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みんなでわいわい、ココラボカフェ。ブログで語ろう「人に、環境に、やさしい家」。
8月 1日   
風の通る家

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みなさん、はじめまして。東大環境系研究室の谷口と申します。
ココラボでは、難波研究室と共同研究というかたちでシミュレーションを交えながら、主に通風計画のサポートをしています。よろしくお願いします。

さて、さっそくですが研究No.7を見ていただけたでしょうか。少々専門的なところもあったので、とっつきにくかったかもしれません。そもそも、どうして住宅の設計にわざわざ通風のシミュレーションが必要なのか?そんな疑問をもたれた方もいるかもしれません。
そこで、今回は住宅の通風計画をより詳細にスタディすることから広がる住宅設計の可能性について考えてみたいと思います。

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もともと日本の伝統的な住宅は、風通しが抜群に良いものでした。
夏の暑い日には障子や襖などを開け放つことで好きなだけ風を取り入れ、反対に冬の日には、囲炉裏や炬燵などで暖を採る、「採暖」という考え方で寒さを凌いできたのです。
しかし、高度経済成長とともに空調技術が普及すると、住宅は「高断熱・高気密」化しはじめます。日射や温度差、隙間風などによる熱の出入りを抑えることができる住宅では、空調エネルギーが少なくてすむのです。
ところが、もともとは隙間だらけだった日本の住宅は、高断熱・高気密化することで以前のように簡単に風を取り入れることが難しくなり、さまざまな問題が起こるようになってきました。シックハウス症候群などがその一例です。
そのため、現在の住宅設計では計画的に換気・通風の設計を行うことが必須となっているのです。

ではここで、皆さんが住宅の通風計画をすることを想像してみてください。
夏を涼しく過ごすために私たちは、南風を考慮して南に大きな窓をつけ、たくさん風を取り入れようとするでしょう。
でも、住宅の南隣に高い建物が建っている場合はどうなるでしょうか。同じように南に大きな窓をつけても隣の高い建物が邪魔になりほとんど風が入ってこないかもしれません。
また、敷地が斜面にある場合は、風は思いもよらぬ方向から吹いてくるかもしれません。
このように敷地に吹く風は敷地ごとに異なるため、どこでも同じような通風計画をしていると実は全く風通しの良くない住宅ができてしまう危険性があるのです。

そこでココラボでは、対象となる敷地A~Dの建物のみでなく、その周りの建物や地形も再現した上で通風シミュレーションを行っています。それによって、敷地にはどのような風が吹いているのかを正しく把握することができ、設計に生かすことが出来るのです。

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どのような敷地でも同じように設計をしていては本当の意味で「人に、環境に、やさしい家」とは言えません。敷地の特徴を設計者も住まい手の方もきちんと理解することが不可欠なのです。
通風に関しても、まずは設計者がシミュレーションなどを通して正しい風の流れを把握することで、住まい手の方が環境にやさしく快適に暮らすための手引きとなる、そんな設計を進めていくことが重要ではないでしょうか。

今回のシミュレーション結果を受けて、次の研究では建物の形や窓の位置を提案していく予定です。ぜひ、期待してください!

コメント (2)

風の流れがこんな風に見えてくることにびっくりです!
考えたこともなかったですが、建物の周りの風の流れを知れば、確かに窓の開け方も意識が変わってきますね。次の研究の展開が楽しみです。

よしろうさん
コメントありがとうございます!

住宅のような小規模な建物の設計段階からシミュレーションを用いて風の流れを意識することは今までにもあまり例のないことだと思います。
それだけにこれからの研究の展開もまだまだ手探りのところもありますが、がんばって新しい試みに取り組んでいきたいと思います。
これからもご感想・ご意見いただければと思います。

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