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精鋭税理士による不動産投資基礎講座「不動産投資を行う前に知っておきたいこと」

「不動産を保有する」状態は同じでも、目的によって対応は全く異なる

不動産投資を始めたい人へ、私が最初にお話しすることがあります。それは、投資家は何を大事にするべきか、つまり、目的を明確にするということです。
わかりやすく言えば、不動産を保有している人は、大きく分けて2種類います。ひとつは、財産形成として不動産投資をやっていきたいという人。もうひとつは、不動産を次の世代へ遺したいという人。
前者の財産形成が目的の場合は、収益を上げるための不動産投資を考えなければなりません。キャッシュを稼ぎたいなら、安心安全より若干リスクを負ってでも利益率重視でいくという考え方を持つ必要もあるでしょう。また、最終的にお金を残したい人は、物件を15年以上持つべきではないと思います。減価償却が発生し、年を追うごとに修繕リスクも増しますから、「回す」ということを考えます。不動産を売却するという方法を含めて、選択肢を増やしながら、財産を見ていくべきでしょう。

後者の、不動産を次の世代へ遺したいと考える人は、相続や事業承継をいかにスムーズに行うかを考慮しなければなりません。最終的な相続税の金額や相続後のキャッシュフローも含めて、きちんと次の人に引き継げるように、組み立てる必要があります。また、引き継いで困る物件を遺して相続させても誰も幸せになりません。引き継ぐことを嫌がられない資産を遺すという点も大事です。
この二つの目的を混同すると、対応が中途半端になったり、判断を間違えたりすることもあり、お金を持っているようで、どんどんキャッシュがなくなってしまうことすらあります。お金を稼ぎたいと考えるならば、売却まできちんと見据えて計画を立てることが必要です。

誰もが気になる税金の話。対策ができる税金、できない税金

不動産投資といえば、税金のことが頭に浮かぶ人もたくさんいます。不動産投資と税金は切っても切れない関係にあり、不動産投資を行っていく段階で、さまざまな税金が発生します。詳しい話をするにはとても誌面が足りませんし、個別の案件については、税理士に相談するのが一番いいのですが、ごく基本的なことは理解しておいたほうが良いでしょう。
まず、税金を大きく分けると、消費に対する税金、保有に対する税金、そして利益に対する税金の3種類があります。
消費に対する税金を少なくしようと思えば、消費をしないことしか方法はありません。贅沢をしないでくださいということです。ライフスタイルに関する話でもありますから、ここは本人が考えるしかないでしょう。
次に、保有に対する税金です。固定資産税や自動車税、相続税などが代表的なものです。固定資産税、自動車税への対策は不可能です。保有するものに対して確実に税金が発生します。その点、相続税は、事前に計画すれば、対策を講じることができます。しかし、相続はいつ発生するかわかりませんので、事前に十分な対策を行うことが必要です。
税金をできるだけ少なくしたいと考えるならば、最後に残った利益に対する課税に一番フォーカスしましょう。投資家の方々が考えるべきは、利益に対する課税です。法人税、所得税、住民税などがこれに該当しますが、詳細は別の機会に譲ります。

税金の仕組みというのは、ご存じのとおり複雑です。また、「特例措置」という制度がたくさんあり、税金制度の理解をさらに難しくしています。以下の表を参照するとわかるように、代表的な税金の特例だけでも、これだけの種類があります。
単純に不動産を購入したい、売却したいという人も、これだけの税金が関係してきます。ですから、生半可な知識でやるのではなく、専門家(行政書士や税理士)に、どういうゴールを見据えて物件を売買するのかを相談するほうがいいでしょう。
また、相談するにしても、日ごろから税理士との接点を持って、関係は築いておいてください。期日の直前や、他に方法が取れない段階でご相談にいらしても、多くの場合は何もできません。普段から不動産投資に関する税金について相談しながら、適宜アドバイスをもらうようにしてください。

サラリーマンはいじめられている? 個人にかかる税金

個人の場合、所得に対する課税は、累進で増えていきますから、稼げば稼ぐほど税率が上がっていきます。富裕層といわれる方は、所得税と住民税をあわせて50%近くを税金として支払わなければなりません。それに毎月の社会保険などの費用も加わります。入ってくるお金が多い一方で、出ていくお金も多いため、生活はできているけれどお金は回っていない不動産オーナーは少なくありません。ですから、私はそういう案件では、法人化を勧めたり、奥様を専従者にして夫婦間で税務対策を行ったり、キャッシュが保有できるようにするコーディネートをよく行います。
ただし、申告の直前にご相談をいただいても、十分な時間をかけることができず、さまざまな施策のコーディネートや、来年のこと、物件の売り時のご相談まで対応することができません。申告以外のシーズンにも、税理士とコミュニケーションをとっておくことが大切です。

不動産投資に関する税金については、増税基調であることは間違いありません。
建築不動産にかかる税制でグレーゾーンだったところが改正されました。たとえば、消費税還付が認められなくなったり、「損益通算」(2つ以上の所得のうち、黒字の所得から赤字の所得を控除できる制度)によって海外不動産との国内不動産の通算での処理ができなくなったりしました。また、次世代経営者へのバトンタッチを促進する制度として期待されている事業承継税制では、「資産保有型会社」と「資産運用型会社」は、納税猶予が認められない会社となりました。さらに、30年以降に引き渡される30階建て以上の新築のタワーマンションの固定資産税が見直されました。
このように、昨今、不動産投資に関して課税が強化されているといえます。
現実問題として、還付の廃止や課税強化により、相当数の方の税金金額が増えています。

個人に対する税制改正も進んでいます。たとえば、給与所得控除の金額が徐々に下がってきています。
ゆっくり段階的に課税強化されているといえるでしょう。2020年以降は安定しますが、今年から取得控除の調整も行われるので、税率ではない部分でも課税強化されています。給与所得の人たちがターゲットにされているようにも見え、私は、「サラリーマンいじめの図」と呼んでいます。

ところが、2020年(令和2年)1月1日から実施される、所得税における「基礎控除の引き上げ」と「給与所得控除の引き下げ」では、フリーランスの人たちは、なぜか控除額が上がるという現象が起きています。以下の図をご覧ください。

青色申告による控除もかなりあります。ある程度の事業規模は必要ですが、こうした枠を効果的に活用することができれば、サラリーマンよりも納税額においてメリットがある状況をつくることは可能です。
収入が給与だけの人は、年を追うごとに課税が強化されています。さらに、2020年のコロナ禍においては、さらに所得税に還元されることも想像できます。そこで、給与所得以外に何か事業所得を持って、税務対策に取り組むというのも、ひとつの方法ではないかと思います。

 

不動産の価値とは?

不動産の価値には、最初の投資額、毎年の収入、売却額、路線価、帳簿上の簿価など、いろいろな評価・考え方があります。
投資家は、この不動産の価値を上げていくというアプローチが必要になります。ただし、さまざまな不動産の価値のうち、帳簿価格を上げることや、売買の相場をコントロールすることはできません。投資家として取り組むべきなのは、時価を上げることと、収入を上げることです。
また、資産としての価値を上げるには、結局家賃を上げていくしかありません。では、家賃はどのように決まるかというと、まず地域の需要相場、そして老朽化に関わる築年数や、その物件だけが持つプレミア感などがあります。
老朽化対策やプレミア感の演出などは、オーナーの判断によって可能です。たとえば、同じ値段なら海が見えるほうを買うでしょうし、同じようなマンションでも、1階にコンビニが入っているほうが、家賃は下がりにくいので、3棟並びならそういう物件を選ぶでしょう。さらに、外部要因によるプレミアもあります。一棟ものなら、あえて女性限定やペット共生型ハウスにするのもひとつの手ですし、あえてショッキングピンクにしてランドマークにするなどもオーナーの自由です。
万人から喜ばれる物件をつくる必要はありません。ニーズがある人が、そこに家賃を払う価値を見いだせれば、それは資産性のある不動産になります。とはいえ、ショッキングピンクした場合、退居する人もいるでしょうから、そのバランスを考えることは必要です。せっかく不動産を持つのですから、いろいろ考えた末に落としどころを持つことには大きな意味があります。
リノベーションによって家賃を上げるという方法もあります。価値をプラスする、あえて少し直して売る方法もあります。もちろん、修繕やリフォームにはお金がかかりますので、その修繕行為に対してどの程度のリターンを見込めるかという計算は必要です。
たとえば、外装に手を入れれば、お客様の寄付きは良くなり、入居率に影響が出ます。そして内装に力を入れれば、入居者の満足度が高まり、家賃の増減に影響を与えることができます。

しかし、相場によって家賃が決まってしまうことにストレスを抱えているなら、買い替えを前提として、不動産の資産性を上げていくほうが賢明です。どんなに素敵なマンションでも、地域や相場によって家賃を5万円以上にできないのなら、都会で家賃10万円のワンルーム持っているほうがよいというのがこの図のアンサーです。

 

VALUE AI 監修税理士 豊田 章成氏
豊田税理士事務所 代表税理士。不動産資産税コンサルティング等の資産税領域に強みを持つ税理士。法人設立スタートアップ支援から上場企業の再編アドバイザー等、幅広い税務相談を行う。

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