COCOLABO

あなたと考える新しい住まいの研究室 COCOLABO

みんなでわいわい、ココラボカフェ。ブログで語ろう「人に、環境に、やさしい家」。
≪谷口 景一朗≫
11月12日  谷口 景一朗  
意識の共有

みなさん、こんにちは。谷口です。
5ヶ月にわたるココラボもひとまず終了しました。
僕はCFDや風洞実験を介して、住宅設計の中で『通風』について考えることの可能性や大切さを皆さんにお伝えできればと思い、建築環境系という立場からココラボに参加させていただきました。少しアカデミックすぎて取っ付き難いところもあったかもしれませんが、いかがだったでしょうか?皆さんが少しでも今まで以上に環境のことに興味を持っていただけたら幸いです。

最近世の中には、エコカーや省エネ型エアコン、節水型の洗濯機など「省エネ型」「環境配慮型」のモノが溢れています。
けれども、そのような製品が増えるほど、それを使っている人の環境に対する意識や工夫が希薄になってしまうという矛盾が一部で起きてしまっているように思います。高性能の製品を手に入れたことに満足して、使い方を工夫したりといった日々の努力を怠ってしまっている気がするのです。
しかし、たとえ高性能な製品であっても、無計画にそれらを使用していては真の意味での省エネにはならないはずです。機器の性能はもちろん重要ですが、それ以上に使い手の工夫が省エネルギーには不可欠だと思うのです。

これは、住宅についても同じではないでしょうか?
高気密・高断熱で太陽の光がよく入り風通しも良い。そんな高性能な住宅であっても、その住宅のことを良く知らずにただ日々を過ごしていたら、それは決してサステイナブルな生活とは言えないでしょう。その住宅の良さを住まい手の方が十分に理解して初めて、その住宅は環境共生住宅と呼べるのです。

ココラボでは、この住宅で計画されたさまざまな環境的配慮や住まい方の提案を、毎週の研究紹介でみなさんに出来る限り説明してきました。窓の配置と風通しとの関係や吹き抜け空間と熱環境の関係、さらには間取りとライフスタイルの関係や素材についてなどの情報を、みなさんと共有してこれたのではないかと思っています。
設計者と住まい手の方とのこのような意識・情報の共有が、環境にやさしい住宅の重要な要素なのだと、ココラボを通じて強く感じるようになりました。

今回ココラボで提案してきた住宅が、ただ建物の性能だけに頼るのではない住宅の形のひとつとしてみなさんに記憶していただければとてもうれしく思います。
最後になりましたが、半年間さまざまなご意見やご感想をいただきまして本当にありがとうございました。

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10月29日  谷口 景一朗  
風洞実験の裏話

みなさん、こんにちは。谷口です。
今年も残るはあと2ヶ月。昼間はまだまだ暖かいですけど、夜はだいぶ冷え込むようになってきましたね。

風洞実験の報告はいかがだったでしょうか。
鴻野くんのブログにも書かれていたように、僕たちはシミュレーションと実験、さらには実測という3つの手法を用いて総合的な通風の研究をココラボでは試みています。そうすることで、今回の敷地だけにとどまらず、通風をはじめとした環境に配慮した住宅のプロトタイプを提案することが出来ると考えています。

さて、今回は風洞実験の裏話をひとつ紹介しましょう。
研究No.16でも報告したように、風洞実験では大型ファンから測定用模型の間にブロックやバリアと呼ばれる障害物を並べることで、敷地に吹く風を再現して実験を行います。この障害物を並べる作業が、実は風洞実験の作業の中で最も大変かつ重要な作業のひとつなのです。

そもそも、風速にはプロファイルと呼ばれる高さ方向の分布があります。地上付近は建物や木々など障害物が多いため、より風速が遅くなるのです。さらには、地表面がより込み入っているほど、風速が遅くなる割合が大きくなります。つまり、海上のように地表面になにも障害物がないところでは、高さ方向の風速の差が小さく(地上付近でも風速が衰えず)、高層ビル群のようなところでは、高さ方向の風速の差が大きくなる(地上付近で風速が大きく低減する)のです。

風洞実験を行う際には、その敷地にあわせた風速のプロファイルになるようにブロックやバリアを設置しないといけないのですが、この作業が非常に根気のいる作業なのです。ブロックをひとつひとつ手作業で並べ、並べ終わっては風速を測定し、ブロックを並べなおしては再び風速を測定する、といった作業を繰り返さなければならないのです。このような地道な作業を繰り返すことで、より正確な実験データを得ることができるのです。

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普段の住宅設計では、なかなかCFDシミュレーションや風洞実験まで行うことはできません。ココラボのような機会に、今回紹介したような地道な作業を含め、時間をかけて得た多くのデータがココラボの目指す「人に、環境に、やさしい住宅」を設計するための大切なデータとなるのです。

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