ニュースリリース

生活者×大学研究室×コスモスイニシア 協同研究プロジェクト『ココラボ 2011』 今年のテーマは都市住宅における新価値創造「重層長屋」 研究進捗をフェイスブックで展開し、意見交換 分譲プロジェクト「ザ・ロアハウス西荻窪」も同時展開

2011年06月17日


   (株)コスモスイニシア(本社:千代田区、社長:高木 嘉幸)では、新しい住空間の可能性を見出すための産学民協同研究プロジェクト『COCOLABO(ココラボ)2011を6 月から11 月までの期間で活動いたします。『ココラボ』として6年目を迎える今年度のテーマは、「旗竿地」(*1参照)を効率的に利用し、住空間を上下に重ねたメゾネットタイプの住まいを建築する「都市部の重層長屋」(*2 参照)の研究です。
   今回の研究は、都市部の狭小な土地において、まとまった戸数のある長屋形式の集合住宅を建築することで希少な邸宅地を有効に活用し、かつ、個々の住戸としては戸建住宅感覚の独立性の高さを確保した、快適な住空間を生み出すことを探究してまいります。

 

   研究に参加する大学は、東京藝術大学 美術学部建築科 元倉研究室、東京電機大学 未来科学部建築学科空間デザイン研究室(山本研究室)、共立女子大学 家政学部 建築・デザイン学科 堀研究室の建築系3 研究室です。
   6 月17 日から11 月末までの期間、3研究室それぞれが、インターネットを通じて住戸プランなどの研究内容を段階的に発表し、その内容に対して、一般の生活者や開発事業者である当社との意見交換を交えながら展開していきます。研究過程においては、住まいに関心の高い生活者を対象とした、親子参加型の夏休みワークショップやグループインタビュー(意見交換会)などのイベントを開催し、生活者のリアルな声を都度研究に反映しながら内容を錬磨し、最終的には「都市部における重層長屋」のプロトタイプの提案までを行います。

   また、コミュニケーションの手法は、日本でも200万人を超えるユーザー数を誇るSNS「Facebookフェイスブック」を『ココラボ』として初めて活用し、これまで以上にタイムリーで、非匿名による深く、内容の濃い意見交換を実施してまいります。

 

   なお、当社では、研究と並行し、実際の開発・分譲事業としてタウンハウスプロジェクト『ザ・ロアハウス西荻窪』
(所在地:杉並区西荻南4丁目/総戸数:12戸)の販売活動を開始
しております。当社ウェブサイト上での事前告知を中心とした限られた広告宣伝活動にも関わらず、これまでの1ヶ月間で約320件の資料請求をいただくなど、7 月上旬に予定する販売に向けて好評を博しております。

 

   当社は、「重層長屋」について学術的な研究と実際のプロジェクトの両側面からの検証を進め、現代の都市部の住宅事情に対する一つの解を導くとともに、「これからの住まい」として新たな価値を創造していくことを目指してま
いります。

 

*1: 「旗竿地」とは、敷地の形状が”旗竿”のような宅地のこと。「旗」は住宅の敷地で、「竿」は道路に接する間口を表します。
*2: 「重層長屋」とは、「タウンハウス」や「テラスハウス」とも呼ばれ、一般に2階建ての棟続きの集合住宅を表します。
フェイスブックページ

 

– 『COCOLABO(ココラボ)2011』概要 –

 
<研究テーマ・内容>
   「旗竿地」を効率的に利用し、住空間を上下に重ねたメゾネットタイプの住まいを建築する「都市部の重層長屋」
についての研究。「フェーズ1  立体的な居室間の関係性をどう豊かに計画するか」・「フェーズ2  各住戸へのアプローチに必要な路地空間をどう豊かに計画するか」の各視点に対し、それぞれの研究室における研究内容を発表。「フェイスブック」を利用し、生活者からのリアルな声を含めた意見交換を展開します。また、グループインタビューを通じて、生活者からの意見を集約し、プロトタイプの提示までを行います。

 

=研究の背景=
   現代の日本の都市部における住宅事情における一つの課題として「旗竿地」が挙げられます。日本の住宅事情は、時代の変遷とともに目まぐるしい変化を続けてきました。なかでも、日本人のライフスタイルを大きく変えた戦後から高度成長期にかけては、住まいに対する価値観を持ち家志向へと加速させることになりました。こうして発生した住宅需要を満たすために、郊外において大規模な宅地の造成が進むとともに、都市部においては宅地の細分化やミニ開発が随所で行われました。さらにバブル期には、都市部を中心に地価が大幅に高騰。その結果、世代が変わる際に、相続税や固定資産税などの税負担のため、土地を切り売りして手放すケースが多くなりました。このように、都市部の宅地を取り巻く環境の変化は、宅地の細分化や変形地を生み出す結果につながりました。その結果生まれたのが「旗竿地」です。
   日本の法律では、住宅の敷地は隣接する道路に2m 以上接していなければなりませんが、「旗竿地」はこの条件を最低限満たした宅地と言えます。 そして、「旗竿地」はその形状のため、住宅としての条件も決して良くないケースが多いと言われます。例えば、基本的に四方が建物に囲まれているため陽当たりや眺望が遮られる場合が多い、公道から住まいまでのアクセスが煩わしい、といったことです。さらに、「旗竿地」では、自治体の条例などにより、マンションの建設に対して、大きな制限や規制がかかります。しかし、今後、ゆったりとした敷地の確保がさらに困難になると考えられる都市部の宅地事情において、このような「旗竿地」を有効活用することは、一つの重要なポイントであると言えます。
   このようなことから、『ココラボ』では、「旗竿地」のような細分化された敷地の再活用手法を検討することは、都市部における建物の更新を円滑に促進するという観点から非常に意義のあることであると考え、2011年の産学民協同の研究課題に取り上げることといたしました。その研究に当たって、『ココラボ』は「重層長屋」に着眼し、都市住宅における新たな価値創造に向けて、探究してまいります。

 

<活動スケジュール>
・6 月17 日(金) 『ココラボ 2011』ウェブサイト
・「フェイスブック」を公開
以後フェーズ1から段階的に研究をアップ
・8 月初旬 夏休み親子向け『ココラボ ワークショップ』
・9 月初旬 『グループインタビュー』
・11 月下旬 『ココラボ 2011 レビュー』研究結果総括
※日時や予定であり、変更となる場合もございます。
ココラボウェブサイト

 

<参加研究室>
元倉研究室/ 東京藝術大学 美術学部建築科 元倉研究室
山本研究室/ 東京電機大学 未来科学部建築学科 空間デザイン研究室
堀研究室/ 共立女子大学 家政学部 建築・デザイン学科 堀研究室

 

元倉研究室 山本研究室 堀研究室

 

– 『COCOLABO(ココラボ)』の歩み –

 

<『ココラボ』とは>
   『COCOLABO(ココラボ)』は、「個々(coco)の住まいを共に(co)考える研究所(laboratory)」として、展開しているプロジェクトです。住空間への関心の高い生活者、住空間を専門に研究を進める大学研究室、そして住空間の開発者であるディベロッパーの3者が、双方向にコミュニケーションを図る住宅分野において殆ど例のない取り組みです。
   21世紀に入り、人々の生活スタイルの多様な変化に伴い住空間への意識や関心が高まり、量から質への転換が進んできています。また、才能のある建築家の多くが大学で教師となり「建築」を指導・研究し学生を育てていく「プロフェッサーアーキテクト」の時代となっています。教師と学生が一体となって展開する研究はオリジナリティに富み、新たな住空間の創造において大きな可能性を秘めています。
   当社ではこの点に注目し、大学の建築系研究室と住空間への関心の高い生活者との双方向によるプランニングコラボレーションの場として、取り組んでいます。

 

<活動実績>
   当社では、2006年度よりこのプロジェクトを実施しています。毎年、ウェブサイトには20代から50代の男女を
中心に単身者やファミリー世帯から多数のご意見をお寄せいただいております。
   今年度は初めて「フェイスブック」を活用したコミュニケーションにもチャレンジし、生活者×大学研究室×当社と3者協同で、これからの豊かな住空間・住まい方への提言を生み出していきたいと考えています。

 

<参考『ココラボ 2009』>

■研究模様がわかる専用サイト  ■大学生の研究発表
■夏休みワークショップ