くの方に知っていただくことが私の次の目標です。

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