COLUMN

これからのビジネスに求められるのは、「変化への対応力の向上」です。
なぜ発想の転換、変化への対応力の向上が必要なのでしょうか。
次々と生まれてくる新しいブーム、刻々と変化する世界情勢、人口の減少と高齢化など、社会はどのように変わっていくか、企業として何をなすべきかを経済ジャーナリストの須田慎一郎氏をお迎えしてお話を伺いました。

社会の動向とコスモスイニシアの現在

—まず、コスモスイニシアさんがどのような事業を行っている会社なのかをお話しいただけますか?

走内:
当社は創業43年になる不動産のデベロッパーとして新築マンションや新築一戸建などの分譲住宅の開発、販売を中心に行ってきました。
しかし、人口の変化や世の中の住まいに対するニーズの変化、またこれまでにお客さまからいただいた不動産に関する数々のご相談やお悩みに向き合っていく中で、少しずつビジネスの分野や事業を拡大し、今日では投資用・事業用不動産を扱うソリューション事業も含め、不動産に関するさまざまな事業を展開しております。
須田:
なるほど。社会課題の変化、それに伴うニーズの変化への対応力を上げるためには発想の転換が重要ですね。今までの在り方で行ったら時代の変化にはついていけません。
特に、少子高齢化については非常に大きな問題(社会課題)です。
御社のような企業もそうですが、自治体も高齢化や少子化に対してはさまざまな取り組みが必要な時代です。
例えば、愛媛県の今治市は造船業の集約やタオルのブランド化に成功して、出生率が国の掲げる希望出生率の1.8をクリアしているのです。しかし、今治市のようにさまざまな取り組みを行ったとしても、1.8では人口は増加しない。出生率が2.0以上にならないと人口は増えない。頑張ってもようやく1.8なのです。
つまり、何とか頑張って人口を増やそうと考えるよりも、「もう人口は増えない」と発想を変えていく必要があります。人口が増えないことを前提に、企業経営や自治体経営を行う必要がありますね。
走内:
当社も少子化や人口の変化を受け、先ほども言ったような経営戦略の見直しや、お客さまのニーズ、ポートフォリオの変革に対し、柔軟に取り組んでいます。
ソリューション事業領域では、デベロッパーとしてのノウハウを活かし、投資用・事業用不動産の開発や販売・仲介、不動産オーナーさまから部屋等を借り上げ、転貸する不動産サブリースなど、約30年にわたり、不動産オーナーさまのニーズにお応えできるようサービスの改善に努めてきました。
須田さんのおっしゃるように、国内で人口が増えることに期待できない状況である一方、増加を続けている訪日外国人旅行者のニーズに応えるため、新たにインバウンドの旅行客をターゲットとしたホテル事業にも参画しました。
同業他社でもビジネスホテルで成功されている事例もありますが、当社では主にファミリーや友人と一緒に訪日される外国人旅行者向けの、キッチンとリビングがついたアパートメントホテルの開発を行っています。1室に4~5人で宿泊することが可能で、コネクティングルームにおいては隣の部屋とのドアの開閉が可能となり、最大で8人程度まで宿泊できます。ツインルームに分かれて宿泊するより、宿泊費用も抑えることができ、ファミリーが一同に会せるメリットがあります。
須田:
ホテル事業といえば、コスモスイニシアさんのライバル社が、今までそこにホテルを作ろうと考えたこともなかったような地域にインバウンド向けのホテルを計画しているのはご存知ですか?
新たにホテルをオープンしようと考えたとき、走内さんでしたらどのような場所にホテルを作ろうと思いますか?
走内:
やはり安全で利便性の高い場所でしょうか。ターゲットがビジネス客なのか、観光客なのかにもよりますが、ニーズにあった場所を探しますね。
須田:
その通りです。しかし、そういった場所は人気があり地価も高く、今から参入するのはなかなか難しいでしょう。
そこで、その会社が考えたのは、治安の面でリスクがあり、他の人がおよそホテルを作ろうと考えないような場所にホテルをオープンすることでした。地価が安く、空港からのアクセスがいいという利点を活かし、主要都市へ移動するための中継地点として利用してもらおうというコンセプトのホテルです。ビジネスや観光のために宿泊するホテルではなく、中継地点としてのホテルですから、周辺の環境の良し悪しは問わないということです。
もしかしたら、このホテルができたことで周辺の環境が変わるかもしれない。非常に大きなチャレンジです。
やはりね、「リスクの高い地域は選ばない」というような、従来の発想ではもうダメですね。敢えてリスクテイクをするチャレンジ精神は、変化に対する対応でもありますから、このホテルが今後どうなっていくか、楽しみです。

経済ジャーナリスト

須田慎一郎

  • プロフィール
  • 経済ジャーナリスト。1961年、東京生まれ。日本大学経済学部卒。
  • 経済紙の記者を経て、フリー・ジャーナリスト転身。
  • 「夕刊フジ」「週刊ポスト」「週刊新潮」などで執筆活動を続けるかたわら、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」、読売テレビ「そこまで言って委員会NP」、ニッポン放送「あさラジ」他、テレビ、ラジオの報道番組等で活躍中。
  • 平成19年から24年まで、内閣府、多重債務者対策本部有識者会議委員を務める。政界、官界、財界での豊富な人脈を基に、数々のスクープを連発している。
  • 著書
  • 『偽装中流 中間層からこぼれ落ちる人たち』KKベストセラーズ、2016年1月
  • 『アベノミクスが激論で解けた!』小学館、2013年4月
  • 『金融資産は今すぐ現金化せよ』KKベストセラーズ、2008年
  • 『ブラックマネー』新潮社、2008年

株式会社
コスモスイニシア


走内 悦子

  • プロフィール
  • 株式会社コスモスイニシア 執行役員、ソリューション本部 副本部長。
  • 1986年、旧・(株)リクルートコスモスに入社後、新築分譲マンション・戸建ての開発・販売事業、中古マンションの流通事業、投資用不動産の仲介・賃貸・コンサルティング事業等、同社の全事業に携わる。
  • 保有資格
  • 宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター