2021.03.29
インタビュー 内定者 建築・ものづくり 新卒入社 若手
内定者が聞く!19年連続グッドデザイン賞受賞の理由
こんにちは!コスモスイニシア内定者の黒﨑です。
現在、2021年4月入社予定の内定者として、コスモスイニシアの従業員・事業・制度についてより発信したいという思いから、学生目線で気になるトピックについてTwitterの投稿や採用ブログへの掲載を始めています。
今回はブログの第一弾として、コスモスイニシアが住宅部門でマンション業界初の19年連続受賞を成し遂げたグッドデザイン賞の、今年の受賞案件の担当者である向山直登さんにインタビューしました!
※グッドデザイン賞とは?
グッドデザイン賞とは、デザインによって暮らしや社会をよりよくしていくための活動で、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、生活を取りまくさまざまなものごとに贈られている賞です。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
――本日はよろしくお願いします!早速ですが、コスモスイニシアからは毎年どれくらいのデザイン数をグッドデザイン賞へ応募しているのでしょうか?
毎年大体6~8件を応募しています。その内、受賞するのは1~2件ぐらいでしょうか。ただ、一昨年は8件の内5件受賞しましたので、結構年によってばらつきがあります。
――そもそもグッドデザイン賞の受賞は、狙っているものなのでしょうか?
狙っています(笑)。ただ、受賞を目的としている訳ではなく、「社会的な意義のある物件をつくることができているのか」を測るための指標の1つとして用いています。
当社は「お客さまの住みやすさ」を第一としていますが、その観点に加えて、社会的な意義のある物件をつくることも大切にしているからです。
――実際、グッドデザイン賞受賞の反響はありますか?
コーポレートサイトでニュースリリースを出しているため、同じ業界の方からは「また受賞していましたね!」というお声がけをいただきますね。また、お客さま目線では、安心して購入していただけるきっかけになっていると思っています。当社は物件のコンセプトや背景にあるこだわりに共感して購入いただくお客さまも多く、グッドデザイン賞を受賞していることがその証になっているように思います。
- 向山直登(むこうやま・なおと)2018年入社。入社時から商品企画課<一級建築士事務所>に所属し、他社から受託した物件の設計監理や、グッドデザイン賞の選考応募に携わっている。
――最新の受賞物件である「イニシア横浜桜木町」についてお聞かせください。こだわった所や、推しポイントはどこでしょうか?
- 『イニシア横浜桜木町』2020年度グッドデザイン賞受賞。JR京浜東北線「桜木町」駅徒歩4分、総戸数119戸のマンション。
街とのつながりが強いところですね。このマンションは、専有部以外にも共用部にあるシェアラウンジをコワーキングスペースとして利用できるようにしています。この専有部から共用部への移動、そして街とのつながりを感じるエントランスホールのデザインにより住まいから街への緩やかなつながりを作り出しています。加えて、こちらは当社の物件がよく”売り”にしているポイントでもあるのですが、居場所を「選択」できることがポイントだと思っています。この物件では部屋を可動式の間仕切りで区切っていて、たとえば仕切りを全部開いて大きなリビングとして利用できたり、少しだけ開くと広い空間と個室、そして全部閉めて小さな個室として利用できたりと、可変性の高い間取りになっています。実際、この仕掛けが在宅ワークに適しているということから「コロナ禍を先取りした計画を実現している」ということで、グッドデザイン賞受賞の大きな理由になっています。
- 左:エントランスホール 右:シェアラウンジ
――当時新型コロナウィルスの感染拡大を予想できない状況の中で、なぜこういった先見性のある物件を考えることができたのでしょうか?
日頃から最新のキーワードやトレンドを掴もうとアンテナを張っていることが大きいと思います。様々な記事やニュースや調査記事を日々チェックして、それを社内ツールでコメントし合う習慣があります。特に政府がキーワードとして使い始めると国全体に広まる可能性が高く、そういった将来的にメジャーになるキーワードの一つとして、リモートワークに注目していました。一歩先の発想で企画を考えてきたことによって、コロナ禍で自宅などでのリモートワークが加速する状況にも対応しやすい住まいを提供することができたのだと思います。また、当社の特徴として「製販一体」という言葉があります。物件の作り手である建築部門が、実際にお住まいになったお客さまへご入居後に直接インタビューを行い、その後の物件に反映するPDCAを回しています。そういったお客さまの声を直接反映していることも、これまでグッドデザイン賞を連続で受賞できている理由の一つではないかと思います。
――物件のコンセプトはどのようなプロセスで決めるのでしょうか?
「DR」と呼ばれているデザインレビュー会議があり、建築担当が実現させたいことやアイデアを提案して、関係者全員でブレストしていきます。建築部門でコンセプトが固まってきた段階で、販売部門の担当も交えて話し合いを行い、最終的に固めていきます。
例えば最近では、その地域の風向きを調査して、風通しが良くなるように窓をつくったり、階段のうえの屋根に天窓を設けて熱を逃がすことができるようにしたり、「環境とともに生きる」というコンセプトをもとに、家の中でも自然を楽しむことができるような住まいを提案した物件もあります。
――実際構想から物件を形にするまでどれくらいの時間が必要なのですか?
物件のプランを考え始めるキックオフから早くて2年、大体2年半くらいです。加えて、グッドデザイン賞は5年後・10年後の社会のスタンダードになるものが評価されるので、7年後、10年後を想定して、プレゼン資料を作成しています。実際、先ほどの桜木町の物件ですと、2017年12月キックオフで、2020年3月にお客さまに引き渡しというスケジュールです。
――これまで受賞した建物の中で、特に印象的なものとその理由を教えてください。
個人的に印象に残っているのは、1年目に担当していた「イニシア桂大橋」ですね。1年目の4月末に物件を見にいって、グッドデザイン賞の資料を渡されて、提案を考えることになって(笑)。そこからあれよあれよという間に提出期限が近づき、周囲の助けを借りながらなんとか受賞できた思い出があります。この物件の強みは、外部空間と室内居住空間をつなぐもう一つの居住空間としての「バルコニー」があることです。奥行きが3mあるバルコニーで、リラックスしながら読書をしたり、友人とお茶を楽しんだりと室内空間のように利用していただけます。これが新しいライフスタイルを捉えた物件として特に評価してもらえたポイントでもあります。
- イニシア桂大橋のバルコニーイメージ写真
――直登さんがお考えになる、この仕事の醍醐味はなんでしょうか?
最初は、不動産や建築物という規模の大きいものを扱うこと自体が楽しいと感じていました。ただ、このグッドデザイン賞の仕事を通して、建築物だけでなく、人の暮らしそのものに対して新たな価値を提案したり、社会の常識を変えていくような仕掛けをつくったりすることが面白いと思うようになってきました。また、建築の領域は専門的で少し分かりにくいものやアイデア自体が難解なものもあります。それを一般のユーザーの人がパッと見ただけで魅力やコンセプトが分かるようにどうやって資料に落とし込んでいくか。それを追求していくのは、深みがあって面白いですね。
構想段階から約10年後の新しい住まいの在り方を考え、それを形にする。それはつまり、社会の先を見据えて、一歩先の価値を提案すること。お話を伺って、グッドデザイン賞の19年連続受賞は、正にコスモスイニシアの大切にしている「Next GOOD」の証であると強く感じました。
- 当日はZOOMでインタビューを実施しました
取材・編集
2021年卒内定者
黒﨑怜