災害時に「備蓄だけでは限界」ではじめた<br>「防災の取り組み」。<br>マンション住人に本当に必要なものの備え方

災害時に「備蓄だけでは限界」ではじめた
「防災の取り組み」。
マンション住人に本当に必要なものの備え方

日本は災害大国だと言われています。いつかきたる災害に備え、コスモスイニシアは不動産会社としてできることを提案しています。 そのひとつが、首都圏新築分譲マンション「イニシア(INITIA)」における防災の取り組み。取り組み始めたきっかけや具体的な活動、そして今後の課題について、担当者の田脇にお話を聞くなかで飛び出したのが、「防災ヨガ」という聞きなれない単語。果たしてヨガと防災の関係とは?

PROFILE

田脇 みさき/Misaki Tawaki

名前

田脇 みさき/Misaki Tawaki

部署

レジデンシャル本部 分譲事業部 販売部一課

コスモスイニシア歴

10年

経歴

千葉県出身。新卒で証券リテール営業を経て、2016年にコスモスイニシアに中途入社。入社より分譲事業部一筋、営業・物件責任者として10以上のプロジェクトを経験する。総合ギャラリーの立ち上げから関わり、現在も「住まいの総合ギャラリーイニシアラウンジ三田」を担当。FP2級技能士、全米ヨガアライアンスRYT200、防災士などの資格を持つ。

防災セミナーで受けた衝撃、
取り組みのきっかけ

すでに一度実施していて。次も防災ヨガ、やりたいなと思っています。

そう語るのは、コスモスイニシアの首都圏新築分譲マンション「イニシア」で防災の取り組みを行っている田脇。聞きなれない「防災ヨガ」の前に、コスモスイニシアと田脇が防災の取り組みを始めたきっかけについて聞きました。

私が日暮里のプロジェクトで販売責任者を務めていたとき、マンションの立地がハザードマップ上で赤く示されるエリアだったことから、災害リスクが高いからと購入を見送るお客さまがいました。そこから、せっかく本物件の想いのこもった空間設計を、災害リスクで諦めるようなことはしてほしくないと考えるようになりました。

それより以前に、個人的な気づきもありました。

2018年頃に社内で開催された防災セミナーは衝撃的でした。阪神・淡路大震災では旧耐震基準で造られた建物が次々と倒壊し、多くの方がその下敷きとなって亡くなられましたが、「現在の耐震基準で建築されたマンションは構造的に頑丈。だからこそ自宅避難が基本になる」「ただし避難物資は行政指定の避難所に届き、マンションの住民はそこへ取りに行かなくてはならない」「地域との連携がないと物資を受け取れない場合もある」といった話を聞いたとき、マンションだからこそ、自助や共助の重要性を痛感したんです。 そのセミナーを受けた直後に、お店に行って防災用品を買い揃えたほどです。

防災は日常的な意識が重要ですが、実際には「明日やればいい」と先送りされがちなことに気づき、コスモスイニシアの「すごしかたファースト」という単に間数や広さでなくすごしかたから考える、という概念のもと、田脇は防災の取り組みを始めました。

一方的な情報提供ではなく、共助の基盤を

防災の取り組みの一環としてはまず、ご契約者さま向けに「防災セミナー」を開催しています。とくにお引渡し前の段階で行うことで、住み始める前から防災意識を高めていただく狙いがあります。一方的に情報を提供するのではなく、住民同士のつながりをつくってもらえるように気をつけていて、共助の基盤を築くことが大切だと思っています。

セミナー後には懇親イベントを行い、住民同士が顔を合わせる場を提供しています。

お引渡し後マンションごとの「防災マニュアル」をつくる活動も行っています。単なる冊子として配るのではなく、住民参加型の「マニュアル作成会議」を6回に分けて実施して、住民のみなさん自らが必要な情報を整理し、具体的な防災対策を考える仕組みにしています。

また、備蓄品の提供にも力を入れています。マンション内には防災備蓄倉庫を設け、蓄電池や災害対策本部の設営に必要な無線機などを完備。

防災備蓄倉庫には、ご入居者さまがご自身で揃えることのできるものではなく災害対策本部の設営に必要なものを優先しています。代わりに住人のみなさんには、それぞれで備えていただくための啓蒙活動を行っています。ラジオや備蓄食などが入ったオリジナルの防災グッズもお配りしていて、日常的に使えるデザインにすることで、備えを習慣化できるように工夫しています。

住民の意識の変化とこれからの課題

防災の取り組みを進めるなかで、住民の意識の変化を感じることはありますか?

あるマンションでは、住居者から「海外から来られた住民が多いので、マニュアルを多言語化してみては」という提案がありました。また、住民同士が自主的に共用ラウンジでのイベントを開催するなど、地域コミュニティの形成につながる動きも生まれています。

一方で課題も感じているといいます。

例えばイベントや会議への参加率をどう上げるか、個人情報の取り扱いをどうするかといった点を解消するために、いま、オンラインツールの活用をトライアルしています。デジタル化して日常的な関わりを生むことで、いざという時に助け合える関係が築けるのではと考えて取り組みを進めています。

「防災ヨガ」と防災意識を高める環境づくりがもたらすもの

実は私、ヨガインストラクターの資格を持っているんです。

同僚と一緒にインストラクターの資格をとったというエピソードからも、コスモスイニシアの垣根のない社風がうかがえます。

災害時には、直接的な被害よりもストレスや体調不良による二次被害が増えています。ヨガを通じて、そうした課題にもアプローチできるのではと考えています。

田脇が以前実施したのは「防災ヨガ」。ヨガを知っていれば、なにかあったときでも心を落ち着かせ、体をケアできることも考慮していました。

趣味と実益を兼ねて、ですね。「心身をケアする方法がある」と知ることで、被災したときのストレスが軽減されたらと思っています。ヨガはマット1枚、それこそ避難所でも行えます。「防災ヨガ」はこれからも提案していきたいですね。

目指す未来は、より多くの人に防災の重要性を伝え、コミュニティのなかで自然に意識が醸成される環境づくり。取り組みの質を高め、より深く定着させることを目指していると田脇は語ります。

イニシアは、単なる住居の提供だけではありません。防災を含めた共助の基盤をつくり、「このマンションに住んでよかった」「この街に暮らしてよかった」と思える価値を提供していきたいですね。それを続けることがコスモスイニシアというディベロッパーとしての使命だと考えています。

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