レポート|さっぽろ駅のマンション|イニシアグラン札幌イースト【公式】

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イイことイロイロ STVラジオ

フレイル予防の鍵は人とのつながり

新型コロナ感染症の拡大により外出することが減少。特に孤立する高齢者が増えてきている昨今、ウィズコロナやアフターコロナといわれる時代をどのように過ごしていけばいいのかが課題になってきている。去る1月16日(日)、STVホール(札幌市中央区)で開催された「STVラジオ リライフ・フォーラム」で公衆衛生学・老年学が専門の村山洋史氏(東京都健康長寿医療センター研究所・研究副部長)がフレイルの影響や予防法を講演し、約400人の参加者が耳を傾けた。

東京都健康長寿医療センター研究所
研究副部長

村山 洋史 (むらやま・ひろし)氏

2009年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(保健学博士)。東京大学高齢社会総合研究機構、ミシガン大学公衆衛生大学院を経て、20年東京都健康長寿医療センター研究所・専門副部長、21年より現職。12年日本公衆衛生学会奨励賞、15年(公財)長寿科学振興財団長寿科学賞、20年日本疫学学会奨励賞など受賞歴多数。著書に「つながりと健康格差」(ポプラ社)。

TOPIC 01

フレイル予防に必要な栄養・体力・
社会参加

「フレイル」という言葉の定義は、心身の活力や生活機能などの日常生活を送るための機能が低下し、将来要介護状態になる可能性が高く、健常な人と介護が必要な人の中間の状態と考えられています。ポイントは可逆性で、適切な関わりがあれば元の状態に戻れます。健常・フレイル・要介護という3段階があり、フレイルになる一番の要因は年齢を重ねることで、フレイルを予防する、先送りすることが健康寿命の延伸につながると考えられています。

世の中にどのくらいフレイルの人がいるか我々が調査したところ、65歳以上の高齢者の8・7%がフレイルに該当し、フレイルの前駆段階であるプレフレイルの人が40・8%という結果になりました。

フレイルとメタボ、高齢期の要介護のなりやすさに関係するのはメタボではなくフレイルになります。つまり中年期は生活習慣病に対する予防が大事になってくるのでメタボ予防が大事になりますが、高齢期では生活習慣病のほか老化予防、つまりフレイルの予防が大事になります。食事は取り過ぎ注意から不足注意に変わり、タンパク質を意識的に取る必要があります。中年期では働き過ぎず休暇を取ることを勧められますが、高齢期では多くの人が退職しているので、できるだけ社会参加をお勧めします。フレイル予防には栄養・体力・社会参加が大事ですが、一つだけではなく三つとも実践することが効果的です。

TOPIC 02

社会参加の3つのポイント

栄養・体力・社会参加の中で特に大事なのが社会参加です。社会参加の大事なポイントは三つあります。一つ目は一日一回以上は外出すること。二つ目は週に一回以上、友人・知人などと交流すること。三つ目は月に一回以上、楽しさややりがいのある活動に参加することです。この三つを意識してできればフレイル予防の可能性が高まると提唱しています。

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こられには根拠があり、一つ目の外出ですが毎日外出しない人は外出する人に比べ、移動能力や日常生活を送るための能力が低下するという研究結果が出ています。下のグラフは外出が少ない人の方が二年後に移動能力や日常生活の能力が低下する危険性を表しています。外出する予定を立てないといけないと考える人も多いと思いますが、そうではなく外出とは家の敷地から出ることで、コンビニやスーパーまで歩いたり、犬の散歩でも良いのです。

現代社会はインターネットなどで社会とつながれるので、外出しなくても買い物もできるし家から出なくても支障ないのですが、家から出て買い物をしてくるだけでも体にとっては良いのです。歩くことで足腰の衰えを防げるし、人と合えば会話が生まれるので認知機能の低下を防げます。高齢者ほど外出することが大事だということが分かります。

Fujita K, et ai. Frequency of going outdoors as a good predictors for incident disability of physical function as well as disability recovery in community-dwelling older adults in rural japan. 2006

二つ目の週に一回以上、友人・知人と交流を持つということは、毎日頻繁に交流を持つ人と月に一回から週に一回未満の交流の人とを比較すると、交流の少ない人は将来要介護や認知症、死亡するリスクが一気に高まります。新しく友人をつくるということではなく、今皆さんが持っているご家族や友人、近所の人などとのつながりを大切にすることだと思います。例えば最近会っていない人などに連絡を取り交流につなげるというのも一つの方法です。

三つ目は月に一回以上、楽しくやりがいのある活動に参加するということです。これは老人会・町内会・ボランティアなどのグループに未加入の人に比べると、活動に参加している人の方が生活機能が維持・改善しやすいという研究結果が出ています。学ぶ、働く、集う、趣味、ボランティアなど、さまざまな活動に無理のない自分のペースで取り組むことが大切です。楽しい、参加したいという気持ちが大事で、参加者の中でも参加したくて進んで参加している人たちが三年後に自立した生活を送れなくなる確率を調べると、自立が維持されやすいという結果が出ています。

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TOPIC 03

運動頻度と要介護リスク

運動参加頻度と要介護リスクを調査しました。ウオーキングサークルに参加しているが、自分自身は週に一回未満の運動しかしていない人たちの四年後に要介護認定を受けるリスクを調査すると、グループに参加していないが一人で週一回以上運動をしている人よりも要介護認定のリスクが下がるという結果が出ています。これは笑うと健康ということで、一人で運動しても笑顔はなかなか生まれませんが、仲間と一緒にいると笑いや会話が生まれ、それが健康に良い影響を与えていると考えられます。

二つ目は役割と健康です。町内会でも地域活動でも、そこで役職経験がある人はない人よりも将来の死亡率や認知症リスクが減ることが分かっています。人と集まり役割を持つことが大事で、グループに参加することが重要です。

三つ目は仲間意識と健康です。競い合いながら、励まし合いながら刺激を受けて活動することです。ご飯を食べる形態もそうですが、誰かと食べるようにしているか一人で食べているかですが、孤食の人で黙々と食べ早食いになるよりも、人とつながりを持ち食べることが望ましいのです。

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TOPIC 04

「つながり」の勧め

ウィズコロナやアフターコロナの中で、無目的なつながりをどうつくるかが重要になります。三つのポイントがありますが、一つ目は高齢になるとフレイルになったり要介護になったりする人が増えてきますが、健康度に応じてつながるということです。健康の状況に応じて近所付き合いにとどめたり、要介護の中で人とのつながりを探したりということです。

二つ目は気軽に社会参加を考えるということで、ボランティアで頑張ることも素晴らしいですが、何かのついでに社会参加をするという、ちょっとしたことでもよく、状況に応じて取り組み方を決めるということです。

三つ目は環境を変えてみることです。今までのつながりを大事にしながら、環境を変えることで新しいつながりを見つけることです。住んでいる場所を変えてみるというのも一つの方法です。大切なのは自分ができる役割ややりがいを見つけることで、そのために環境を変えることも一つの手段と考えます。

イニシアグラン札幌イーストの
入居者同士の自然なつながりを生む共用空間

ホワイエ

ホワイエ

カフェダイニング

カフェダイニング

大浴場(女湯)

大浴場(女湯)

※掲載のモデルルーム写真はイニシアグラン札幌イーストの共有空間を撮影(2022年1月撮影)したものです。