これまでマンションの内装材には、あまり用いられていなかった国産材。コスモスイニシアでは、この分野において研究を行い、国産材がお客様にとってより身近なものとなり、その使い心地の気持ちよさをお伝えするための模索を続けてきました。林野庁との共同開発のもと、国産無垢材の商品開発をしてきたその成果が、この度の新たな商品の誕生により、次のステップへと進もうとしています。
これまで国産材の製品化に向けて、共同開発により誕生した3つの内装材をご紹介します。
1つ目は「床材」です。「割れる・反る」といった不安を軽減するための素材選び、加工、適切なコーティングといった木材開発にはじまり、ワークショップなどを通じて無垢材の良さや日々のつきあい方のレクチャーをお伝えする場を設けてきました。また、実際のマンションの一室に床材を設置して木材の含水率を計測するといった、数々の品質実験を重ね、ヒノキの国産無垢材を活用したフローリングの実用化にこぎつけました。
2つ目は「壁材」です。国産スギを使用した本製品の特徴は、国産材の味わいをそのままに、既存の工業製品の技術と組み合わせることによって、ご入居後でも簡単に取り付けできる様にした間仕切り材であることです。乾式工法と呼ばれるこの手法を用いることで、現場での組み立てと取り付けが数時間で済むため、大がかりな工事は不要。また、間仕切りの性能で課題となる居室間の湿度差による素材の反りに対して、下地の有無、縦横の貼り分けなどの検証実験を経て、マンション、戸建住宅の内装材として活用できる建材となりました。
3つ目は、エコポイント実施時に対象製品として注目された「内窓」です。最新の樹脂製内窓の技術と、上品で豊かな味わいを持つヒノキの組み合わせにより、遮音・断熱性に優れた商品として開発しました。従来の樹脂製内窓で求められる水準を十分に満たす遮音性と断熱性。これらの基本性能はもちろん、国産ヒノキの内窓は、目で見て、肌で感じて心地よく美しい製品に仕上がりました。
無垢材の気持ちよさを直接感じられる「床材」。ご入居後にも施工可能な「壁材」。そして、現在注目度の高い「内窓」。これらの新製品の開発により、住まいの主な内装材を国産材でご提案できる素材が揃いました。
[研究開発協力]




国産材の内装材ユニット模型(平成23年3月撮影)
数々の実験を経て十分な品質を得たとはいえ、工業製品と比べてすべての不安を解消できたわけではありません。しかし、うまく扱う方法、年を経るごとに増していく味わい深さ、そして何にも替えがたい気持ちの良さをお伝えすることも、大切なことと考えています。この気持ちの良い国産無垢材に触れていただく場と、住まいにこの素材をお選びいただける物件を、これからもご提供していきたいと思います。
(平成23年9月22日公開)