好みの服から見つける、自分らしい住まい
PROFILE
名前
好村 有平/Yuhei Yoshimura
経歴
株式会社アダストリア
ビジネスプロデュース部 プロデュースUnit
千葉県出身。インテリアのSPA企業から2018年に中途入社。入社以来BtoB事業を推進し、2021年にBtoBを専門とする「アダストリア・ライフスタイルクリエイション(ALC)」を立ち上げ、衣食住全般のプロデュース事業を推進。特に不動産にかかわるプロデュースに多く関わる。2025年よりBtoB事業を「株式会社アンドエスティ」に移管。
PROFILE
名前
前島 朋/Tomo Maeshima
部署
企画開発本部 都市開発部(取材当時の部署:分譲事業部 事業推進部)
コスモスイニシア歴
15年
経歴
大阪府出身。2011年に中途入社。新築分譲戸建・マンションの販売におけるプロジェクトマネージャーを長年担当。間に産休を挟み、育児しながらの現場復帰。2022年から分譲事業部事業推進部にてマーケティング・プロモーションを担当。2025年4月から土地の仕入れを行う企画開発本部都市開発部都市開発課へ異動。
PROFILE
名前
田中 有瑳/Arisa Tanaka
部署
分譲事業部 事業推進部
コスモスイニシア歴
5年
経歴
岩手県出身。2021年に新卒入社。首都圏新築分譲マンションの販売・インサイドセールスを担当したのち、2024年からマーケティング・プロモーションを担当。
2014年から新築分譲マンションブランド「INITIA(イニシア)」にて展開している「ホームデコレーションサービス」は、マンション専有部内の壁面色や素材を、インテリアデコレーターがコーディネートした数種類のインテリアテイストから選ぶことができるというセットアップ型の空間設計サービスです。オプションサービスではなく、標準採用している物件もあります。
素敵な内装の部屋で暮らしたいというご希望がありますが、注文住宅ならまだしも、新築分譲マンションにおいて実際にお客さまがご自身で入居後にそういった内装にするのはなかなか難しい。だからこそ、画一的な内装ではなく、お客さまの理想の空間をサポートするサービスはとても価値があるのではないかと思うんです。
しかし、インテリアの世界観に触れる経験はほとんどのお客さまにとってよくあることではないため、プロがセレクトしてセットアップした8種のテイストから選ぶこと自体も、実は難易度が高いかもしれないという課題感も。
内装を選んだり、もっというと住まい選びをする経験は人生でそうあるものではないし、大きな金額も発生するので、どうしてもハードルが高いんですよね。一方で洋服選びは、子どものころから繰り返しているから身近です。そこに着目しました。
今回のコラボレーションは、「イニシア」の4物件を対象に展開。ホームデコレーションサービスにおける8つのテイストを設定し、世界観が近いブランドの洋服を着たモデルとシチュエーションで表現します。
8種類のテイストが身近なファッションで表現されていれば、自分に合ったものが選びやすく、手軽におしゃれな部屋が実現できます。
各テイストにマッチするブランドの洋服を着用しているだけでなく、シーンも含めてライフスタイルや暮らしぶりが想起できるように、撮影では細かい部分も都度チェックしながら世界観をつくりました。
企画段階では住む人のペルソナを細かく設定しマトリックスに落とし込み、それをもとに暮らしぶりをビジュアライズ。内装を見るだけではピンとこなかった人も、ビジュアルを見るとイメージがわき、「こんな暮らしがしたい」と、自分の求めるライフスタイルが見えてきます。
日常ではなく、「憧れ」を表現できるビジュアルにこだわりました。こんな暮らしをしたいな、と思いながらする家選び、ワクワクしますよね。
内装の嗜好から、
新しいファッションとの出合いも
「衣と住は近いところにある」と考える前島は、これまでも「マンション×アパレル」の企画提案を試みたことがあったといいます。
住まいやインテリアを選ぶハードルは高いからこそ、洋服からアプローチするという発想でそのハードルが下がると思いました。
ただ、コラボレーションをするにあたり、難しい点も多々ありました。
モデルさんの選定やシーンの設定に、アダストリアさんから提供いただく衣装がマッチしているのかどうか、どのブランドの衣装が近いのか遠いのか……定義するのが難しかったです。
自社ブランドで監修した住宅をリリースするなど、不動産業界とのコラボレーションを積極的に行うアダストリア。今回、当プロジェクトを担当した同社の好村さんはこう語ります。
ファッションは、着る人の指向を表現しやすいものです。住まいもその延長線ではあるものの、自分で内装まで含めて全部しつらえる経験は、一生のなかでも数えるほどしかないところに難しさがあるんですよね。
さらに今回のコラボレーションでは、自社ブランドで一から監修するのとは違い、すでにある「ホームデコレーション」とマッチングさせる作業。これがなかなか、大変だったそうです。
オーダーメイドではない分、どこまで表現できるかが課題でした。既存のファッションブランドと既存のインテリアテイストを掛け合わせるわけですから、合致しない部分も出てきますが、コスモスイニシアさんがかなりうちのブランドを研究してくださいました。 運営側に携わっているとユーザー目線から遠のく部分があったのですが、自社ブランドへの新しい気づきもあっておもしろかったです。
1つのブランドにおいても、多様なテイストがあります。そのうえで「ブランドコンセプト」を軸に内装とつなげて表現したといいます。
ホームデコレーションで、うちのブランドを初めて知ってくださる方もいるのではないかと思います。それでファンになってくださったら、うれしいです。
当サービスの特設HP(https://www.cigr.co.jp/pj/homedeco/)では、コーディネート提案も。アダストリアではインテリア雑貨なども扱うため、当サービスを新しい顧客とのタッチポイントに、ターゲットの裾野がさらに広がります。
「内装にこだわる」をより身近に、より手軽に
とはいえ、服装の嗜好と住まいの嗜好がリンクしないこともありますが、どのようにコラボレーションに落とし込んだのでしょうか。
好きな服を着たい、という動機と同じく、好きな雰囲気に囲まれて暮らしたい、という動機は、少なからず誰もが持っていると思います。ファッションはこっちが好きだけど、インテリアはこっち、というのももちろんアリです。インテリアの嗜好性から「こんなファッションもいいかも」という気づきが生まれるのも楽しいですよね。
これから住む家の内装を選ぶのって、本当は楽しいことなのにわからないことが多すぎて、途中でちょっと苦しくなっちゃったりしませんか。だからこそより身近な「ファッション」が、案内する指標となるはず。
ファッションとインテリアの好みがリンクしなくても、直感で選びやすくなる。それが、今回のコラボレーションの目的です。
洋服とは違い内装の場合は、なにが自分らしいのか、どんなものが居心地いいのかが、わかりにくい。リンクしなくてもいいんです。顕在的・潜在的な「内装にもこだわりたい」というニーズにマッチするサービスだと思います。
内装を楽しく選んで、新しい生活に向けてポジティブな気持ちをたくさん生み出せるといいですね。
コスモスイニシアではさまざまな異業種コラボレーションの事例がありますが、アパレル業界とのコラボレーションは、めずらしいそうです。
規模が大きい不動産では、ユーザーにわかりやすく伝えることが難しい。今回のコラボレーションでは、身近なファッションに落とし込んだことで明確化できました。これからのお客さまの反応が楽しみです!
「好きなファッションから内装を選ぶ」という、いままでなかったサービスは、お客さまにとっても気づきがあり、価値になっていくと感じています。