COCOLABO

あなたと考える新しい住まいの研究室 COCOLABO

みんなでわいわい、ココラボカフェ。ブログで語ろう「人に、環境に、やさしい家」。
≪長岡 晃平≫
11月20日  長岡 晃平  
隠さない設計

こんにちは、長岡です。
ココラボも最後まで無事に終える事が出来ました。始まった当初はとっかかりがつかめず右往左往していたので、五ヶ月間を振り返ってみると、リアリティのある4案になんとか収斂させる事が出来たな、というのが今の正直な感想です。

住み手が環境的工夫をはっきりと知った上で使う事が出来ること。これについては谷口研究員が先で述べた通りですが、重要になってくるのは、これを実現するためにどのようなデザインが可能か、ということだと思います。

今回の設計では、 環境的工夫に関わる仕組みを見せること(隠蔽しないこと)と、建物の構成の大枠が環境的工夫によって説明可能にすることを目指してきました。建物は、庇、南側の開口や吹抜・屋根窓、壁の少ない空間、フレキシブルなプランといった要素によって説明可能なシンプルな構成を持ち、水回りや収納といった副次的部分の配置や動線の設定は、その単純さを邪魔しないようになされています。一方で、建物の外形状や外装、内装仕上などは、ある程度自由のきく部分として残っていますが、クロス張りの内壁や何重にも分かれた屋根といった「家らしさ」を演出するデザインを用いなかったのは、構成を隠し仕組みの明快さを損ねると考えたからです。

環境的工夫が、過不足ない表現であらわされている。そういった透明性というか、意図的な機能表現を今回は敢えてしています。その是非について、皆さんはどう思われますか?

ひとつの敷地・住宅について長い期間をかけ、様々な環境的工夫を一つのプランに収斂させていくという密度の高い作業は、学校の短い設計課題にはない貴重な経験となりました。いろいろな局面にコメントをくださった方々、またアンケートで案を評価し時に批判してくださった方々、設計する上で参考にさせていただきました。本当にありがとうございました。

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10月15日  長岡 晃平  
敷地Dのまとめ

こんにちは、長岡です。今回は残りD案についての手短なまとめをしたいと思います。

各案は環境を制御する共通の仕組として、南側大開口と庇、屋根窓、空気や熱の通り道となる吹抜を持ち、かつ量産住宅としての生産性を考慮して、箱形を採用しています。Dにおいてはそれに加えて、角地の外部への開放性をとらえて、内部空間の豊かさのためにいかに外部を取り込んでいけるかがテーマとなります。

今回採用した外形は、長方形を一点固定して回転させたハの字の形です。回転の角度は敷地形状に従って設定されます。ハの字は南東の方向に開いており、そこで広く前庭と周囲の外環境と接しています。前庭と建物の間にはテラスが巡らされ、前庭と内部の繋がりを強める一方で、建物は道路レベルから2m弱上方にあるため、外部からの視線は緩く遮られます。

建物は複雑な外形となる一方、内部の構成はシンプルになっています。中心に階段と風の抜ける屋根窓が据えられ、そこから南に向かって吹抜が設けられています。プランはこの吹抜を挟んで両側に展開しています。水回りや動線は北側に集中しており、結果南側一階はがらんどうの空間となります。通常隔てられている家族室とSOHOは、仕切りを払うと一つの広間となり、外部と親密な開放的空間になります。これはD案の一番の特徴です。

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ハの字の西側に水回りと主生活機能を集約する事で、東側は機能的に自由なプランとなり、生活に対するフレキシビリティが生まれています。
東側一階は現在、外部からのアクセス性を考慮して、SOHOやアトリエを想定していますが、和室+納戸という収納を重視したプランも可能です。また三世代居住のための老人室+介護用浴室なども考えられるでしょう。
水回りの集約は時間的なプラン変化も可能とします。東側二階の子供室は間壁を設けず、家具によって自由に仕切ることができるため、子供の成長や家族の増加に対応する事ができます。

一階は階段を中心に部屋が円環状に連続し、続き間的な一室性を持っています。各方向の窓から角地の周囲環境を取り入れることで、一階が他案にはない、所々に場所性を持った大らかな一室的空間になっていることも魅力の一つです。

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9月13日  長岡 晃平  
人に環境にやさしい家、の冷房

こんにちは、長岡です。
夏の暑さもおさまって秋らしくなってきました。人気少ない学校のエアコンは弱でも頑張り過ぎているので、ずっと風邪気味の今日この頃です。

そんな事もあって、今回は、エアコン以外に人に優しい、地球に優しい冷房はないか、調べてみました。
部屋を早く一気に冷やす分には使い勝手の良いエアコンですが、場所によって冷たい風があたって体が冷えきってしまうこともあり、人によってはなかなか受け付けません。
また、室外機から出る熱はヒートアイランド現象の要因にもなっていることから、環境負荷も決して低いとは言えませんしね。

結果見つけた方法の一つは地熱を利用した冷房です
地中の温度は夏冬通して変化が少なく、地下5mでは10~15度と安定しているため、地上との温度差を利用して冷房を行う方法です。
地中に通したパイプに空気を送り込んで冷やし、それを家の各部分にファンで送ることで、各部屋の通風と冷房を同時に行います。
廃熱は地層へと排気されるため、外気へ放熱される量はエアコン空調に比べて少なくなっているようです。

もう一つ見つけたのは、冷水による輻射冷房です。
熱を持った物質は赤外線を放射しており、熱は空気を介さず温度の高い物から低い物に移動します。
例えば、コップに冷たい水をいれてテーブルの上においておくと、その周りがひんやりしている。これは輻射により体から熱が出ているということなんです。
これを利用したのが輻射冷房と呼ばれるもので、壁や天井面にパイプを設け、水道水または地下水などの冷水を流します。
この冷房は、空気の対流がないので場所によるムラが無く、体感的にもやんわりと冷やしてくれます。また熱源が水なので、外気への廃熱もありません。

エアコンの冷風が好きではないので、個人的には輻射冷房には心引かれますが、皆さんはいかがでしょうか?

これらの冷却設備は残念ながらコストの面で採用していませんが、ココラボモデルでは、床下に蓄熱層を大きく採ることで、夜間にそれを十分冷やし、昼間の室温上昇をできるだけ抑えるという、自然の温度差を利用した試みによって、エアコンを極力使わない温度調整を行います。家計の問題も含めて、できるだけエアコン空調に頼らないですむ住宅にしていけるといいな、と思っています

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8月25日  長岡 晃平  
伽藍の魅力・町家の魅力

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こんにちは、長岡です。
今週は、このラウンドで検討してきた環境共生住宅の特徴について振り返ってみようと思います。

2nd round では外環境の視点から各案のスタディを行ってきました。検討したポイントは、街並の見え方と、敷地まわりの風の流れです。
街並みの調和を探るために、まず四軒とも南側に深い庇を伸ばす構成に変え、そして軒先の高さを揃えています。敷地の大きさから必然的に建物の奥行きもそろってくるので、これにより建物の外観は似通ったものとなり、調和がとりやすくなります。
風については、CFDによる解析を通して、 各敷地での風の流れ方が定量的に把握できるようになってきました。例えばAでは南面の西側に南からの風が支配的な一方で、Dでは通りを挟んだ南隣の敷地を越えてきた風がハの字の開いた部分に強く吹き込んでくることがわかります。 設計では得られた通風ルートをふまえて、建物形状や窓の配置を行うことになります。特に夏季は換気だけでなく採涼のために風の利用は有効となってきます。

このブログでは、町並みについてさらにもう少し説明しようと思います。
前述の街並み調整の条件として考えた、軒線の高さをそろえるというデザインは、見え方に関して二つの異なる魅力を持っています。それは、伽藍の魅力と町家の魅力と呼ぶことができるかもしれません。
伽藍とは簡単に言うと寺のお堂のことです。例えば左上の写真は有名な京都の寺院の伽藍です。この建物で圧巻なのは見上げた屋根の姿だと思っています。長く続いて上向きの視界を広く覆う軒先に全体としての強さを感じるからです。四軒がそろって南側に大きく庇を伸ばしている街並は、道路から見上げると一つの大きな軒のようで、伽藍のような印象の強さをよい意味でもつことができるのではないでしょうか。
町家と言われると、通りに面した建物の庇が、ずっと一定の高さで続いていく図を思い浮かべるのではないでしょうか。庇による一体感は確かに印象的な要素ですが、一方で街並を形作る建物の屋根高はまちまちですし、門構えの材料もここの家の時代によって様々に異なっています。個人的には町家の魅力見え方に魅力を感じるのは、こういった庇をそろえるというルールを共有しながら、各家の個性が現れていることです。このプロジェクトでは、それぞれの建物が外形や庇というルールで景観的に束ねられながらも、建物内部にそれぞれの生活に沿った異なるプランが収まっており、南面の大開口をとおして様々な生活の表情が現れてくる街並の姿を提示しています。

ココラボ2008も折り返し点を迎えました。今週から始まる3rd round では、2nd roundで考えた外環境からのアプローチを生かして、各建物の環境共生のためのいろんな仕組みについて紹介していきたいと思います。お楽しみに!

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7月18日  長岡 晃平  
フィルタリング

はじめまして、長岡です。今日は研究No.5について解説します。

敷地Dは特異な環境にあります。三方向で道路に接しており、また南・東の道路に比べて1.2m高い台地となっているためです。そのおかげで敷地からは南の方向に見晴らしがきく一方で、必然的にそこに建つ建物は周囲のランドマークとして通る人々の目に留まることになるでしょう。いかにプライバシーを守りながら、この角地の開放性を利用して建物内部を豊かなものにできるか?ここでは建物と敷地との応答性を考えました。

まず住戸の種類として、SOHO(家庭内オフィス)のある家を想定しました。具体的には、学習教室やお稽古教室です。ランドマーク的な家に街へ開かれた機能があると、周辺街区のコミュニティ形成に役立つという考えからです。 SOHOと居間は、それぞれ仕事の場と居住の場として異なる性質を持っているため、ある程度距離が離れている必要があります。建物の開放性を維持し、そしてSOHOと住居部を離すために、3つの操作を行います。

ひとつは 建物を敷地の北東と西の境界に沿って配置することです。この配置は東側の道路から敷地内部への視線がカットされるとともに、東西に余分な空地を生まないため南側にまとまった庭をつくります。
もう一つは建物の間に中庭を配置することです。 中庭は一階ではSOHOと居間、二階では子供室と主寝室にそれぞれ挟まれ、両者を隔てる場所となります。しかし中庭に対して窓の多い開放的な構成は、相互に視界を便りに気配を感じられるといった、抑制のある接続感もそれぞれの場所にもたらします。また、 中庭はデッキになっており、窓を開放すれば居間・中庭・仕事場を直接的に接続して使うこともできます。中庭は 異なる性質を持つ仕事の場と居住の場を隔てる空間となると同時に、両者を繋ぐ場所にもなります。
最後の一つは、中庭を南面の庭に向かって開くことです。それによって外の環境、庭の木々や町並の風景を大きく取り入れることができ、建物の内部に強い開放感を与えることができます。

開放的な中庭の構成は一方で、内部の活動を露にしてしまうという問題があります。プライバシーを守るために、南側の庭による道路からのセットバック、 道路との1.5mの高低差を用います。高さと遠さによって、道路からは椅子に座っている人は見えなくなります。同様に、庭中央の樹木は二階への視線を遮ります。 距離・高低差・樹木の3つの要素が視線を緩く遮りながら、内部/外部へと続いていきます。開かれた中庭によって、プライバシーと内部でのつながりを保持しながら、周囲の環境とダイレクトに応答することが可能となります。

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開放性とプライバシーのバランスを探る方法としての堅牢なシャッターではなく、視線・日射や風をある程度まで通したり遮ったりする、フィルターのようなものの重ね合わせが、緩やかに異質なものや内部/外部を繋いでいくような境目のあり方を、ここでは提示します。関係性のフィルタリングを通して、敷地さらには広い社会との関係性を探り定着させる。そういった、「エコ」や技術的側面でなかなか語れない部分にも環境共生について考えうるポイントを見つけることができるのではないでしょうか。

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