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相続対策のための資産管理法人② ~合同会社~

第1回では、法人疎開として法人の形態や特徴と、事業承継の観点などを解説しました。

法人の形態として合同会社を選択するケースが近年は増加傾向にありますので、合同会社の特徴の他に、株式会社との違いなどを解説します。

1. 合同会社とは

スモールビジネスに適したビークルで株式会社と同様の節税メリットを受けられる

合同会社

出資と経営が一体である持分会社という会社形態の一つ

合同会社は、2006年(平成18年)5月の会社法の施行により設立が認められる事になった。
・Limited(限られた)
・Liability(責任)
・Company(会社)
の頭文字をとってLLCと略称します。

合同会社の特徴

株式会社と同様に、出資者全員が間接有限責任社員によって構成されるため、リスクを一定範囲に留められる
また、スモールビジネスに適したビークル(器や事業体)という特徴もあり、個人的な信頼関係を有する日常的に会合できる少人数のものが出資し、共同で事業を営むことを前提とするビークル。

会社の運営は株式会社より規制が緩いにもかかわらず、株式会社と同じ税制が適用されるために、会社設立による恩恵を同様に受けられるのが最大のメリットで、パス・スルー課税(法人の所得課税ではなく、出資者の所得課税)は認められていません。

 

法務省の登記統計によると、2015年(平成27年)の新規設立法人約11.1万社のうち、
・合同会社は約2.2万社
・株式会社は約8.9万社
となっていて、年々、合同会社の設立件数が増加しています。

2. 合同会社のメリットと特徴

柔軟な機関設計が可能でコストも抑えられる

メリット
  • 設立コストを抑えられる
  • 自由度の効く柔軟な機関設計が可能
  • 運営コストも株式会社より少ない
  • 株式会社と同様の節税メリットを受けられる
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3. 合同会社のデメリット

出資者同士の信頼関係が崩れると企業運営が困難になる恐れも

デメリットとしては、下記の4つの事項が考えられます。

① 利益配分について対立が生じる恐れ

合同会社は出資額と関係なく利益配分を定められるために、社員同士の対立が生ずる恐れが有ります。

② 意思決定について対立が生じると、企業運営が困難になる恐れがある

出資者1人につき1票の議決権を有し、重要事項の決定には出資者全員の同意が原則です。それは意思決定の柔軟さというメリットの裏返しで、信頼関係が崩れると企業運営上に支障をきたす恐れが有ります。
ただし、一人会社では関係有りませんし、共同経営者がいる場合でも、定款で業務執行社員を定めるなど意思決定方法を明確化する事で対応が図れます。

③ 出資の譲渡や事業承継が困難になる恐れ

人的な信頼関係が重視される合同会社では、出資の全部又は一部を譲渡する場合には、原則として他の社員全員の同意を必要とします。

④ 社会的認知度と信用度が低い

一般的に、株式会社と比較すると社会的な認知度と信用度は低いとされます。

4. 合同会社と株式会社をどのように選択するか

法人化の背景とケースに応じて選択

資産管理のための法人化の面では、株式会社と異なって設立や増資の際に出資額の1/2以上を資本金組入額とする規制が無いため、多額の現物出資を行っても資本金の額を抑えられ、中小法人の税制上の恩典を受けられるのは大きなメリットです。
 
将来的に企業規模の拡大を目指すなら、株式会社を選択するのが望ましいですが、社員全員の同意があれば株式会社に組織変更する事も可能です。
 
合同会社の社員は、設立後に出資金額の払い戻しを受けて退社も可能ですし、社員に死亡や破産手続き開始などの事由が生じた場合には退社となります。しかし、社員が死亡しても社員の持分が自動的に相続人に承継されるのではなく、退社による持分の払戻請求権を承継するに過ぎません。
 
株式会社のような相続や合併による一般承継は、定款に特則として定めなければ事業承継がスムーズに行えなくなるリスクも有りますので、個人的な資産管理法人ならば相続への対応も検討しておく事が必要です。

私見となりますが、相続への対応として親族関係で争う余地の無いケースでは合同会社を、争う可能性が有るケースでは株式会社を勧める事が有ります。単に設立コストが安いとか企業運営に手間がかからないといった理由だけでなく、法人化の背景を考慮した上でビークルを選択するのが望ましいと考えます。

 

公認会計士・税理士 益本正藏氏

税理士法人総和 代表社員。 1990年、慶應義塾大学商学部を卒業。1991年、大手監査法人に入所。1997年、公認会計士・税理士事務所に入所。2000年、益本公認会計士・税理士事務所開設。2013年、税理士法人総和、益本公認会計士事務所開設。数多の知識と経験を活かし、不動産にかかわる税務相談・セミナーを行っている。その他出版多数。

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