今も昔も変わらないこととは
PROFILE
名前
髙智 亮大朗/Ryotaro Takachi
部署
代表取締役社長 社長執行役員
コスモスイニシア歴
35年
経歴
1990年リクルートコスモス(当社)に新卒入社。入社時は経理部システム課に配属。まもなくバブル経済が崩壊。中古不動産や収益不動産の売買等の事業部門へ異動し、新しい事業の立ち上げなども担当。その後も2008年のリーマンショックによる経営危機を乗り越え、新築分譲マンションメインの事業構造からの脱却を目指し新規事業提案部署を立ち上げる。2015年執行役員、2019年取締役、2020年10月から代表取締役社長執行役員。 愛媛県出身。趣味は釣り。二級小型船舶操縦士免許を持つ。
コスモスイニシアは創業から50年を迎えました。これまで時代とともにさまざまな変革を遂げてきた一方で、変わらないものもきっとあるはずです。まずは髙智に「創業時から変わらないもの」を挙げてもらいました。
『信じあえる素敵な仲間』『新しいことへ挑戦する精神』『成長への意欲』ですね。どの時代でも、コスモスイニシアには社員一人ひとりが前向きに努力し、共に未来を創造する文化が根付いています。
とりわけ「仲間」については、会社の価値観に共感する人を採用し、切磋琢磨するなかで、自然と「コスモスイニシア文化」は継承されてきました。 また、新しいことへの挑戦については、個人に任せるだけではなく、会社としてもさまざまな提案の場をつくっています。業務改善提案やESG経営の一環とした次世代をテーマにした取り組み等、新規事業に限らず、自分たちにとって社会にとってよりよくなると考えられるさまざまな提案ができる場を設けています。これらによって社員も新たな提案を考える機会が自然と生まれ、またその提案をするためにさまざまなことを学ぶといった成長への意欲も育まれているのです。 社員それぞれが働き甲斐を感じ、イキイキとしていることは、時代が変わっても、今も昔も変わっていません。 「仲間」を大事にする文化を象徴することのひとつが、退職する社員へのはなむけ。
私たちは退職することを卒業と言っておりますが、卒業する社員に対して、みんなで応援の寄せ書きをして送り出しています。これは決まりではなく文化として根付いているもので、みんなが自然にやっていることなんです。
なかには競合する会社への転職もありますが、それでも温かく送り出しています。これまでの活躍に感謝する気持ちがありますし、次のチャレンジに向かう人が増えることは、社外においてまた新たな仲間が増えることにもつながります。
卒業する人もこれまでお世話になった人たちへ感謝の気持ちとともに、“卒業後”の連絡先を全社員宛にメールで送ってくれる人がほとんどです。
また、退職後に復職できる制度を導入。実際に多くの社員がこの制度を活用しています。
昔から復職する社員はそれなりにいたのですが、制度化したのは2年前くらいです。退職後5年以内なら無条件で復職することができ、退職時と同じ役職も約束しています。人材不足への対応という側面もありますが、それ以上に“帰ってきたい会社”と思ってもらえることが大切だと思っています。
人とのつながりを大切にするコスモスイニシアの文化は、50周年記念プロジェクトの一環として行われたOB・OG感謝の集いにも表れました。
東京で約600人、関西で約250人ものOB・OGが参加してくれました。20年、30年ぶりに再会した人でも、まるで昨日まで一緒に働いていたかのような雰囲気だったことが印象深かったですね。ありがとう、と感謝の気持ちを口にして、満足して帰っていく。この雰囲気、つながりこそがコスモスイニシアの魅力だと思います。
信頼できる仲間とともに一緒に働き、自分たちも働き甲斐を感じて楽しく仕事に取り組めているからこそ、お客さまにとっての幸せも生み出せるのです。
激動の時代から紡ぐ思い“ここで負けるのは悔しい”
一方で、時代とともに大きく変化したのが 事業ポートフォリオです。
かつては新築マンション分譲事業が主力でしたが、現在はリノベーション事業や収益物件の開発・仲介・賃貸管理等の事業、宿泊事業など、多角化しています。とくに宿泊事業は、会社の成長を支える事業のひとつになりました。
その背景には、この50年、不動産業界の変動とともに会社も激動の時期を経てきたことがあります。
コスモスイニシアは平成バブルの時代に急成長し、バブル経済崩壊とともに経営危機に直面しました。デフレ基調のなかでマンション分譲に特化して復調しましたが、リクルートからの独立後、リーマンショックで再び苦境に立たされました。結果、事業再生ADR手続きを経て復活を果たしましたが、その時に新築マンション一本だけではなく、私たちの強みを生かしたさまざまな事業に取り組むことが必要であると考えました。 また、2013年には大和ハウスグループの一員として新たなスタートを切ることになりましたが、グループの一員になったことによるシナジー効果も大きなものがありました。
リーマンショック時の苦労は、自身の記憶に深く刻まれているといいます。
当時、人員整理のため半分以上の社員が去り、残った社員も収入が半減しました。その当時は私自身、住宅ローンの借り換えすらできなかったことがあり、愕然としましたね。それでも『ここで負けるのは悔しい』という思いで踏ん張った社員が多かった。私たちは逆境のときにも力を発揮することができる会社だと感じました。
だからこそ、その時代を知らない若手社員に接するとき、気を付けていることがあります。
社会全体の傾向として、若い世代は礼儀正しくなったように感じる反面、昔のような新しいことへ恐れず突き進む勢いが薄れてきているように思います。だから当社は、“出る杭は打たない”。新しいことに挑戦する文化を大切にしています。
50周年プロジェクト、社長の心を動かしたもの
50年の歴史の節目に、コスモスイニシアはプロジェクトチームを立ち上げて数多くの試みに挑戦しました。髙智自身も企画にかかわり、主催者代表として各種イベントに出演しました。
お取引先の皆さまをお招きした”謝恩の集い”が大盛況だったこと、OB・OGのみなさんとの感謝の集いに多くの方々が集まり感謝と応援の言葉をいただいたこと、そしてコスモスフェスティバルでの社員とその家族との交流が深まったことが心に残っています。
コスモスフェスティバルでの社長発案のユニークな企画は大好評でした。
家族みんなで楽しんでもらえるように、マグロ解体ショーを実施しました。私自身、愛媛県の出身で、釣りも魚も大好き。マグロ解体ショーはぜひやってみたいと思っていました。当日は大いに盛り上がって、事後のアンケートでも『楽しかった』という声をもらえて、本当にうれしかったです。
社内では、「50周年を機会に、コスモスイニシアの未来はみんなで考えたいんだ、もっとい良い会社にしたいんだ」という思いのもとに「MIRAI会議」を開催しました。「自分もこれからの会社の未来のことを提案したい!」と参加表明した社員による9つのグループからさまざまな提案があり、その提案に賛同した執行役員とともに推進策を練り実行に移していこうとしています。
こういったさまざまな取り組みを通じて、社員一人ひとりの会社への理解が深まったように感じています。とくに若い社員は会社の歴史に触れられる良い機会だったのではないでしょうか。これからのモチベーション向上につながるとうれしいです。
これからの50年、いま必要な改革は
次の50年に向けて、髙智はさらなる変革が必要だと感じています。
新しい住まい方、働き方、遊び方を創造し続けていきたいと思っています。『新しい暮らし方提案企業』として、業界ナンバーワンになることを目指します。
そのためにいま必要なのは、DXの推進と人への投資を強化すること。
DXを進めることで、顧客体験を変えるようなイノベーションを起こしていきたいと思っています。また社員の学びやチャレンジの機会も増やしたい。給与や待遇面の改善も進めていきます。
これまで支えてくれたお客さま、取引先、社員に感謝し、未来を見据えます。
都市生活をもっと安全で、もっと楽しくするために、これからもたくさんのNext GOOD創造に邁進していきたいです。 やっぱり、新しいことに挑戦してワクワクしていたいですよね。会社は人生の多くの時間を過ごす場所だから、楽しく仕事をできる場にしていきたい。明日会社に行くのが嫌だなと思うより、明日はこんな楽しみがあると感じてもらえるような会社でありたいと思っています。