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9月 3日  森永研究員  
可変性の効能~心の成長~

間取りの可変性をリジーに続いてお話したいと思います。
リジーのいうように、可変性は、生涯の中で必ず変わるライフスタイルへの対応になくてはならないものです。
一方、一日という短いサイクルの中でも、ライフスタイルは変化します。
『朝起きて、ご飯を食べて、仕事をして、くつろいで、眠る』

限られた空間で『クウ・ネル・アソブ』を実践するには自由に利用できる空間が必須です。

私の母の実家は典型的な田の字プランの日本家屋で、建具を取り払うと26帖畳の大きな空間となり、そこが、時間に応じて、リビングにも、お茶室にも、母と叔母の遊び場にも、寝室にも使われていたそうです。

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また、可変性は心の成長にも影響を及ぼすようです。
空間と心理の相関関係を研究している昭和女子大学の友田博通教授は
空間の可変性がない空間を、元気がなくなる要素の一つとしてあげています

桂離宮を初めとし、日本建築の美しさを世界に広めた、ドイツの建築家ブルーノ・タウトが、その著書「ニッポン」の中で、以下の様に述べています。
“他国民の場合に比して、物分かり好く悧巧な点で遥かに優っているように見える日本の児童は、常に大いなる喜びの種子である。私は、ある一つの些細な場合を除いては、未だかつて子供が乱暴をはたらいたのを見たことがないし、またどこへ行っても、街頭交通、ことに自動車に対して日本の子供ほど賢く振舞うのを見たことがない
~中略~
母親に背負われた幼児が母のする動作を絶えず見守っているのをよく観察したことがあるが、これらの動作の意味が大して説明も要せずに自然に彼等の心に刻まれるのである。
~中略~
子供のこの物分かりの好さもまた、典型的な日本的な生活法、居住法に対する一つの前提である。たとえば紙の襖や障子は、子供のこういう特性がなかったらいったいどうなってしまうことだろうか?”

これは、日本家屋の住空間の特徴が、作法やコミュニケーションを規定し、そのことが子供の成長に少なからず関与していると考えられ得ると解釈することができます。

可変性とは、単に空間そのものに自由度がある以上に、人間の心の変化や可能性を受け止める性質を持つのかも知れません。

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